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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Norwich×MAN.UTD】クリスマスプレセントのような一発で、マンチェスター・ユナイテッド、何とか4連勝!

チェルシーサポーターのみなさん、すみませんでした。昨日、「あれだけチャンスがあって、なぜ1-0なんだ」と、決定力不足にツッコミを入れましたが、この日のマンチェスター・ユナイテッドは攻め込むことすらできませんでした。プレミアリーグ第19節、ノーウィッチとのアウェイ戦。マンチェスター・ユナイテッドは自陣でのクリアミスを突いたウェルベックがゴールを決め、0-1で4連勝を飾ったものの…いやあ、ひどかったですね。ターンオーバーというのは、「メンバーを入れ替えてもレベルが落ちない」ことが前提にあるわけですが、昨日のマンチェスター・ユナイテッドは、「サブのメンバーを出してクオリティを落としただけ」。香川真司もチチャリートも、ギグスも病み上がりのキャリックも本来の出来になく、勝てたのが不思議です。

前半開始直後は、マンチェスター・ユナイテッドがペースを握るかにみえました。6分、右からのクロスが逆サイドに流れたところを香川真司が拾い、中央に走り込んだチチャリートにシュート気味のクロスを出したシーンは、その後の怒涛の攻撃を期待させるに充分だったのですが、残念ながら後が続きません。前線の選手の動きとパスがかみ合わないまま、10分を過ぎると完全にホーム・ノーウィッチのペース。前半だけで、MFスノッドグラスひとりに何回、ゴールを脅かされたでしょうか。16分にはマーティンにエヴラのサイドを突破されてピンチを招き、20分、23分には立て続けにスノッドグラスのミドルがゴールを襲います。36分、CKからバソングが先に頭に触るもののシュートはサイドに流れ、35分過ぎのフラハンの決定的なチャンスもぎりぎりのところでブロック。幸運が昨季プレミアリーグ王者を支え、ホームチームはなかなか先制点を奪えません。

ノーウィッチに足りなかったのは、運と冷静さだけでした。こぼれ球はことごとくマンチェスター・ユナイテッドDF陣の前に落ち、コースが空いている状態で打ったシュートのほとんどが枠を外れ、前半は0-0で終了。マンチェスター・ユナイテッドの低調ぶりを表現するとすれば、「トップのチチャリートの初シュートは44分」という表現がぴったりでしょう。30分過ぎから、キャリックやスモーリングが遠めからミドルシュートを放ちましたが、前半の攻撃はそれだけです。サイドを徹底的に崩しにいくこともなく、中央でのパス交換の精度も低く、狙いのないサッカーに終始したまま45分を浪費してしまいました。

香川真司は、今季最低の出来で69分にピッチを後にします。彼の最大の問題は、メンタルも含めたコンディションの悪さでしょう。11月に出場機会を得ていた頃の運動量は影を潜め、味方ボールになったときにもらえるポジションに入らないので、ボールは彼の周囲をまわるだけとなり、フォローがないチチャリートが孤立します。いちばん残念なのは、シュートを打とうという意志が感じられないところです。後半、ペナルティエリアすぐ外でシュートコースが空いたシーンが2回ほどあったのですが、1回はラストパスがチチャリートのオフサイドを取られ、もう1回は味方と呼吸が合わずにパスカットされてしまいました。シュートの脅威がないトップ下ほど守りやすいものはなく、周囲の選手のマークを外しさえしなければ、ゴールを奪われることはありません。

ここにきて、またも移籍話がイギリスのマスコミを賑わせていますが、今のコンディションでは、マンチェスター・ユナイテッドはもちろん、どこへ行っても厳しいでしょう。ましてやモイーズ監督は選手の状態に敏感で、少しでも不安があればファン・ペルシですら外す監督です。次のトッテナム戦はベンチに逆戻りとなりそうですが、いま一度トップフォームを取り戻すべくメンタルとフィジカルを上げて、練習でアピールしていくほかはありません。

それにしてもノーウィッチは、57分に犯してしまった、たった1回の致命的なミスが悔やまれます。自陣左でクリアをウェルベックに足に当てられ、こぼれたボールはGKが飛び出せない絶妙の位置に転がります。これに反応した2人の選手は、いずれも赤いユニフォーム。チチャリートより近い位置にいたウェルベックがGKを冷静にかわし、無人のゴールに右足で流し込み、これが決勝点となります。前節のチェルシーや、同時に行われていたエティハドのマンチェスター・シティは、同じ1-0でも圧倒的に押し込んだ「必然の辛勝」。対してわれわれの勝利は「ついてるときは、こんなもの」としかいいようがありません。

今年の冬は一段と寒さが厳しいな…と思いながらの観戦でしたが、さあ、気を取り直しましょう。こんなゲームでの勝ち点3は貴重です。過去のプレミアリーグにおいて、逆転で優勝を飾ったチームのクリスマスでの最低順位は6位だそうで、1997-98シーズンのアーセナルが、後半戦を15勝3分けという驚異的な追い込みでまくっています。幸いなことに、今季のプレミアリーグは上位がダンゴ状態。われわれには、デヴィッド・シーマンもデニス・ベルカンプも、アダムスもキーオンもいませんが、後半戦を勝って勝って勝ちまくるしかありません。

年明けのトッテナム戦では、ルーニーが元気な姿を見せ、キャリックもコンディションを上げてくるでしょう。2014年、いよいよ反攻モード開始です。…あ、ちなみに現在、マンチェスター・ユナイテッドは6位ですが、これは「今夜のゲームでニューカッスルが負けかドローなら」の但し書き付きです。もし彼らが勝って7位になったら…。プレミアリーグとFAカップのダブルを飾った、90年代後半のアーセナル以上の強さを見せられるイメージはありませんね。アーセナルのみなさん、今夜はぜひニューカッスルを叩いてください。6位と7位のちょっとした差でしかありませんが、全然、気分が違います。

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