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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Newcastle×MAN.CITY】おなじみアウェイ病で大苦戦!マン・シティ、幸運な勝ち点3&不運なケガ人発生

「人間が裁いているのだから誤審はつきもの。あってほしくはないが、それも含めてサッカー」というのが、ジャッジに対する私のスタンスですが、昨日のプレミアリーグ、ニューカッスルVSマンチェスター・シティのオフサイド判定については、きちんとFAが声明を出したほうがいいと思います。34分にノーゴールと判定されたティオテのミドルシュートは、FWの選手はボールに触っておらず、よけただけでボールに「関与」していません。あれをオフサイドとしてしまうと、「オフサイドポジションにいる味方選手の脇を通ったシュートはみんなアウト」となってしまい、現行ルールの根源にかかわる問題だと思います。マンチェスター・シティが得したとかニューカッスルがかわいそうというような目先のお話とはまた別に、仕切りを入れるべき由々しき事態だという認識です。

さておき、このゲームでは、爆発的な得点力を誇りながらプレミアリーグで2位に甘んじているマンチェスター・シティに、このところ症状が抑えられていた「アウェイ病」がまたも蔓延しました。左サイドにダヴィド・シルヴァを配してコラロフとコンビを組ませ、中にいるジェコとネグレドに合わせるという戦術が功を奏し、スルーパスを受けたコラロフのクロスをジェコが左足で蹴り込んで8分に先制。ここまではもくろみ通りだったのですが、その後がいけません。中盤でのパスミスが多く、ニューカッスルのショートカウンターを許し、自分たちはなかなかシュートまで持ち込めません。ティオテの幻のゴールを含め、好機は明らかにホームチームに多く、ニューカッスルの半分以下のシュート4本に終わった前半を0-1で終えられたのは、幸運だったといわざるをえません。

後半に入ると、ペジェグリーニ監督はジェコを諦め、ヘスス・ナバスを投入。MFの押上げと両サイドを使った攻撃に活路を見出そうとします。ここからマンチェスター・シティがセットプレイを得る機会が増え、54分にはネグレドが決定的なヘディングを放ちますが、クルルが足でブロックするビッグセーブを見せ、追加点に至らず。逆に58分、中央の人混みをドリブルでうまく抜けたキャバイェに強烈なミドルシュートを浴び、GKハートが体をいっぱいに伸ばして右に弾くシーンもあり、このところのプレミアリーグで8勝1分けという無類の強さを発揮していたチームとは思えない綱渡り状態です。ペジェグリーニ監督は、さらに攻勢を強めたかったはずですが、61分にヤヤ・トゥレが腰を押さえてうずくまり、やむをえずハビ・ガルシアにスイッチ。さらに74分、今度はニューカッスルDFヤンガエムビワのアタックを受けてナスリが担架で運ばれ、ミルナーを投入するなど、意図的な選手起用ができません。

ホームで負けるわけにはいかないニューカッスルは、残り15分で逆転すべく、とにかくシュート、シュートです。マンチェスター・シティは押されながらも受けて立ち、「次の1点」を巡って攻防が激しくなります。いやあ、プレミアリーグは、やっぱり終盤の打ち合い・たたき合いが緊張感があっていいですね。上位対決でもプレミアリーグ降格寸前のチームでも、イーブンもしくは1点差なら最後は総攻撃モードに入るので、ゴール前での競り合いの頻度が上がります。ましてやプレミアリーグ4位に食い込み、欧州の舞台を手に入れたいニューカッスルは、当たり前のようにマンチェスター・シティのゴール前に殺到します。しかし、どうしてもゴールは生まれず、0-1のまま、残り時間はほとんどなくなりつつあります。

最後にゴールを決めたのは、積極性と正確さを失う「アウェイ病」で勝ち点ロストのピンチに追い込まれていたマンチェスター・シティのほうでした。カウンターから長い縦パスが入り、ネグレドがDFの裏へ完全に抜け出し、ひとり旅を始めたのは94分。GKクルルはシュートをブロックするものの、跳ね返ったボールがネグレドの前に落ちては、万事休す。このゲームでチャンスを決めきれないでいたスペイン代表FWは、無人のゴールに軽く流し込んでやっと0-2。終わってみればマンチェスター・シティ、のらりくらりとクリーンシートの完勝でした。

ペジェグリーニ監督は、勝ち点を失ってもいいから、ヤヤ・トゥレとナスリに無事でいてほしかったでしょう。ヤヤ・トゥレは軽くて済むかもしれませんが、トッテナム、チェルシーと続けて当たる直前のケガ人発生は大きな懸念材料です。微妙なジャッジといいケガ人といい、両チームにとってすっきりしないゲームだったことは間違いありません。(アラン・パーデュー 写真著作者/Brian Minkoff-London Pixels)

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