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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Aston Villa×Arsenal】まさに「スーパー・ジャック」!アーセナル、瞬殺の2点ゲットで首位キープ!

今思えば、プレミアリーグ開幕戦、本拠地エミレーツでこのアストン・ヴィラに負けたことが、アーセナルの快進撃のきっかけでした。あの敗戦で生まれた危機感が、電光石火のエジル獲得とフラミニ加入につながり、そこから今季のチームの核ができたのだと思います。今回は、アウェイでのアストン・ヴィラ戦ですが、アーセナルの強みは敵地でも攻撃的なスタイルが変わらないこと。ホームで全勝しているにも関わらず、アウェイで5勝2分け4敗と極端に勝率が落ちるマンチェスター・シティに対して、前節までのアウェイ戦で7勝1分け2敗は素晴らしいのひとことです。

そしてこの夜も、前半から完全なるアーセナルペース。ヴィラ・パークに乗り込んでのボールポゼッション71%は、プレミアリーグ上位クラブといえどもなかなかできない芸当でしょう。3バックで中央を固めるアストン・ヴィラに対して、エジル、カソルラ、ウィルシャーを中心に中盤でボールをまわし、サイドのサニャやモンレアルをうまく使ってクロスで揺さぶりをかけます。当初はしっかりゴール前にカギをかけていたアストン・ヴィラですが、痛かったのは15分のネイサン・ベイカーの負傷退場。ここで代わりにMFバクナを入れ、4バックにスイッチしたことが、アーセナルの先制点の布石となってしまいます。

DFラインを4人にしてから、左サイドはアントニオ・ルナがニャブリやサニャを抑え、縦への突破を許しませんでしたが、右のロートンのマークがルーズになったところをモンレアルに狙われ、スルーパスが裏に通るようになります。ついにラインが決壊したのは34分。エジルがモンレアルに見事なスルーパスを通し、モンレアルはフリーで縦に抜けると、グラウンダーのクロスを中に入れます。ニアのジルーがスルーした後ろにいたのは、ジャック・ウィルシャー。余裕を持ってGKグザンの動きを見て打ったシュートが外れるわけがありません。アーセナルらしい美しいゴールで0-1。アストン・ヴィラは最少失点でゲームを進め、追いつきたかったのですが、この1分後にすかさず追加点を入れられてしまいます。

2点めもまた、「スーパー・ジャック」、ウィルシャーの見事なプレイから決まりました。敵陣でMFデルフのタッチミスを突き、ボールを奪った10番は、そのままドリブルで上がって中央を走るジルーにきれいなラストパス。ジルーはワントラップで足元にボールをおさめ、左に持ち込むと、DFの足の間を抜くシュートを放ち、これがゴール右隅に決まります。あっという間の0-2。アストン・ヴィラの攻撃は、アグボンラホルのドリブルと、デルフやバグナの単発的なミドルシュートしかありません。プレミアリーグ開幕から4試合で4ゴールを決めたベンテケは、それ以来まったくの不発で、この日も完全に消えています。あまりにも大きい2点差。アーセナルの快勝は、最初の45分で決まったかに見えました。

後半もアーセナルが主導権を握る展開は変わらず。66分に、左サイドを制圧していたモンレアルが負傷退場した以外に、これといった事件もありません。強いていえば、交代で入ったSBギブスは、前任者に比べて慎重すぎたかもしれません。76分、逆襲の始まりを告げるゴールは、左サイドで再三数的優位を創られ、パスコースに窮したカソルラのミスパスがきっかけとなったからです。モンレアルに完全にやられていたロートンは、インターセプトしたボールを一発で逆サイドまで通し、突然のボールロストに態勢が整っていなかったアーセナルDF陣は、ファーサイドから入ったベンテケをつかまえることができません。4ヵ月ぶりとなる今季5点めは、文句なしのダイビングヘッド。1-2となり、ここからゲームはヒートアップします。

アーセナルは、69分に交代で入れたロシツキが競り合いで顔を張られ、鼻血が止まらなくなるトラブルがあり、さらに交代を重ねなくてはならなくなります。ここで投入されたのは、アレックス・オックスレイド=チェンバレン!プレミアリーグは、まさに開幕のアストン・ヴィラ戦以来の登場です。この後、アストン・ヴィラの執拗な放り込みを受け、追加点を決めて逃げ切るというプランに修正を余儀なくされたアーセナルでしたが、フラミニやウィルシャーがこぼれ球をきっちり拾って前につなぎ、エジルやチェンバレンのところで時間を遣います。ヴィラ最後のチャンスは、89分のベンテケのヘッド!左右どちらかに頭を振れば、確実に入っていたはずのシュートは、工夫がなくGKシュチェスニーの正面に飛んでしまいます。6分間の追加タイムも、むしろ点の匂いがしたのはアーセナルのほうでした。アストン・ヴィラ、遅すぎた反撃及ばず。アーセナルが勝ち点を48に伸ばし、プレミアリーグ首位をキープしました。

しかし負けないですね、アーセナル。最後はあわや同点のシーンもありましたが、DFラインの落ち着きはプレミアリーグ随一。昨季とメンバーは変わっていないのに、別のチームのようです。やはりサッカーはメンタルが重要。勝利を重ねてきた自信が彼らを強く、冷静にしているのでしょう。どうやら、来週以降のフラム、セインツ、クリスタル・パレスには負けそうにありません。次なる刺客は、2月上旬のリヴァプールですね。(アレックス・オックスレイド=チェンバレン 写真著作者/Stanislav Vedmid)

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