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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Arsenal×MAN.UTD】相手のミスをとがめ合う神経戦…GKの活躍で、両者無念のドロー!

プレミアリーグ上位同士の対決だから好ゲームになるはず、という期待は、ときどきこういう形で裏切られます。…いえ、決して「両チームとも悪かった」といいたいわけではありません。負けられないという緊張感が、ときに凡戦を生んでしまう、という表現が適切でしょうか。片やプレミアリーグ首位奪還、片やはチャンピオンズリーグ出場権圏内への追い上げを賭けた一戦。アーセナルとマンチェスター・ユナイテッドのゲームは、両者決定機を活かせず、スコアレスドローで終わりました。

試合は開始早々、波乱含みです。GKシュチェスニーからのパスを自陣で簡単に奪われたアルテタの軽率なミスも、それを持ち込んだフリーの左足シュートを簡単にキャッチされたファン・ペルシの凡庸なプレイも、緊張感によるものなのでしょうか。4分にはアーセナルが逆襲。中央でのパス交換から右サイドをウィルシャーが抜け、シュートブロックの後、CKをジルーがヘッドで狙いますが、ボールは枠の左上に外れます。この後は両チームとも沈黙。お互いのミスをとがめ合うような、ナーバスな展開です。アーセナルはポストプレイやワンツーでのダイレクトパスが味方に合わず、マンチェスター・ユナイテッドは、先週あれだけ放り込んだクロスを、禁止令でも出たかのように自粛。ショートパスに活路を見出そうとしますが、危険なシーンを創れません。

自陣でのパスまわしもどこかぎこちなかった前半は、一発のパスや自陣でのミスがチャンスにつながりました。17分、マタの縦パスからファン・ペルシが左サイドでフリーになり、追いついてきたDFを切り返しでかわしてシュートしたものの、右足だったからか枠にいかず。28分、ルーニーが自陣でボールを奪われ、ジルーがシュートを放つもこれも決まりません。前半は0-0。消極的だったマンチェスター・ユナイテッドのシュートはわずか3本。ファン・ペルシやルーニーが消えている時間が長く、中盤までしかボールがつながりません。アーセナルはとにかくパスミスが多く、ジャック・ウィルシャーはボールを持ち過ぎ、アウェイチームのMFに囲まれて再三ピンチを招いてしまいます。

後半も、ポゼッションのアーセナル、シンプルなマンチェスター・ユナイテッドという構図は変わらず。よりチャンスを創っていたのはホームチームのほうでした。60分、エジルのラストパスからカソルラがミドル。61分には、CKを完璧なヘッドで叩いたコシールニーのシュートがGKデ・ヘアを破りますが、枠の中にいたバレンシアがクリア。64分には、ギブスの突破からジルー。マンチェスター・ユナイテッドは攻め込まれながらも、DFラインは落ち着いており、ラストパスにしっかり対応できています。

75分、ヴァンゲル監督もモイーズ監督も、ゲームメイカーを諦め、縦への突破に活路を見出そうとします。アーセナルは、ロシツキをチェンバレン。マン・ユナイテッドはマタをヤヌザイ。そしてこの後、マンチェスター・ユナイテッドにこの試合最大のビッグチャンスが訪れます。主役はもちろん、ウエイン・ルーニー。78分、キャリックが自陣でカットしたボールを空いていたファン・ペルシにつなぎ、ドリブルで攻め上がったファン・ペルシは右サイドにいたルーニーに預け、自らはゴール左にまわり込みます。

…この直後のルーニーが、凄いのひとこと。背番号10はファン・ぺルシの上がりをみて、ここしかないというタイミングで右足を一閃。2人のDFには触れず、ファン・ペルシだけヘッドで打てるスーパークロスに、エースは強烈なシュートで応えます。マンチェスター・ユナイテッドがついに先制…と思わず腰を浮かしたこのシーンは、敵もさるもの、GKシュチェスニーがビッグセーブ!ぎりぎりで弾いたボールはポストを直撃し、ゴールはなりませんでした。

マンチェスター・ユナイテッドが最大の見せ場をつぶされると、ラスト10分はアーセナルのペース。ようやくスムーズになったパスワークから、エジルが何度も急所にパスを通そうとしますが、マン・ユナイテッドも必死のクリア。カソルラが放った3本のミドルは、いずれも横のボールに強いデ・ヘアがセーブ。両軍ともゴールラインを超えられないまま、0-0でタイムアップです。

うーん、両チームとも試合の大半の時間で腰が引けており、本気で勝ちにいった時間は正味20分ぐらいでしたね。アーセナルが、最後の10分で見せたコンビネーションをもっと早く始められていれば、ホームチームの勝ち点3だったでしょう。マンチェスター・ユナイテッドは惜しいシーンはありましたが、そもそも決定機が少なすぎます。エジルは復活の兆し、マタは単発のパスしかなく、またも沈黙。勝ち点を2つも失っている余裕はなかったのですが…。ああ、ファン・ペルシ!無念です。

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“【Arsenal×MAN.UTD】相手のミスをとがめ合う神経戦…GKの活躍で、両者無念のドロー!” への6件のフィードバック

  1. ウィルシェア より:

    更新お疲れさまです

    また調子が悪くなってしまいましたね。
    こういうときはボールを回すことにこだわりすぎて見ていてまったくゴールの予感がしません。多少強引なミドルなどでラインが下がったり、などが調子が良いときはあるのですが目の前で回されて縦パスが入るとわかっていればユナイナッドクラスの選手にはふせがれるに決まってます。まあクリーンシートだったことが唯一のポジティブな面ですね。

    それにしても余計なお世話だと言われるかもしれませんがモイーズのやりたいサッカーが分かりませんね笑
    ファンペルシーとルーニーのふたりで絡んだほーが敵としてよっぽどこわかったですよ笑
    マタもなんかかわいそうで……

  2. makoto より:

    ウィルシェアさん
    最後のほうのエジルやカソルラはよかったので、もっと早い時間にああいった形でぺナルティエリア脇を使えていればよかったですね。

    モイーズのやりたいサッカーは、要は昨季のエヴァートンです。「センターMFは守ってね、ミララスとベインズがサイドからパス出すから、アニチェベとフェライニが体張って決めてね、ポジションチェンジなんていうよけいなことしなくていいから」…とまあ、こんな感じ。まったく未来を感じない…。

  3. マタマタ より:

    これでユナイテッドはリバプールと勝ち点11差・・・
    もうホントに絶望的ですね・・・
    モイーズはいつかは解任されるという確信があるので決断は早めにお願いしたいです。
    CL権を無くすとルーニーは絶対移籍すると思います。
    モイーズは「アーセナルとドローは悪くない」と宣ってるようです。
    僕も本心では賛成なのですが、いい加減クラブの現状と自分がどういうクラブを率いているのか認識して欲しいものです。
    モイーズの発言がもう解りやす過ぎて(涙)
    言い訳と自己弁護はもう結構です(涙)
    もうこうなったら最終奥義CL優勝を狙うのか!?

  4. makoto より:

    マタマタさん>
    今、「アーセナルとドローは悪くない。満足している」というのは、「CL出場権いりません。上位にいるんだからいいじゃん」といっているんですけどね…。相手の監督は「勝つべきだったかもしれない」といっているのに。

  5. Uボマー より:

    クロス、クロスってあんまりにも言われたせいか、ユナイテッドはそれほどクロス攻撃をしかけてきませんでしたね。まあ単に攻撃が低調だったとも言えますが。クロス攻撃をしていくのなら、makotoさんのいうとおり、フェライニを攻撃的なポジションに置いた方が点数はかなり取れそうな気がします。あ、でもルーニーがいるからダメか…。
    アーセナルがちょっとチキンだったこともありますが、守備が安定していたのはそれなりの収穫でしょうか。クレヴァリーは相変わらずバタバタしてるけれども、運動量でカヴァーしてればそれなりに中盤が安定するようですね。

  6. makoto より:

    Uボマーさん>
    アーセナルのセンターのふたりがミスが多かったので助かった部分はありますが、0点に抑えたのは収穫だと思います。攻撃は、ルーニーのパス以外に見るべきものがなかったですね…。

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