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【WBA×MAN.UTD】やっぱりルーニー…マンチェスター・ユナイテッド、エース依存も3発&完封!

細かいことを気にし出すとキリがありませんが、それぞれの選手のポテンシャルがより発揮できるようになり、好材料も出てきました。もはやプレミアリーグ4位ははるか遠く。トッテナム、エヴァートンとヨーロッパリーグ出場のチケットを争わなければならないマンチェスター・ユナイテッド。オリンピアコスとのチャンピオンズリーグ惨敗で非難だらけだったムードを払拭し、アウェイのWBA戦に3発&クリーンシートで完勝しました。

このところ(でもないか、ずっとですね)、マンチェスター・ユナイテッドの周辺は暗いお話ばかりです。先月末、マンチェスター・イブニング・ニュースが「モイーズ監督が犯した10の過ち」という記事を大々的に掲載。そのなかに「ビッグネームを使えず苦悩させた」という指摘があり、「香川真司を使いこなせなかった」と名前を出して批判。ルーニー以外はポテンシャルを発揮できていないとしています。また、先日のオリンピアコス戦の後には、ファン・ペルシが「僕の入りたいスペースに、チームメートが入ってきてしまう」と発言し、図らずも攻撃の約束事が何もないことを露呈。このゲームで2試合連続の完敗などしようものなら、プレミアリーグ6位もあきらめざるをえないでしょう。そんなピンチを救ったのは、34分のフィル・ジョーンズのヘッドでした。

試合開始からしばらくして、ボールを支配したのはマンチェスター・ユナイテッド。12分にマタのクロスからヤヌザイが裏に飛び出すものの、これはハンドを取られてゴールならず。16分にはCKからフェライニがヘッドを放ちますが、ディフレクションでゴールに飛んだボールはDFがライン上でクリア。フェライニは、復帰してから別人のようによくなりました。彼が前線にパスを通せるようになり、サイドからの攻撃時にはゴール前に攻め上がってくることで、得点の可能性がずいぶん高まったのではないかと思います。ただし一方で、今のマンチェスター・ユナイテッドは全体的に選手間の距離が遠すぎ、中盤が間延びしているので、マタがゲームを組み立てるまでには至りません。

29分には、左からのヤヌザイのクロスに、再三効果的な上がりをみせていたラファエウが飛び込みヘッド。これはGKフォスターが何とかクリアしますが、アウェイチームの攻勢は止まりません。そして34分、ラファエウが倒されて得たFKを蹴るのはファン・ペルシです。ことFKに関しては、マンチェスター・ユナイテッドはファン・ペルシとルーニーの左右2枚看板。シュートありクロスあり、速球変化球自在で、依然としてプレミアリーグトップクラスでしょう。ジョーンズの見事なヘッドを呼び込んだのは、エースストライカーの正確なプレースキックでした。

0-1として勢いがつくかと思いきや、ここから65分の追加点までは、完全にWBAペース。37分にCKからヤコブがきわどいヘディング。40分にはモリソンからパスを受けたアニチェベがフィル・ジョーンズを振り切って強シュート。後半早々にはフィル・ジョーンズがまたもやられ、抜け出したゲラに左足のグラウンダーのシュートを喰らいます。この日も、GKデ・ヘアはDFのミスを2点は拾ってくれており、いつ入ってもおかしくない時間が続きます。FK以外にまったく見せ場がなかったファン・ペルシは危険なタックルを連発。厳しいレフェリーならレッドを出されてもおかしくないスライディングもありましたが、何とかイエローで止まり、63分にはウェルベックと交代しました。最近、ストレスをためたエースが時折、冷静さを失うのが気になるところです。

そんな劣勢を止めたのは、やはりこの人。65分、好調ラファエウの右からのクロスを軽くヘッドで合わせたのは、ウエイン・ルーニーです。0-2となり、ようやくWBAタイムが終了。ここからは再びマンチェスター・ユナイテッドのペースです。75分に香川真司がピッチに入ると、遠かった選手間の距離が一気に近づき、ルーニー、香川真司、フェライニの細かいショートパスでゴールに迫るシーンが増えます。82分の3点めは、彼らにマタを交えたコンビネーションから、中盤でフリーになったルーニーがウェルベックに絶品スルーパス。ウェルベックは態勢を崩しながらも右隅にシュートを流し込み、終わってみれば、マンチェスター・ユナイテッドが0-3快勝です。

香川真司は15分という短い時間でしたが、中盤でスムーズにパスが通る流れを創り、2度も惜しいチャンスに絡むなど、それまでになかった中央からの攻撃を効果的なものにしていました。彼が入って、はっきり変わりましたね。次戦以降、ぜひスタメンで、マタやルーニーとのコンビネーションを観てみたいものです。しかしまあ、試合後、モイーズ監督が「マタやヤヌザイとのポジション争いはあるが、今後は香川真司の出番は増えるだろう」とコメントしていたのには唖然としました。…あれ?バレンシアとアシュリー・ヤングは?オリンピアコス戦でボコボコにされて、サイド志向に限界を感じたのでしょうか。そんなことは、プレミアリーグ開幕直後に既にわかっていたことなのに…。未だに方向性が定まらないマンチェスター・ユナイテッドですが、プレミアリーグ上位クラブのみなさま、温かい目で見守り、あんまり厳しい攻撃はしないでやってください。また何かあれば、方針がコロッと変わってしまい、ゼロスタートになる可能性がありますので。

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“【WBA×MAN.UTD】やっぱりルーニー…マンチェスター・ユナイテッド、エース依存も3発&完封!” への2件のフィードバック

  1. Uボマー より:

    クリスタルパレス戦もそうでしたけれど、怪我がなければフェライニはモイーズ戦術には一番フィットしそうなんですよね。それに足下の技術もあるので、香川とのコンビも悪くないと思います。個人的にはこれまで日本のファンからフェライニへの批判が多かったのが悲しかった。これでゴールできればもう少しユナイテッドファンの信頼を得られるんでしょうけれども。

    あとはモイーズ監督がどこまで一貫性のある起用ができるのかといったところでしょうか。良い流れがなかなか継続できないのがいつもながらの問題なので。リヴァプール戦は思い切ってぶつかってほしいなぁ…。

  2. makoto より:

    Uボマーさん>
    このところのフェライニはいいですね。唯一、ポジションチェンジやコンビネーションをとろうという動きがあるMFだと思います。マタも当初はそうだったのですが、最近諦め気味なのか、運動量が減ってきているので…。

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