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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Aston Villa×Arsenal】5分間のエクスタシー!「真ん中のエジル」がモヤモヤアーセナルを救う!

昨日UPした、「アーセナルの新システム、4-1-4-1に異議あり!」という記事のなかで、「エジルがサイドで窮屈そう」「カウンターができないと厳しい」と書いたばかりでしたが、プレミアリーグ第5節、アストン・ヴィラとの無敗対決で、ついにエジルがセンターに戻ってきました。トップはウェルベック、エジルとラムジーが並び、左右にはチェンバレンとカソルラ、アンカーにアルテタというフォーメーション。ウィルシャーが入るよりも攻撃的になるであろう新布陣で、アーセナルがどんなサッカーをするのか楽しみに観始めたのですが、開始から30分まではモヤモヤし通しのサッカー。後半の45分間はただ悠々と流しているだけ。しかし、30分過ぎからの15分、とりわけ先制点からの5分間は、これぞアーセナルという最高の時間でした。

試合を決めたのは、エジルとウェルベック。前半は枠内シュートがたったの2本で0-3という珍しい記録が示すとおり、彼らふたりのゴールとシソコのオウンゴールだけが、アーセナルの決定的なシーンでした。30分までのアーセナルは、引いて守るアストン・ヴィラにひたすら攻めあぐみます。チャンスは単発で、サポーターが腰を浮かすシーンは、ウェルベックとラムジーのミドルシュートのみ。ボールをもらう動きもスペースを創るランも少なく、ラムジーがパスミスを連発。ダイレクトパスがつながる場面もほとんどありません。22分の左からのFKで、ファーサイドにフリーで走り込んだDFクラークが決定的なヘッドを放ってからは、アストン・ヴィラペースで試合が進みます。

いけると踏んで前がかりになったアストン・ヴィラは、不用意に最終ラインを上げ過ぎました。33分、一発で世界を変えるスルーパスを裏に通したのは、ダニー・ウェルベック。オフサイドぎりぎりから中央を抜け出したのはエジルです。GKグザンのポジションと動きを見極めたエジルは、左足のインサイドで確実に流し込み0-1。たった2人で決めたこの1点で、アーセナルは忘れていた自分たちのサッカーを思い出したかのように、一気に勝負を決めにいきます。

先制ゴールから1分後、同じコンビが追加点を奪います。ウェルベック、ラムジーとの絡みから左サイドに流れたエジルのグラウンダーは、GKが出られない絶妙な位置。ここに飛び込んだのはウェルベックでした。走り込むタイミングにこれだけ完璧に合わせてもらえれば、ストライカーは思い切り蹴り込むだけ。ウェルベックにとって、アーセナル移籍後、プレミアリーグ初ゴールがやっと決まりました。こうなると、アウェイに強いガナーズの勢いは止まりません。

0-2となってから2分後、3点めはまたも左から。中央でカソルラがミドルのシュートをDFに当てると、リバウンドはSBギブスの足元へ。ギブスがすかさず見事なクロスを中に入れると、ボールは逆サイドのチェンバレンに向かって美しい軌道を描きます。手前にいたアストン・ヴィラSBシソコが触らなければ、決めていたのはチェンバレンでしょう。DFがこれをスルーするわけにはいきません。否応なくシソコが足に当てたボールは、残念ながら、GKグザンが反応できないゴール右隅へと吸い込まれます。たった4分、あっという間の0-3!

さらに41分、カソルラとラムジーが中央突破。右からラムジーが浮かしたラストパスをエジルがボレーで合わせますが、これはゴール右に外れます。前半終了間際には、ウェルベックのパスを受けたラムジーが、左ポストすれすれに強烈な右足シュート。アーセナルの攻撃をストップしたのは、ホームチームの守備陣ではなく、前半の終わりを告げるレフェリーのホイッスルでした。

後半は、両チームともシュート1本という数字が示すように、勝利を確信したアーセナルが、後ろでパスをまわすだけのクルージングの時間。トピックスは、ポドルスキ、ウィルシャーと3枚同時にピッチに入ったロシツキが、今季プレミアリーグ初出場を記録したことぐらいでしょう。戦意喪失のアストン・ヴィラは何もできず、試合終了15分前からサポーターが続々と帰り支度を始めます。アーセナルは、キックオフからしばらくは負けてもおかしくないようなぎくしゃくしたサッカーでしたが、終わってみれば0-3完勝。エジルが4-1-4-1の中央で大活躍し、ウェルベックとのコンビネーションのよさを見せてくれたことが最大の収穫でしょう。

最後に、2つだけ触れさせてください。この日の勝利において、もうひとりリスペクトしたいのは、GKシュチェスニーです。22分、クラークに目の前で叩きつけられた絶望的なヘディングを、背番号1が体を張って外に出さなかったら、完勝どころか勝ち点3すら危なかったかもしれません。逆に苦言を呈したいのは、ジャック・ウィルシャー。3点リードの試合で、イエローカードをもらうような激しすぎるタックルをかます必要はありません。闘志あふれるプレイは彼の魅力のひとつではありますが、もはや若手ではなく主軸なのですから、常に冷静な状況判断ができるようになってほしいものです。

しょっぱい話はこのへんにしましょう。あらためまして、グーナーのみなさん、よかったですね。前半の15分にわたる怒涛の攻撃は、今季初めての「らしいサッカー」だったのではないでしょうか。次戦のプレミアリーグ6節は、いよいよノースロンドンダービーですが、今日のようなサッカーができればエミレーツで勝ち点を落とすことはないと思います。素晴らしい、エジル&ウェルベック!イングランド代表FW放出に、1600万ポンドという移籍金はやはり安すぎたようです…。

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“【Aston Villa×Arsenal】5分間のエクスタシー!「真ん中のエジル」がモヤモヤアーセナルを救う!” への8件のフィードバック

  1. ゆうま より:

    試合開始から攻められっぱなしで、また今日もかと暗い気持ちで見ていたら
    あれよと言う間の3得点で狐につままれたような試合でした(笑)

    思えば昨シーズンもここ迄ではないにしても序盤守勢に回り、なんとなく
    盛り返して勝つ試合が結構ありましたから。今後こんな試合でも余裕を持って
    見ていられる様になるよう早く順位を上げて欲しいものです。

  2. makoto より:

    ゆうまさん>
    前半の最後は素晴らしかったですね。エジルが生き生きとしていてほっとしました。

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    あとは強豪相手にエジルセンターハーフで守備は大丈夫なのか気になりますが、一番心配なのはラムジーが一昨年までのように自信なさげな表情をしていることです…。

  4. サッカー小僧! より:

    今シーズン初めての完勝でしたが、点の入り方がアーセナルにとって都合良すぎて、
    この試合だけではたして、アーセナルの調子が上向きになったのか、はあんまり参考に
    ならないなぁ・・・、って感じですね。

    もちろんウェルベックとエジルにゴールが生まれたのは、喜ばしいですが、
    また、ウィルシャーとラムジーを一緒に使いたがらないか、心配です。
    次のスパーズ戦で、どういう布陣で臨むのか、注目したい、と思います。

  5. リバサポ より:

    他サポですが、ガナーズが羨ましいほどでした。相手のプレスを中→外と外して、DFラインの死角から裏に抜けるのはお見事の一言です。得点シーンを見ると、スポーツって頭を使うことが重要なんだなぁと思わされました。

  6. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    ラムジーは、代表でケガするまでは今季も悪くなかったので、コンディションが戻って一発出れば復活するのではないでしょうか。

    サッカー小僧!さん>
    おっしゃるとおり、次戦に注目ですね。今日の布陣にサンチェスが戻る、くらいになると思われますが、強い相手に会心の勝利を挙げられるかどうかです。

    リバサポさん>
    エジルに毎試合、あんなプレイされたら難儀ですね。やはり、いい選手です。

  7. tomo より:

    更新ご苦労様です。

    ようやくエジルにワールドクラスと呼ばれる選手の本当の力を見せてもらいました。やはり
    彼は中央でこそ輝く選手なのでしょうね。ノースロンドンダービーではサンチェスが復帰を
    するでしょう。ラムゼイとウィルシャーの同時起用にこだわらなければ何とかなるのではと
    私は楽観視しています。

    実はその前に・・・カップ戦があります。個人的にはこの試合をかなり楽しみしています。
    恐らくはロシツキ・キャンベル・ディアビ・ポドルスキ・コクラン・オスピナ辺りの選手が
    スタメン起用されるのではないかなと思いますし若手も起用されるはずです。ある意味では
    週末のダービーより楽しみししています。

    日本における注目度は低いでしょうけど

  8. makoto より:

    tomoさん>
    おっしゃるとおり、ラムジー&ウィルシャーにこだわりすぎなければ、アーセナルの戦力最大活用は実現できるので、これからが楽しみですね。水曜日でしたね、セインツ戦。こちらも楽しみです。

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