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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Aston Villa×Tottenham】CK&FKで大逆転!冷や汗トッテナム、貴重な勝利で4位は目前!

プレミアリーグ開幕から4戦3勝というロケットスタートを決めたアストン・ヴィラでしたが、前節まで5連敗で、一気に”指定席”のボトム10に後退。アーセナル、チェルシー、マンチェスター・シティ、エヴァートンという難敵との4連戦で勝ち点を奪えなかったのは仕方がないとしても、前節のQPR戦を含めて5試合ノーゴールはいただけません。この日の前線は、開幕当初は好調だったヴァイマンと、負傷から復帰後、調子に乗りきれないベルギー代表のベンテケ。そして右サイドにはエンゾグビアが張り、アグボンラホルはベンチスタートです。500分以上ゴールがないとはいえ、注意すべき敵の攻撃陣に対して、トッテナムのマークは緩く、試合は開始からすぐにオープンな殴り合いの展開になりました。

12分、トッテナムは左からメイソンが持ち込み、中に入れたボールをアデバヨルが落とすとエリクセンがボレー。味方のシャドリに当たったボールを、最後はソルダードがヘッドで狙いますが、シュートはわずかに右ポストの外へ逸れていきます。アストン・ヴィラはすかさず反撃。14分、カブールとフェルトンゲンに自由にさせてもらっていたベンテケが左ポスト直撃のボレーを放つと、16分には547分ぶりのゴールが決まります。

右サイドの攻防を制したエンゾグビアがドリブルするのをみて、カブールとフェルトンゲンの間にうまく入ったヴァイマンは、グラウンダーを受けるとDFの手前でスライディングしながら右足に引っかけ、GKロリスの逆を取ります。どうもトッテナムDF陣は、ホームチームの前線の選手を捕まえきれていません。この守りでは、もう1~2点入ってもおかしくないと思いながら観ておりましたが、アストン・ヴィラの枠内シュートはこれが最初で最後。ここからのトッテナム守備陣は、相手にハーフライン過ぎまでは持たせながらもいい形でのフィニッシュだけは抑え、ゲームの流れは次第にアウェイチームのものとなります。

トッテナムの攻撃で、よかったのはライアン・メイソン。彼のペナルティエリア左からの侵入が突破口となり、しばしば中央でどちらが先に触るかという攻防となりますが、ロン・フラールを中心としたアストン・ヴィラの最終ラインは堅く、決定的なシュートを打たせてもらえません。1-0でハーフタイムを迎えると、ポチェッティーノ監督がギャンブルに出ます。前半、パスの供給源としてそれなりに機能していたエリクセンをラメラにチェンジ。前に頭数はいるもののボールが出ない、といった形にならなければいいがと懸念していると、後半のスパーズは、正直すぎるクロスや縦パスをイーブンで競る場面が多くなり、アストン・ヴィラ守備陣を崩せません。

前半から小競り合いが多く、不穏な空気が漂っていたゲームは、後半に入るとますますヒートアップ。このゲームのターニングポイントは、65分のベンテケの一発退場でした。アストン・ヴィラの右サイドでメイソンに肩で当たられ、挑発されたストライカーは、右の手のひらで顔をはたいたところをアシスタントレフェリーに目撃されてしまいます。試合後の「BBC」のインタビューに応えたポール・ランバート監督は、「ベンテケはマイク・タイソンのようなパンチを繰り出したわけではない。私の娘でも、もっと強いパンチができる」と悔しそうに語っておりましたが、強弱はともかく、ベルギー代表FWが手さえ出さなければ、このシーンは両者注意で終わっていたでしょう。アストン・ヴィラは10人になったとはいえ、スコアは1-0。ゴール前を固めて残り30分弱をやり過ごせば、勝ち点3は彼らのものでしたが、トッテナムの執念がそれを許してくれませんでした。

結果からいえば、「ヴィラはスパースにセットプレーを与えすぎた」ということになります。84分の同点ゴールは、ラメラの正確なCKもさることながら、中央からうまくファーに回り込んで難しいボールを左足で合わせたシャドリのお手柄。89分の劇的な逆転ゴールは、58分にアデバヨルと代わったハリー・ケインの無回転キックがネイサン・ベイカーの頭に当たってコースが変わるという幸運な一発でしたが、途中出場のタウンゼントを危険な位置で倒したカルロス・サンチェスのタックルが悔やまれます。結果、1-2。アストン・ヴィラはついに6連敗。トッテナムは敗戦寸前のゲームをひっくり返し、リヴァプールと勝ち点で並ぶ8位に順位を上げました。

最後に、途中出場の選手たちが帳尻を合わせましたが、トッテナムはヒヤヒヤでした。負傷やEL対策などの別な事情がなければ、やはりエリクセン交代はいい作戦だったとはいえないと思います。とはいえ、こういうゲームで勝ち点3を奪えたのは、大収穫。アーセナルまで勝ち点3差としたポチェッティーノ監督のスパーズは、ここから立て直せばプレミアリーグ4位フィニッシュも充分狙えます。それにしても、ハリー・ケイン、ラメラ、エリクセン、ライアン・メイソンと、若手が元気なチームは観ていておもしろいですね。今後、ベン・デイヴィスがフィットして、来季は快足イェドリンが加わるトッテナムのヤングパワーが、プレミアリーグやヨーロッパで爆発するのを楽しみにしています。

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“【Aston Villa×Tottenham】CK&FKで大逆転!冷や汗トッテナム、貴重な勝利で4位は目前!” への2件のフィードバック

  1. にわかスパーズファン より:

    更新お疲れ様です。
    深夜にスリリングな試合を見ました。
    これがあるからスパーズファンがやめられないのかもしれません。笑
    個人的にはやはりとは思いましたが、エリクセンの守備は酷かったですね。上がったスペースを誰も埋めていなかったです。その点で変えたのかもしれません。まぁ采配としては謎でしたが、結果として休ませれたのでよかったかもしれません。
    カプーも最近のパフォーマンスの低下には少し気になります。
    しかしエバートン戦にはウォーカーが間に合うかもしれないので期待しています。

  2. makoto より:

    にわかスパーズファンさん>
    なるほど。守備ですね。CBの緩さに目が行って、エリクセンのほうはさほど気にならなかったのですが、エリクセンを残すと2点めを獲られてしまうかもしれない、という判断はあるかもしれませんね。いずれにしても、おもしろい試合でした。

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