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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Arsenal×MAN.UTD】アーセナルの勝ちゲームを強奪した、守護神デ・ヘアのビッグセーブ3発!

ポゼッションで圧倒し、何度も攻め込みながらもGKのファインセーブに阻まれ、アンラッキーなゴールで先制を許すと相手はベタ引き。前がかりになった裏をカウンターで突かれて万事休す…。アーセナルは、強者が弱者に負ける典型的なパターンをなぞってしまいました。試合開始から50分の間にGKと1対1になるチャンスを3度創ったクラブが強者で、はじめての枠内シュートが残り5分になってからだったアウェイチームが弱者だったことには異論はないでしょう。プレミアリーグ第12節、アーセナルは苦手としているマンチェスター・ユナイテッドに、またしても勝てませんでした。

直前までこのゲームに誰が出られるかわからなかったくらい、今季のプレミアリーグではケガ人の多さに悩まされ続けている両チームですが、この試合でも合わせて3人の新たな負傷者が出てしまいました。前半7分、チェンバレンに足を引っかけられ、先日痛めたばかりのハムストリングを気にし始めたのはルーク・ショー。スモーリング、マクネア、ブラケットの3バックという意表をつく作戦をチョイスしたファン・ハール監督は、たった16分で左のウイングバックをA・ヤングに代えなければならなくなりました。

開始直後から、チェンバレンの縦パスやクロスを受けて好調ウェルベックが再三シュートを放っていたアーセナルは、13分に最初の決定機を迎えます。アレクシス・サンチェスのチェイシングに追い込まれたデ・ヘアがキックミスをすると、トラップしたウェルベックはフリーで走り込んできたウィルシャーにラストパス。ウィルシャーの前にはGKしかいませんでしたが、正直すぎるシュートは落ち着いて相手の動きを見極めたデ・ヘアがブロック。アーセナルはいい形でシュートは打てるものの、詰めが甘く先制点を奪えません。

22分、2度めの大チャンスも勝者はデ・ヘアでした。中盤に引いてボールを受けたアレクシス・サンチェスは、右サイドから中に走っていたチェンバレンを見逃さず、背番号15にDFを振り切らせる見事なロングパス。チェンバレンも飛び出してきたGKさえかわせればゴールでしたが、デ・ヘアはドリブルに対応してコースを塞ぎ、シュートを足に当ててクリアします。マンチェスター・ユナイテッドの最前線は、右にディ・マリア、中央にルーニー、左にファン・ペルシを置いた3トップに近い布陣。ときにディ・マリアが下がってファン・ペルシが中に入るなど、流動性を持たせてアーセナルの最終ラインに揺さぶりをかけますが、苦しい態勢でしかボールをもらえなければチャンスは望むべくもありません。頼みのFKもルーニーがシュートを大きく打ち上げ、工夫のないCKはメルテザッカーやモンレアルが余裕をもって対応。前半の出来だけで勝敗を決めるなら、試合を観たすべての人が、間髪入れずにアーセナルに軍配を上げたでしょう。

0-0のまま耐えたマンチェスター・ユナイテッドでしたが、後半開始直後の49分、チェンバレンのパスを受けたウェルベックに左サイドから独走を許し、1対1となったデ・ヘアが三たび体を張ってクリアするというピンチを招きます。後半も、アーセナルがいつ先制するかという展開でしたが、55分、ジャック・ウィルシャーがマクネアのタックルで負傷したところから暗転。ホームチームは、この先40分以上の時間を苦しみながら戦うことになります。

交代でカソルラが入った1分後、左サイドで切り返しを入れてカーブがかかったクロスを入れたのはアシュリー・ヤング。このボールを処理しようとしたGKシュチェスニーがギブスと接触してしまい、こぼれ球は右サイドにいたバレンシアの足元に転がります。バレンシアのシュートの弾道は、明らかにゴールを外れておりましたが、自分の目の前にきたボールにギブスが反射的に足を出し、ボールは角度を変えてゴール左隅に吸い込まれます。オウンゴールでアウェイチームが先制!シュチェスニーは、このプレイで腰のあたりを押さえて動けずマルティネスに交代。たった3分の間に2人がピッチから去り、ヴェンゲル監督に残されたカードは1枚になってしまいました。

0-1となると、マンチェスター・ユナイテッドは迷わずベタ引きです。経験の浅いマクネアとブラケットが守るゴール前を、ベテランのキャリックがしっかりフォロー。それまで数多くのきわどいシュートを放っていたアーセナルは、62分にチェンバレンのクロスをヘッドで狙ったアレクシス・サンチェスのシュートを最後に、攻めあぐむ時間に入ります。中を突こうにもDFの枚数が多く、サイドからのクロスもFWに届かず。75分のジルーの登場は、コンディションの問題があったのかもしれませんが、遅かったのではないかと思いました。ウェルベックとの2トップで、どう崩すのかを模索している間に、前にのめっていたアーセナルは決定的な2点めを失います。

85分、ペナルティエリア外でカットしたマンチェスター・ユナイテッドは、パス1本でディ・マリアとルーニーが2対1となる状況に持ち込み、背番号7のパスを受けたルーニーは完全にひとり旅。GKマルティネスをあざ笑うかのような左足ループシュートは、この試合はじめての枠内シュートでした。0-2、しかし負傷者の治療に費やした時間を乗せた追加タイムは、8分を示しています。

90分を過ぎて、先にチャンスをつかんだのはアウェイチームのほうでした。全員がハーフラインを越えていたガナーズは、ルーニーの縦パスに飛び出したディ・マリアに誰も追いつけず。エミレーツのサポーターが3点めを覚悟した1対1の絶好機は、大事にいき過ぎたレフティが、得意の左足でまさかのシュートミスを犯します。その2分後、アルテタの長い浮き球を受けたジルーが、自らの復帰を祝うような素晴らしいハーフボレーを左隅に決めたものの、ガナーズの反撃はここまで。最後の最後でDFラインを中途半端に上げてしまったマンチェスター・ユナイテッドは、試合巧者と呼ぶには程遠い穴だらけのチームでしたが、リードしてから2点めを奪うまでの冷静な守備はよかったと思います。MVPはもちろんデ・ヘア、敢闘賞はキャリックといったところでしょうか。彼らが直前のケガから復帰できたのが、この日の最大の勝因でした。

ガナーズは勝てる試合、いや、勝つべき試合だったと思います。前半のチャンスを活かせなかったのもさることながら、クロスへの対応がまずかったために許した先制点が激痛でした。一方のファン・ハール監督の采配は、ワールドカップのスペイン戦を観ているようでした。ファン・ペルシをスピードがあるジェームズ・ウィルソンに代えて、アーセナルDFの攻め上がりを牽制したのもよかったと思います。勝ったマンチェスター・ユナイテッドは、ウエストハムとスウォンジーをかわしてプレミアリーグ4位。負けたアーセナルは8位ですが、両者の勝ち点差は2しかありません。この日の出来と、負傷者の復帰状況を見れば、最後に上にいるのはガナーズのような気がしますが…。勝ってもあまり喜べないのは、決していいサッカーではなかったからなのでしょうね。

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“【Arsenal×MAN.UTD】アーセナルの勝ちゲームを強奪した、守護神デ・ヘアのビッグセーブ3発!” への7件のフィードバック

  1. ゆうま より:

    この試合序盤MAUの守備陣がバタバタしている時に圧倒できたので、4141で臨んだ
    ベンゲルの判断は正しかったのでしょうが。中央にポジションを移して得点を
    量産していたサンチェスをサイドに移した事は許されない判断ミスだったと思います。

    フィニッシュ役が老獪なサンチェスだったら、問題なく前半でゲームを決める事が
    出来ていたでしょうが。好調な得点源を得点機から遠ざけ、その問題が朗らかに
    なっても途中修正出来ないベンゲルがこのゲームを落とすことになった原因だと思います。

  2. 汗かきスター より:

    毎度の事ですが、デ・ヘアに助けられた試合でしたね。スモーリングは、中央で安定感が無く、又、ブラケットも周りが見えていない状況。もう、ソープなどにチャンスを与えていいのではと思います。試合は、サンチェスが思いの外、ボールを持たない。バイタルで持っても直ぐに離すという展開で1番怖い相手が怖くなかったのが勝てた要因かと。ベンゲルのブラケットを突くという作戦で、遠くに置いてしまったミスかなと思います。今回は、ガナーズの中盤が背が低い為、以前のボルトンの様にフェライニが落としてこぼれ球を拾うサッカーが有効的でしたが、フェライニは、もうパワープレー要員でよいのでは?余りに、反応が遅く、対応が中途半端です。エレーラ、フレッチャーを使って欲しいですね。取り敢えず結果。自信を付けてくのが大事なので、勝てた事は大きいですが、アーセナルに助けられた所が大きいので、スッキリはしないですね>_<

  3. サッカー小僧! より:

    やっぱりというべきか、よからぬ予想は当たるもので、アーセナルはマンUに
    勝てませんでした。
    ただ、正直、ここでまた4-1-4-1に戻す、更にはウィルシャーとラムジーを
    並べる、ことまでは予想できませんでしたね。
    今まであれだけ機能しなかったのに、なしてまたこの形に戻すのか・・・。
    監督が理想に縛られすぎて、相手云々以前に、勝手に自滅しているという感じで、
    グーナーとしては、歯がゆい気持ちでいっぱいです。
    まぁ、監督が頑固なのは分かってはいますが、ちょっと今シーズンはひどいです。

    もう言い尽くされていることですが、どうしても4-1-4-1をやりたいのなら
    それに適したDMFとCBを是が非でも一人ずつ連れて来るべきでした。
    それができなくても、シーズン入って何試合かやって機能しなかった。
    で、諦めて、4-2-3-1に戻して、サンチェス中央で得点量産で、これで
    行くのか、と思いきや・・・、さすがに4位を逃したら、監督は身を引くべき
    でしょうね、この敗戦は、デヘアどうこう以前に自滅です。
    残念ですが、新たな監督を迎える時が来ているのかもしれません、
    そう感じざるを得ない敗戦でした。

  4. makoto より:

    ゆうまさん 汗かきスターさん>
    おっしゃるとおりで、ウェルベックにあれだけ好き勝手にやられているなか、アレクシスが真ん中にいたら危なかったですね。

    サッカー小僧!さん>
    スウォンジー、アンデルレヒトと、ここ2試合勝ててなかったことが翻意の理由ですかね。チェンバレンが元気で、アレクシスとウェルベックも止められなかったので、今までどおり4-2-3-1でやってもらったほうが怖かったです。それでも、アーセナルはシュート本数も決定機もマン・ユナイテッドより多かったので、勝たなくてはいけなかった試合だったと思います。

  5. makoto より:

    更新ご苦労様です。

    なぜ現時点で最もゴールという結果を出しているサンチェスをサイドに回すのか良く分かりません。
    システムが4-1-4-1ならウィルシャーとサンチェスを中央で起用すべきでしょう。ウィルシャーには
    試合を作る役割を与えサンチェスには試合を決める役割を与えれば・・・結果論ですけどね。

    タイトルを目指してシーズンをスタートしたチームがシーズン序盤でその目標に手が届かないことが
    ほぼ決まれば批判に晒されます。特にクラブから大きな権限の委託を受けている指揮官により大きな
    批判が降り注ぐのは至極当然の話です。勇退すべきという論調も大きくなるはずですよ。
    それを現在のベンゲルが一笑に付す権利も資格もありません。なぜなら・・・自業自得だからです。

    順調に勝ち点を稼ぐチェルシーとの勝ち点差は15ポイントに広がりました。プレミアのタイトルを
    アーセナルが手にすることは今季もないでしょう。

    ウィルシャーが怪我をしたことで恐らくドルトムント戦以降はまたサンチェスが中央で起用されると
    私は考えています。ジルーの復帰がラムゼイの復調を導いてくれればいいのですが・・・

    —–
    tomoさん>
    サポーターのみなさんは、ヴェンゲルさん勇退論に傾いているんですかね。私は、Jでは名古屋グランパスファンで、ストイコヴィッチとアーセン・ヴェンゲルには足を向けて寝られませんので、解任是非論には参加する資格なし、なのですが。1月にCBと守備的なMFを獲得して、後半凄いサッカーをみせてCLベスト4、プレミアリーグ準優勝なら「しょうがねぇな、もう1年」といってあげてもいいと思いますが、毎度おなじみのアップアップ4位フィニッシュなら、「ボスはそろそろ外れていいんじゃないか派」が増えそうですね。

  6. サッカー小僧! より:

    返答ありがとうございます。

    自分は、やっぱり監督の中に、ウィルシャーとラムジーを一緒に起用すること、そして、
    それを可能にするのが4-1-4-1であるという、強いこだわりがあるのでは、と思っています。
    もし、追いつかれたアンデルレヒト戦や逆転負けしたスウォンジー戦を考慮したとするのならば、
    やはり守備面の意識を高めるためにも、2ボランチ→1ボランチへの移行はありえないのでは、と思います。
    もちろん、システムが全てではないですが、今の脆弱な守備陣を考えると、やはり枚数を減らすのは、
    危険極まりないです、このシステムをやりたいのなら、マケレレレベルの選手が必要だと思います。

    あくまで憶測の域ですが、ここで、4-1-4-1でマンUを叩いて、一気に勢いに乗りたい、とでも
    思ったんじゃないでしょうか・・・、見事、賭けには失敗しましたが。
    長い目で見れば、将来を担うラムジーとウィルシャーを同時起用するのは間違ってはいないとは
    思いますが、いい加減、アーセナルファンは、もう待ちくたびれている、と思います。
    無冠時代散々待たされ、昨シーズンエジルという超一流を獲得し、FAカップを獲得するという
    一定の成果を上げ、今シーズンも、サンチェスというスーパーな選手を獲得したにも関わらず、
    この体たらく・・・、現地では、監督解任論が出ているようですが、当然の批判だと思います。
    特に、彼らの能力を、最大限に生かす起用をしていないことに、大きな苛立ちを感じているのではないでしょうか。

    長くなりましたが、監督がさらにこれ以上、この起用法、この形にこだわり続けるなら、やはり同じことの
    繰り返し、ルーニーに指摘されたとおり、カウンターでやられるパーターンの繰り返しだと思います。

  7. MUFC-7 より:

    デヘア様ありがとう!って試合ですね(今シーズン何回目だ…)キャリックの復帰も大きかったと思います。彼の危険察知能力やパスは経験豊富な老兵の良さがでていました。アーセナルのような主導権握れない相手にこのシステムはピッタリですね。ただ主導権を握れた場合このシステムキツいと思います。次のハルは手強い相手です。どのようなシステムでいくのか。

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