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【Liverpool×Stoke】ドロー寸前のリヴァプールを救った、グレン・ジョンソンの勇気ある飛び込み!

プレミアリーグデビュー16周年の記念日に、スティ-ブン・ジェラードがスタメンから外れたことについて、一部の現地メディアがロジャース監督との関係が悪化するのではないかという憶測をしているようです。Jスポーツの解説者も、キャプテンの不在を衝撃的な出来事として語っておりましたが、ロジャース監督にとっては、あらかじめ温めていた計画の一部なのではないかと思います。負けることが絶対に許されなかったチャンピンズリーグのルドゴレツ戦にジェラードを起用し、ミッドウィークにゲームがある翌週のどこかで休ませるとなれば、土曜日のストーク戦か、本日のレスター戦のいずれかになります。ご本人たちも確執を否定した通り、チームや個人の調子云々ではなく、過密日程による疲労蓄積の回避、と冷静に受け止めればよいのではないでしょうか。

さて、ストーク戦の中盤は、ルーカス、ジョー・アレン、キャプテンのヘンダーソンに、コウチーニョとスターリング。この試合の前半は、近年まれにみる退屈な45分でした。両者が慎重だったというよりは、攻め方を模索したまま終わってしまったという表現のほうが妥当でしょう。リヴァプールは、ルーカスが中盤の安定をもたらす一方で、攻撃に長けたグレン・ジョンソン、ホセ・エンリケの両SBのポジションが低く、コウチーニョとヘンダーソンの役割が曖昧。スターリングのドリブルへの依存度が高く、CFランバートに楔は入らず。右サイドは完全に死んでいました。アウェイのストークの反撃も、ボージャン・クルキッチとディウフの個人技頼み。両チーム枠内シュートゼロのならし運転が終わり、試合が動き始めたのは、後半が始まって5分を過ぎた頃からでした。

51分、リヴァプール初めてのコンビネーション。縦への意識が高かったルーカスが前線にいたコウチーニョに当てると、背番号10は右から走り込んだヘンダーソンにダイレクトパス。シュートはポストの右に外れますが、ロジャース監督のチームの狙いはまさにこういった攻撃でしょう。ストークの反撃は54分。ボージャンからの縦パスにディウフが走り、左サイドでミニョレと1対1。角度のないところからのシュートは、ベルギー代表GKが冷静にブロックします。60分、ボージャン・クルキッチは、左サイドからドリブルで持ち込みニアを狙った渾身のシュート。これは惜しくも左ポストに当たり、自ら拾ったリバウンドはうまくミートできず。最大のピンチを乗り切ったリヴァプールは、ここから怒涛の攻撃を開始します。

64分、ストークのボールの獲られ方が悪く、リヴァプールは5対4の態勢。中央から持ち込んだスターリングが選んだラストパスの出し先は、右をフリーで並走していたルーカス・レイヴァ。守備的MFのシュートはGKの正面で、ストライカーならまず打たない中途半端な高さでした。決めるなら、左隅を狙うか、足元か、あるいは肩越し。GKベコヴィッチの落ち着いた対応で、ストークは難を逃れます。66分には、グレン・ジョンソンのグラウンダーをランバートがボレー。68分、アレンからコウチーニョ、コウチーニョからスターリングと短いパスがつながり左サイドを突破すると、スターリングの折り返しを受けたのは再びアレン。微妙に後ろに出たボールに、ジョー・アレンは左足ボレーを浮かせてしまいました。ベコヴィッチを越えたシュートはバーの上っ面を叩き、リヴァプールの先制はまたもお預けです。

75分、ついに登場、スティーブン・ジェラード。15分を残したこのタイミングは、ロジャース監督の我慢の限界だったのかもしれません。81分、ストーク最後のチャンスとなったCKからのディウフのシュートを枠の中にいたスターリングが止めると、より前に重心を置くようになったリヴァプールの攻撃は、さらに活性化します。ラスト10分のいちばんのトピックスは、リッキー・リー・ランバートがハイボールのターゲットとして機能したことでしょう。ゴールの予兆は83分、ミニョレからのロングキックを、ランバートがコウチーニョにきれいに落とし、右サイドをえぐったシーン。85分に右サイドでボールを持ったヘンダーソンは、ヘディングで勝ってくれる背番号9を探していました。逆サイドへのクロスをランバートがシュート!バーで跳ねたボールはゴール前で弾んでいます。いち早く走り出し、頭から飛び込んだのは、グレン・ジョンソン!

勇気あるプレイでした。感動的なゴールでした。ボールにコンタクトした瞬間、頭を蹴られて出血し、倒れたままのグレン・ジョンソンに、もうひとりの殊勲者、ランバートが駆け寄って乗りかかります。治療を終え、7分という長い追加タイムをやり過ごしたリヴァプールが、10月中旬のプレミアリーグ8節、QPR戦以来という8試合ぶりの勝利を決めました。

前半はいただけない試合運びでしたが、ルーカスが中盤の守備を落ち着かせてくれることをあらためて確認できたゲーム。ジェラードアンカーにこだわらず、後ろは専門家にまかせたほうがよいのではないでしょうか。後半は、ランバートのフィット感が上がり、コウチーニョも悪くありませんでした。CBは、当面コロ・トゥレでいいと思います。本日、連勝を狙うレスター戦。レッズサポーターとしては、こちらもQPR戦以来となる「プレミアリーグで2ゴール以上」を期待したいところですね。

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“【Liverpool×Stoke】ドロー寸前のリヴァプールを救った、グレン・ジョンソンの勇気ある飛び込み!” への3件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    やっと勝ちました。前半を見た時はどうなるかと思いましたが、、。GJの気迫は絶対に勝つという気持ちが伝わりました。泥臭くても、あの様なプレはーチームを勇気付けますよね。
    今回の布陣はありだと思いますし、コロやルーカスはスタメンで使い続けて欲しいですね。キャプテンは毎試合スタメンは体力的に厳しいので今回のような使い方は良いと思います。ロジャースもずっと迷っていたと思いますが、状況に応じた対応をサポーターも望んでいたと思います。次節のレスター戦も楽しみです。

  2. リバサポ より:

    怒涛の更新お疲れ様です。
    前半は久しぶりのリーグスタメンが多かったので、あの調子でも仕方が無いですね。
    やはりルーカスはよかったですね。彼が中盤を仕切るとCBも落ち着きを取り戻します。ランバートもロングボールを収めてくれるのでだいぶ楽でした。
    しかし、スターリングやコウチのFWへのラストパスは今だにスアレスの面影を追っていることがあるので、そこをどんなタイプとも合わせられるようになれば、なお良くなりそうです。

  3. makoto より:

    Mackiさん リバサポさん>
    地味ながら、コロ・トゥレよかったですね。彼のエリアからはほとんどピンチを招きませんでした。

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