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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Newcastle×Chelsea】ジンクスは生きていた…チェルシー、苦手ニューカッスルに今季初の敗戦!

チェルシーの連勝を止めるのは、彼らかもしれないと秘かに思っていました。直近のプレミアリーグ5試合でチェルシーに3勝2敗、本拠地セント・ジェームズ・パークで連勝中。モウリーニョ監督は、敵地のニューカッスル戦で2分け2敗と勝利がありません。今季は開幕から7戦勝利なしという最悪のスタートだった彼らは、レスター戦の初勝利の後、トッテナム、リヴァプールを連破して5連勝。ここ2戦は勝利がありませんが、7試合にわたって2失点以上がなく、プレミアリーグ首位のチェルシーでも楽に勝てる相手ではないでしょう。チームの得点王・シッセがベンチスタートで、アメオビとアヨゼ・ペレスを前線に置いたニューカッスルに対して、チェルシーはマティッチが不在。ジエゴ・コスタ、オスカル、アザールから自由を奪い、前線に危険なパスを送るセスクのコースを限定できれば、ニューカッスルは2位以下のクラブを喜ばせることができるでしょう。

10分まで一進一退だったゲームの、最初のチャンスはウィリアンが放った右ポスト際へのシュート。13分には左サイドをアザールが独走。ペナルティエリア手前からのシュートはうまく足に当たらず、GKエリオットが余裕をもって見送ります。14分、セスクが右に展開してウィリアンのグラウンダーのクロス。ここからのCKはテリーがヘッド。ゴールこそ決まらなかったものの、ニューカッスルの守備陣はセスク、ウィリアン、アザールを抑えきれません。17分からの1分間、スタジアムはマレーシア航空17便で命を落としたサポーターへの追悼の拍手に包まれます。これが終わった直後、アザールが横に流したボールをウィリアンが左足でシュート。決まったかと思われた一撃はきわどく枠を外れ、ニューカッスルは命拾いします。

中盤でのパスミスが減らないニューカッスルを襲う、容赦ないシュートの雨。自陣でのボールロストが多く、セスクとミケルの圧力を受けると全員が自陣に引いて守るホームチームに、カウンターのチャンスは皆無です。この調子で、どこまで0-0のままいけるのかと絶望的な気分で観ていると、31分、ニューカッスルにようやく決定機。左にいたアメオビが、中央のアヨゼ・ペレスに長いグラウンダーのパスを送ると、一瞬ためたペレスが裏に走ったコルバックにラストパス。左からのシュートは、間合いを詰めたクルトワに足で止められますが、チェルシーの天敵にやっと元気が出てきました。前半終了間際のオスカルのオーバーヘッドは外れ、0-0でハーフタイム。シュートの精度だけが足りなかったチェルシーは、後半に入ってもゲームを支配し続けます。

開始直後からのチェルシーのサイド攻撃を必死のクリアで逃れたニューカッスルは、53分にシッセ登場。パーデュー監督の打ち手は大当たりでした。交代から3分後、ムサ・シソコの左からのクロスをケーヒルがクリアしそこねると、中央に詰めたシッセがクルトワより先にプッシュ!モウリーニョ監督は、やはりこの地では勝てないのでしょうか。名将が切った最初のカードは、オスカルに代えてシュールレ。出場機会は少ないものの、今季のプレミアリーグで2ゴールを決めているドイツ代表MFは、入ってすぐに強烈なミドルを放ちますが、負傷したエリオットに代わって入ったGKアルンウィックがしっかりキャッチして同点を許しません。

66分、モウリーニョ監督、勝負の2枚代え。ドログバとジエゴ・コスタが前線に並び、左SBに攻撃力のあるフェリペ・ルイス。ボールポゼッションは完全にチェルシー、しかしニューカッスルの最終ラインも必死です。プレミアリーグ首位チームが繰り出す前線へのロングボールとサイドからのクロスがひとたび実って追いつければ、ニューカッスルの築く強固とはいえない堤防は、一気に決壊すると思われました。しかし、この試合の2点めを決めたのは、またもやニューカッスル。77分、アザールのシュートがポストを叩いた直後、コルバックが仕掛けたカウンター。スルーパスに反応して裏に抜けたのはムサ・シソコ。DFとクルトワの前で転倒したシソコは、思い切り足を伸ばしてフリーのシッセにパス。チームの得点王は、無人のゴールにこの日2点めを蹴り込みました。

2点差、残り10分となっても諦めないのが無敗のチェルシーです。83分、スティーブン・テイラーが2枚めのイエローで退場。セスクのFKを完璧なヘッドで左隅に決めたのはドログバでした。2-1、チェルシーが攻め続けます。ゴール前に舞い続けるクロス、テリーやイヴァノヴィッチまでが前線で放つヘディングシュート、ジエゴ・コスタの左足、さらにイヴァノヴィッチのミドル。6分あった追加タイムも残りわずか、チームの26本めとなるドログバのヘッドが枠を外れて間もなく、ついにその瞬間がやってきました。2-1、チェルシー初の敗戦。ジンクスは、やはり生きていました。モウリーニョ監督のセント・ジェームズ・パーク初勝利は、来季のプレミアリーグにお預けとなりました。

今季、ここまでのプレイが素晴らしいので、マティッチがいれば…とつい思ってしまいますが、あれだけ攻めて大量のシュートを放ったゲームで、ミケルを槍玉に挙げるのはアンフェアでしょう。ウィリアンやアザールが1本ずつでもシュートを枠に飛ばしていれば、最終スコアは逆になっていたのではないでしょうか。チェルシーのサッカーは、決して悪くはありませんでした。今日はニューカッスルの健闘を称え、気持ちを切り替えて次戦に臨めばいいだけだと思います。(パピス・シッセ 写真著作者/Jon Candy)

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