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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【MAN.UTD×Liverpool】またもデ・ヘア、ビッグセーブ6発!冷や冷やのマン・ユナイテッドは何と6連勝!

復帰したフィル・ジョーンズとジョニー・エヴァンス、キャリック、アシュリー・ヤングが最終ライン。右のバレンシアのポジションは自陣に深く、ピンチになるとルーニーが中盤の底まで戻ってくるマンチェスター・ユナイテッドは、試合開始から5分以上の間、全く攻められませんでした。グレン・ジョンソン、シュクルテル、デヤン・ロブレンの3バックという新布陣のリヴァプールは、左サイドのララナが敵陣深くまで入り込んで、一方的に攻め立てます。これに対してホームチームはゴール前に人数を置いて応戦。アンフィールドで戦っているかのようなゲームが続きます。ナショナル・ダービーともいわれるプレミアリーグの名物対決。バーゼルに勝てずにチャンピオンズリーグを失ったレッズに、ショックを引きずっている様子はありません。

ホームチームが劣勢だったゲームが動いたのは12分。ララナのスルーパスに抜け出したスターリングが、至近距離から打ったシュートをGKデ・ヘアが足でクリアすると、最終ラインからのパスを受けたファン・ペルシが右のバレンシアに展開。マークについていたのはジョー・アレンとララナでしたが、前者は股抜きで簡単に抜かれ、後者は棒立ちでそれを見ているだけでした。一気に2人を無力にしたバレンシアは、ただ引くだけのリヴァプール守備陣の手前でフリーだったルーニーにグラウンダー。前に立つDFを巻いてゴール右に刺さる絶妙なコントロールショットを決めたキャプテンは、ピッチの上に大の字になってサポーターの大歓声に応えます。

1-0となった後、ゲームの主導権を握ったのはリヴァプール。22分には、ララナからのパスを受けたスターリングが左でフィル・ジョーンズを簡単に抜き去り、角度のないところからシュートを狙いますが、これもデ・ヘアが右手でセーブ。26分、グレン・ジョンソンが負傷退場となり、コロ・トゥレに交代。33分には、最前線に上がっていたアルベルト・モレノがジェラードのロングフィードにフリーになりかけ、あわてて戻ったバレンシアがかろうじてCKに逃れます。直後のCKが流れたところをジョー・アレンが狙うも、DFがブロック。マンチェスター・ユナイテッドの守備は組織的とはいえませんが、シュートコースを消す動きは速く、リヴァプールのチャンスを体を張ってつぶします。

40分、先制点以外にほとんど決定機がなかったマンチェスター・ユナイテッドが、何と追加点。左サイドのアシュリー・ヤングが得意の切り返しからヘンダーソンをかわして入れたクロスは、ファン・ペルシの頭をかずめて逆サイドへ。ファーサイドでフリーになっていたマタがダイビングヘッドで押し込み、レッズ痛恨の2-0です。オランダ人ストライカーが触っていれば、マタは明らかにオフサイドでしたが、弾道が変わったようにみえたシーンに主審のアトキンソン氏はノータッチという判断。今のリヴァプールには、2点のビハインドは重いでしょう。

後半、レッズにマリオ・バロテッリが帰ってきました。開始早々から始まったリヴァプールの怒涛の攻勢に、マンチェスター・ユナイテッドも速攻で対抗。両者のラインは縦に間延びします。50分、最終ラインのミスパスを拾ったスターリングがデ・ヘアと完全な1対1。スターリングは一瞬GKをかわして無人のゴールに蹴り込むだけとなりますが、素早く戻ったデ・ヘアに出された足にシュートを当ててしまい、千載一遇のチャンスを不意にします。直後、カウンターからファン・ぺルシのラストパスが左に走り込んだルーニーに出ると、左足シュートはGKブラッドリー・ジョーンズがセーブ。めまぐるしく攻守が変わる展開は、ラフなサッカーではありながらもエキサイティングで息がつけません。

63分、バレンシアの突破からファン・ペルシが右ポスト際に惜しいボレーを放つと、66分にはスターリングの突破をフィル・ジョーンズが必死にカットし、奪い返したスターリングが中に入れたボールをバロテッリがボレー。決まったと思われた一発はデ・ヘアの信じられないリアクションでバーに当たり、ゴールはなりません。次のゴールがどちらに入るかわからなかったスリリングな勝負の3点めは71分、またもマン・ユナイテッド。中盤で前を向いたマタのスルーパスに左から抜け出したのはルーニー。ファーサイドへのクロスはデヤン・ロブレンにカットされますが、弱いクリアをマタが拾って右でフリーのファン・ペルシにパス。ファン・ペルシのダイレクトシュートは、逆のサイドに振られていたGKジョーンズが追いつけず、無人のゴールに突き刺さります。

普通ならゲームはここで終わるところですが、この後、デ・ヘアは2度のビッグセーブでレッズの決定機をストップ。3点差ながら、追加タイムに入るまでは安心できない展開でした。スターリングとバロテッリは、並みのGKならばハットトリックを決めていてもおかしくなかったでしょう。3-0というスコアは、両者の攻撃力を正しく表現している数字ではありません。凄かったデ・ヘア!最後まで殴り合った乱戦は、マンチェスター・ユナイテッドが奇跡的なクリーンシートで完勝。プレミアリーグ6連勝で、チェルシーとの勝ち点差8をキープしました。

デ・ヘアが神がかっていたのは確かですが、ロジャース監督の3バック作戦は失敗だったのではないでしょうか。ジェームズ・ウィルソン、ファン・ぺルシ、ルーニーの3人をCBで抑え込む意図だったのかもしれませんが、1点め、2点めとも、サイドでカバーに入ったMFがかわされての失点。必要だったのは、バレンシアやアシュリー・ヤング、ルーニーにクロスを入れさせないSBでした。ミニョレをベンチに下げるなど、試行錯誤を続けるロジャース監督に未だ出口は見えず。ゴールが遠いリヴァプールにとって、次節のプレミアリーグ、アーセナル戦も厳しい戦いになりそうです。

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“【MAN.UTD×Liverpool】またもデ・ヘア、ビッグセーブ6発!冷や冷やのマン・ユナイテッドは何と6連勝!” への3件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    変化が必要なのはわかりますが、3バックは完全に失敗だと思います。GKにも変化を加えたい気持ちもわかりますが、相手はユナイテッドですよ、、、。幾ら何でも相手を舐めすぎでは?攻撃陣はバロテッリは運が無いというか、、、今回はデ・ヘアが素晴らしかったです。脱帽しました。代表の正GKも近いかもですね。しかし、安易な監督解任には反対ですが、今回のギャンブル的な布陣は色々と尾を引きそうです、、、。

  2. リバサポ より:

    毎日のコーディネート、なかなか格好がつかないな…
    と思ってたら、雨が続いて、洗濯がままならず、
    手元のありあわせでコーディネートしたところ、
    意外なほどしっくりきて、周囲にも褒められた。

    弥縫策が期せずして機能している
    Manchester Unitedの現状を喩えるならそんな感じでしょうか。

    とはいえ、綱渡りの感がなきにしもあらずで、ヒヤヒヤしますが(笑)

    無理やり服の喩えに引きつけるなら、
    「そのジーンズのダメージはデザイン? 
     それとも単に破れているだけ?」とでも言いましょうか(笑)

    —–
    ロジャース解任が近くなってしまいました。オーナーグループがシーズン終わりまでロジャースに任せるのであれば、冬の市場はロジャースの権限をかなり制限するのではないでしょうか。今まで監督のやりたいようにやらせて、この体たらくですからある程度責任を負わせるでしょう。解任とはいかないまでも、守備専門コーチとSDを付けるまではシナリオとしてありそうです。長期政権を任せたいのですが、こうも毎シーズン順位が上下すると不信感は強まってしまいます。個人的にヒーピア監督、キャラガーコーチという往年のCBコンビにやって欲しいと思ったり…

  3. makoto より:

    私はロジャース解任には反対です。
    何故ならスアレスが抜けて初めてのシーズンだから。圧倒的な得点力に加えてチャンスメイクもこなしていた軸が抜けた訳ですから、チームの土台を作るのに時間がかかるのは当然かと思います。

    また、私はグーナーですがロジャースの采配にはしっかりとしたメッセージもしくは狙いが見てとれる辺り、ヴェンゲルにも見習ってほしいとさえ思います(笑)
    まぁ積極的な采配が裏目に出ていることもありますが。。
    何にせよ今のリヴァプールには解任によるショック療法よりも長期政権での長い目で見たチーム作りが必要かと思います。昨シーズンの成績が良かったのでファンの方は同様の成績を求める気持ちも理解出来ますが、ジェラードもフル回転は難しいですし、ヘンダーソンやルーカス、バロテッリ等の選手を軸にチームを固めていく時間は与えてほしいな、と思ってしまいます。

    —–
    Mackiさん>
    ロジャース監督、やりすぎましたね。とはいえ、前の2人は脅威でした。毎回ですが、デ・ヘアさまさまです。

    ASAPさん>
    「そのジーンズのダメージはデザイン?それとも単に破れているだけ?」
    →うまい表現ですねぇ!

    リバサポさん>
    冬はテコ入れがありそうですね。FFPの調査を受けていたりするので、ボリーニらの売却が成功すれば、となりそうですが。

    リッキーさん>
    そうなんですよね。バランス感覚があり、攻撃に変化をもたらすのがうまい監督だなと思って昨季の躍進をみていたので、踏ん張り切れるかどうかの結論がはっきりするまではやらせてあげたいですね。

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