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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Chelsea×Stoke】チャーリー・アダムの60メートル弾も及ばず。ミスを突いたチェルシー辛勝!

プレミアリーグの上位クラブで現在いちばん疲れており、チャンピオンズリーグ敗退の痛手をいちばん感じているのはチェルシーではないでしょうか。3月は、トッテナムとのキャピタルワンカップ決勝と、パリ・サンジェルマンとの延長戦という緊張感の高いゲームをレギュラーメンバーフル回転で戦っており、プレミアリーグでも1点差勝利かドローと接戦続き。この日のストークとのゲームは、体調に問題を抱えるジエゴ・コスタがベンチです。

開始早々、右からのクロスにロイク・レミーがチャンスをつかみますが、DFに当たってコースが変わったシュートはGKベコヴィッチがクリア。ボージャン・クルキッチが長期離脱となり、クラウチやアルナウトヴィッチがベンチに控える守備重視のストークに、スタンフォード・ブリッジでのプレミアリーグでは11勝3分けと無敗のチェルシーが試合を支配します。ロイク・レミーは14分にも、左からのオスカルのパスに一瞬のスピードで抜け出し、シュートをベコヴィッチにぶつけます。ストークの攻撃はロングボールの放り込みしかなく、ゴールはおろかシュートを放つ気配すらありません。

ストーク最初のチャンスは23分。左からのFKのこぼれ球をショークロスがボレーで狙いますが、テリーとケーヒルにブロックされて先制ならず。27分、左から上がったチャーリー・アダムのクロスをケーヒルがクリアすると、落下点にいたエンゾンジがミドルシュート。クルトワが反応できなかった一撃は、わずかにバーを越えていきます。アウェイのストークは、守り抜いて勝ち点1を狙っているわけではありません。30分、チェルシーに決定機。左のアスピリクエタからアザールにつながり、ペナルティエリアに入った背番号10はすかさずオスカルにパス。左足でクロスに狙ったオスカルのシュートはポストの外に逸れてしまいます。右のウィリアンが効いていたホームチームは37分、ウィリアンの縦パスをもらってペナルティエリア右に侵入したセスクが、チャーリー・アダムに倒されてPK。ベコヴィッチの動きをあざ笑うかのようなアザールのシュートが正面に決まり、プレミアリーグ首位チームがやっと先制です。

このまま終わるかと思われた前半終了間際、アザールのドリブルカットからパスを受けたチャーリー・アダムがPK献上の汚名を返上するスーパーゴール。相手のGKが前に出ているのを見て自陣から放った超ロングシュートは、60メートルはあったのではないでしょうか。前に出ていたクルトワはこれを弾ききれず、チェルシーは攻め続けた前半をイーブンで終えることになります。

モウリーニョ監督は後半頭からオスカルを下げ、ジエゴ・コスタ投入という勝負に出ました。48分、右サイドから切り返しを入れて放ったアザールの強烈な左足はベコヴィッチがビッグセーブ。チェルシー攻勢、守るストークという構図は変わりません。54分、左から前線に合わせたウィリアンのFKがゴールに向かい、ベコヴィッチがぎりぎりでクリア。直後、モウリーニョ監督の作戦が裏目に出ます。55分、ジエゴ・コスタがわずか10分で負傷リタイア、ドログバとチェンジ。追い込まれたかに見えたチェルシーは、61分に幸運なゴールで勝ち越しました。ここまでよくやっていたベコヴィッチ、痛恨のスローミス。ウィリアンにさらわれた瞬間、3対1となってしまい、アザールが左のロイク・レミーにラストパスを通すと、ストライカーとゴールの間を遮るものは何もありませんでした。

2-1となると、勝っているゲームにトップは2枚も要らないとばかりにモウリーニョ監督が次なるカードを切ります。ロイク・レミーout、クアドラードin。再度追う立場となったマーク・ヒューズ監督はディウフを諦め、アルナウトヴィッチのパスセンスに勝負を託します。攻められないストークは、78分にはクラウチ、直後にチャーリー・アダムを下げピーテルス。しかしスタンフォード・ブリッジのチェルシーは落ち着いていました。何年かに一度の超絶シュートでしか点が奪えなかったストークに、2点めの予感はありません。80分、左から抜け出したアザールがDFを抜き去ってゴールライン際までえぐり、ウィリアンに打たせたシーンは盛り上がりましたが、シュートはベコヴィッチが体に当てて追加点はならず。3点めこそ獲れなかったものの、チェルシーが余裕で勝ち点3をゲットしました。

PKはチャーリー・アダムの軽率なタックル、決勝ゴールはなかなかないGKのスローミス。他のプレミアリーグ上位クラブならドロー濃厚の試合を、相手のエラーに乗じてものにしたチェルシーの勝負強さには舌を巻きます。アザールにはいつもどおりのキレがあり、ウィリアンの運動量は、昨秋敵なしだった頃のチェルシーを思い出させましたが、相変わらずチームは停滞気味。モウリーニョ監督が得た収穫は勝ち点3だけでしょう。しかし、痛いですね、ジエゴ・コスタのリタイア。これからアーセナル、マンチェスター・ユナイテッドとのシックスポインターが立て続けにあるタイミングでのエースの離脱は、モウリーニョ監督を悩ませるはず。世界屈指の監督が、ギャンブルとわかっていながら切ったカードは、後に振り返れば早まったという結末になるかもしれません。逃げ切れるのか、チェルシー。次節の相手は、今週のプレミアリーグでアウェイながらWBAに4発大勝したやっかいな降格候補、QPRです。

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“【Chelsea×Stoke】チャーリー・アダムの60メートル弾も及ばず。ミスを突いたチェルシー辛勝!” への4件のフィードバック

  1. Joe より:

    シティが全勝したとしても、残り8試合で5勝1分でokですし、ビックゲームはホーム戦ばかりだったような気がします。コスタは最近調子悪く、口喧嘩ばかりしていたのであまり影響はなさそう。アザールが離脱でもしない限りこのまま行くと思います。

  2. Joe より:

    pk献上はアダムじゃなかったような気がしますよ。60m弾は凄すぎてびっくり (゚o゚;;

  3. makoto より:

    Joeさん>
    今までどおりにやれれば優勝は間違いないので、逆転の可能性は低いとは思います。とはいえ近年、安全圏から逆転された事例がいくつかあるので、気になるところでもあります。PK献上は、16ではなく26のヴォルシャイトだったかもしれませんので、確認しますね。ご指摘ありがとうございます。

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    不調と言われながらもチェルシーが最後にリーグ戦で負けたのはアーセナルやマンチェスターユナイテッドやマンチェスターシティが負けたときよりも更に遡ることになりますね。
    絶好調アーセナルと年明け以降積み上げた勝ち点を比べてみると6(未消化勝利ならば3)意外と開いてないんですよね。
    だからなにって訳でもないですが印象よりチェルシー悪くないなーと思いました。

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