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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Arsenal×WBA】楽しい楽しいアーセナル!ウォルコットの3発で、FAカップ連覇が見えた!

第三者が興味本位にする噂話やしたり顔の批評を「下馬評」といい、つまりは競馬の予想紙などは、毎週それを繰り返しているわけです。私は競馬好きで、そちらの世界ではいわゆる穴党ですので、昨日のオークスのような一番人気馬が絡むレースは出番なしなのですが、そんな人間でも5月30日に開催されるFAカップの決勝は「アーセナルで間違いなし」と大本命にベットします。アストン・ヴィラがいくらプレミアリーグ残留を決めていたとはいえ、本拠地ヴィラ・パークでの最終戦、しかも相手がブービーのバーンリーなら、今季も1年応援してくれたサポーターへの感謝の気持ちを結果で表そうと本気で勝ちにいくでしょう。ところが、ヴィラはまさかの0-1完封負け。先週、セインツに6失点で惨敗したチームは、どこか歯車がかみ合っていないようです。

一方、WBAをエミレーツに招いたアーセナルは、素晴らしいゴールラッシュで完勝。プレミアリーグ3位着地に華をそえました。「目標のないWBAに集中力がなかったのではないか」と意地の悪いことをいう向きもあるかもしれませんが、先週も目標はなかったピューリス監督のチームは、チェルシー相手に最高のサッカーを披露して、優勝クラブに今季唯一3点差で勝ったチームになっています。昨日のゲームは素直にアーセナルのクオリティをリスペクトしていいのではないでしょうか。今季のプレミアリーグでいちばんいい試合だったとまではいわないものの、「いちばん楽しいサッカーだった」とはいってもいいのではないかと思います。

結論からいいましょう。アーセナルの勝利は、20分を待たずに決まりました。4分、コクラン、エジル、ウィルシャー、カソルラとテンポよくまわったボールは、ペナルティエリアの右に入ったウォルコットに最高のタイミングでつながり、右足を思い切り振り抜いた強烈なシュートが左のサイドネットに刺さります。14分の2点めは、今度は泥くさいウォルコット。ウィルシャーが右からフェイントをかけて中に出したボールにエジルが絡み、DFに当たったこぼれ球を詰めたウォルコットが2人のDFの間をトーキックでプッシュしました。3点めがまた、圧巻でした。17分の右CKはファーにいたアレクシス・サンチェスへ。シュートのこぼれ球を拾ったガブリエウがすぐ後ろにいたウィルシャーに浮かすと、問答無用の美しいハーフボレーがゴール右隅に一直線。シーズンに1回あるかないかのファンタスティックな弾道に、入った瞬間、両手を開いてドヤ顔をしたウィルシャーの気持ちはわかります。

長くケガで苦しみ、今季プレミアリーグで先発出場が3回しかなかったウォルコットがハットトリックを達成したのは37分。エジルからのパスを受けたウィルシャーが、アレクシス・サンチェスとのワンツーで左をするする上がり、外にいたカソルラに預けると、カソルラが転がしたグラウンダーは右ポストに向かい、走り込んだウォルコットはインサイドで押し込むだけでした。前半で4-0。57分にマコーリーに1点を返されたシーンは、有体にいえばハイボールが不安なオスピナがパンチを空振りしました、ということになりますが、「4-0だし、オスピナ今までがんばってたし、いんじゃね?」と笑ってすませてもいいのではないでしょうか。このところ、ホームで3試合連続ゴールなしだったアーセナルは、いいイメージを持ってFAカップの決勝の地、ウェンブリーに赴くことができそうです。

それにしても、凄いですね、エジルとカソルラのプレイの柔らかさ、ゾーンに入ったときのウィルシャーの完璧なタッチの数々、アレクシス・サンチェスのサッカーセンス。絶対的エースのジルーや、中盤でレギュラーメンバーだったラムジーなしで質の高いコンビネーションを見せた前半のアーセナルには、前線の選手のスランプで苦しんだリヴァプールやトッテナムも脱帽でしょう。いや、凄い。凄いです、エジルとカソルラの…失礼しました。先ほどいいましたね。ヴェンゲル監督は、悩ましいでしょう。ウィルシャーとウォルコットが完璧に復活しただけでなく、後半にはチェンバレンの慣らし運転まで済ませてしまいました。アストン・ヴィラ戦、スタメンはどうなるのでしょう。私のイチ推しは、以下のラインナップです。

GK:オスピナ
DF:ベジェリン、ガブリエウ・パウリスタ、コシールニー、ギブス
MF:コクラン、カソルラ、ウィルシャー、エジル、アレクシス・サンチェス
FW:ジルー

アーセナル、鉄板でしょう。いや、予想ではなく、お願いです。勝ってください。ベストメンバーさえ揃えば、チェルシーに負けず劣らず強いチームなのだと証明するために。マンチェスターに持っていかれがちだったタイトルを、すべてロンドンが独占したメモリアルなシーズンとして後世に語られるために。そして、今季プレミアリーグであれだけの奮闘を見せてくれたクーマン監督のサウサンプトンを、欧州に連れて行ってあげるために。セインツ云々は、ヴェンゲル監督やアーセナルの選手には関係ありませんが、2014-15シーズンを飾るフィナーレにふさわしいのは、アーセナルの連覇とセインツのヨーロッパ行き決定だと思います。

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“【Arsenal×WBA】楽しい楽しいアーセナル!ウォルコットの3発で、FAカップ連覇が見えた!” への6件のフィードバック

  1. のり より:

    管理人様の記事からはサッカーへの愛情と造詣の深さが見て取れます
    視点も客観的且つ技術的なので殆ど異論を挟む事なくブログを楽しませてもらってます

    ただ予想は毎回外してる印象が強いです(笑)
    なのでここはビラに逆張りも有りかと思ってしまいました

  2. サッカー小僧! より:

    更新お疲れ様です。

    最終節、勝って3位を決めることができてよかったです、アーセナルが、この順位でシーズンを終えることができた
    のは、自分はコクランのおかげだと思っています、確かセインツに負けた時、コクラン一人では無理、と書いた記憶が
    あるのですが(まぁ、あの試合はコクランに限らず、チーム全体ひどかったですが)、よくぞ最後まで持ってくれた
    という感じです、実際、コクランが離脱していたら、この順位はなかった、と思いますので、彼に感謝です。

    さて、この試合ですが、本田の「ゴールはケチャップみたいなもの」発言を思い出させるウォルコットの活躍でした。
    が、自分は、これでウォルコットがやっぱり不可欠だ、と断定できるほどポジティブな人間ですがないので…。
    というのも、負傷で長らく離脱していたとはいえ、この試合ハットとはいえ、今シーズン5得点ですからね、
    これでは困りますし、水を差すようですが、何もかかっていないWBAはこの試合、ゆるかったです。
    アーセナルにリスペクトし過ぎ、というやつでしょうか、アーセナルがやりたいようにサッカーできていた
    というのも、考慮に入れるべきだと思いますし、少なくとも、残留に必死なサンダーランドとは全然違いました。

    とはいえ、それでも決めたこと自体は喜ばしいですし、この試合は、ウォルコットはよく動いていたのも事実です。
    特に、先制点はよかったです、なので、大事なのは今日のようなパフォーマンスをコンスタントに見せることだと
    思います、監督は来シーズンもウォルコットを絶対残すでしょうから、自分の評価は間違っていました、セオ
    ごめんなさい、といわせるぐらいの活躍を見せてくれるのなら、そして、リーグタイトルへ導いてくれるのなら、
    いくらでも謝りたい、と思いますし、そうせざるを得ないぐらいの活躍をしてくれたら、うれしい誤算です。

    あとは、FAを勝ち取って、いいシーズンの締めくくりをしてほしいですね、というか、ぜったい勝て!ですね。
    モナコ戦じゃないですが、アーセナルは、多くの人の期待と予想を裏切る悪癖があるので、そうならないことを願います。

  3. makoto より:

    のりさん>
    ありがとうございます!ひとつだけ、ムキになって反論しますが(笑)、大きな予想は当ててましてですね。誰もがバルサと思っていたシーズンのバイエルンCL制覇とレアル・マドリードのデシマ、今季プレミアリーグのチェルシー優勝と、3ついけてます。細かいのをいっぱい外しているのは事実ですが…。今季のバイエルンCL制覇とリヴァプール2位、アストン・ヴィラ降格は、大変失礼いたしました。

    サッカー小僧!さん>
    フラットに数字を見れば、プレミアリーグ出場14試合、うちスタメン3つで5ゴールなら、まずまずではないでしょうか。先週、チェルシー相手にいい試合をしていたWBAは、アウェイでは「得意のベタ引きクリーンシート狙い」をしてくることが多いのですが(5月の頭にマンチェスター・ユナイテッドはやられたばかりです)、ウォルコットの先制ゴールで完全にゲームプランが狂いました。

    いずれにせよ、「ウォルコットは負傷で終わったのでは?」というムードではなく、「もう一度、今後に期待してもいいかも」で終われたのは何よりだったと思います。

  4. 実はグーナー より:

    オークスは本命対抗が来たのにルージュバックを買わず残念でした
    1番人気を消しちゃうひねくれっぷりは直りそうにありませぬ
    それは置いといて本当に最高のゲームで特にウォルコットの復調が嬉しくてたまらない
    この調子でFAカップ奪取
    セインツはプレミアでは珍しく守備がしっかりしてるからレッズやスパーズより欧州の舞台で期待出来ると思ってて欧州枠を考えると絶対にFAカップ取りたいし吉田をELで観たい
    みんなで応援して下さいな

  5. ASAP より:

    Walcott、Ox(昨日の試合はちょっと空回りしてましたが)の充実ぶりと、ローン選手の顔ぶれを見るに、キャラクターの違いはあるにせよ、Sterlingは不必要、少なくとも法外な金額で獲得する必要はないのでは?と思ってしまいますね。

    ただ先に上げたふたりはシーズン中にお休みをいただくことがあるので、Sterlingがポジション争いありきで地元ロンドンに戻りたいとなればウェルカムではありますが。

  6. yang7764 より:

    トとはいえ、今シーズン5得点ですからね、
    これでは困りますし、水を差すようですが、何もかかっていないWBAはこの試合、ゆるかったです。
    アーセナルにリスペクトし過ぎ、というやつでしょうか、アーセナルがやりたいようにサッカーできていた
    というのも、考慮に入れるべきだと思いますし、少なくとも、残留に必死なサンダーラ

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