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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ハル・シティ無念の降格、5位ゲットの棚ぼたトッテナム…プレミアリーグ最終節・天国と地獄

当事者のみならず、グーナーのみなさんは、積年のライバルの動向が気になっていたかもしれません。プレミアリーグ最終節のヨーロッパリーグ出場権争いは、リヴァプール、トッテナム、セインツが勝ち点1差ずつで並ぶダンゴレース。私は、マンチェスター・シティとアウェイで戦うセインツよりも、エヴァートンの本拠地グディソンパークに乗り込むトッテナムのほうがきついのではないかと予想しておりました。

シュナイデルランの不在は激痛ながら、吉田麻也とフォンテを後ろで組ませ、アルデルヴァイレルトが中盤にフタをすれば守備は計算できるセインツに対して、トッテナムの最終ラインはまったくの予測不能。TOP10に入ったクラブのなかで、53失点は堂々のワーストです。最後の最後でTOP10に滑り込める可能性のあったエヴァートンは、簡単に勝ち点3を許してはくれないでしょう。試合が終わる日本時間26日1時に歓声を挙げているのは、得失点差でヨーロッパリーグ出場権をゲットしたセインツサポーターと、FAカップ決勝でアーセナルの勝利を祈るトッテナムサポーターの姿を想像して優越感に浸るグーナーだとばかり思っていたのです。

しかし、例によってプレミアリーグは何が起こるかわかりません。ストーク戦のリヴァプールの大敗、トッテナムのクリーンシートでの完勝、セインツの沈黙をすべて当てた方はほとんどいないのではないでしょうか。ポチェッティーノ監督は、最後の2連勝で、2週間前には届かないと思われていたレッズを引っくり返して、5位をゲットしてしまいました。エヴァートン戦は、0-1でトッテナムが勝つような内容ではありませんでした。クリアするのかつなぐのかはっきりしない最終ラインはしばしばもたつき、安心して観ていられるのはロリスのみ。まだ19歳で無名のガロウェイに中盤で次々に抜かれ、ロリスとの1対1に持ち込まれたプレイにフリーズしてしまったスパーズサポーターも多かったのではないかと思います。

 何とか守備陣が耐えきっただけでなく、トッテナムのゴールもまた、針の糸を通すようなピンポイントの一撃でした。24分、右サイドに出たパスをエリック・ダイアーがゆっくりトラップし、「さて、これからハリー・ケインに合わせますから」と宣言したような見え見えのロングクロスを蹴り込んだ瞬間は、ゴールが決まるとは思いませんでした。ところが、びっくり。このボールも、ヘッドで逸らして左サイドネットに送り込んだハリー・ケインもとにかく素晴らしかったのです。決まるときは、こんなもの。ブリタニアからは、ストークがリヴァプールをボコボコにしているという速報が聞こえてきます。トッテナムは、うやむやのうちに逃げ切ってしまいました。1日経ってもモヤモヤ感は拭えませんが、ポチェッティーノ監督、選手とサポーターのみなさん、お、お、おめでとうございます!

サポーターの方とは意見が分かれるかもしれませんが、私は今季のポチェッティーノ監督は素晴らしかったと思います。シーズン開始直前は、カプエ、ソルダード、パウリーニョ、デンベレなど、前季に主力として期待された選手の大半が不良債権状態。1年前の大量補強の失敗に懲りたのか、レヴィ会長は財布の紐をダンゴ結びにして、若手の青田買いと怪しげな安い選手(失礼)の獲得しか行いません。計算できそうなのはエリクセン、ロリス、レノン、アデバヨルぐらいでしたが、頼みのエース・アデバヨルは結局チームに貢献できず。当時は、ダニー・ローズという言葉をネット翻訳にかければ、「不安定」と出てきていたでしょう。シャーウッド体制でピッチにいた選手だけで勝とうとしていれば、トッテナムはTOP10フィニッシュすら難しかったと思われます。

しかし、ポチェッティーノ監督は、若手を使いながら育てることで、最高に近い結果を手に入れました。プレミアリーグ得点王をあのアグエロと争ったハリー・ケインもさることながら、中盤を支えたライアン・メイソンとベンタレブ、開幕からの2ゴールでチームを連勝スタートさせたエリック・ダイアーの存在も大きかったと思います。秋に、ヨーロッパリーグとプレミアリーグで11人総とっかえ作戦を見たときは、ギャグマンガか!とツッコミを入れたくなりましたが、若い指揮官の大胆かつブレない采配は、最後に実を結びました。最終戦のゴールがエリック・ダイアーとハリー・ケインのラインだったのも、今季のトッテナムらしい終わり方ですね。若手とともに成長し、攻撃力が光ったダニー・ローズ、前半戦の接戦で貴重なゴールを次々と挙げたエリクセン、攻めのアクセントとして機能したシャドリがクラブに残るようなら、来季のトッテナムもまた期待できるのではないかと思います。

ニューカッスルがウェストハムに勝った時点で彼らに可能性はなくなっていたのですが、相変わらずフラフラしていたマンチェスター・ユナイテッドからゴールが奪えず、降格が決まってしまったハル・シティは無念です。マンチェスター・シティ戦以外に4失点以上がなかった守備はまずまずだったのですが、早期にスノッドグラスという大黒柱を失った攻撃陣の不振が、3月以降わずか2勝、ラスト5戦でたったの2ゴールという停滞につながってしまいました。プレミアリーグ8ゴールとはいえイェラヴィッチが期待を下回り、アベル・エルナンデス、ガストン・ラミレス、ベナルファといった大型補強組が軒並み空回りでは、この結果も致し方なしです。サンダーランドのアドフォカート監督、WBAのピューリス監督、クリスタル・パレスのパーデュー監督、アストン・ヴィラのシャーウッド監督と、ライバルクラブが監督のテコ入れで残留を果たすなか、ハル・シティの継続路線は裏目に出たといわざるをえません。

明日より、2014-15シーズンの「偏愛的プレミアリーグベストイレブン」「監督ランキング」などなど、本ブログのチョイスによるシーズン総括企画をお届けしたいと思います。早寝早起き早ブログを励行いたしますので、明日からもぜひ、お立ち寄りください。

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“ハル・シティ無念の降格、5位ゲットの棚ぼたトッテナム…プレミアリーグ最終節・天国と地獄” への4件のフィードバック

  1. ぐなきち より:

    更新お疲れ様です。拝見し始めたのは今シーズンからでしたが毎日楽しく見させていただきました。来シーズンもよろしくお願いします。
    個人的には今シーズンのゴールベスト10とかも見てみたいです。

  2. にわかスパーズファン より:

    更新お疲れ様です。
    ここ最近エバートンには負けていなかったので、まぁドローが妥当だろうな。
    そして最近のリバプールはおかしいからブリタニアで勝てずにドローだろうな。
    最近シティ強いし、セインツは可哀想だな。
    あ、これだと得失点で結局リバプールかよ!と予想しておりましたら、なんのことはない。
    得失点でもリバプールの上に立ってしまう波乱の展開で嬉しい笑いと苦笑いが同時に出てしまい、変な顔になっていたでしょう。

    何はともあれ今年も一年お疲れ様でした。

    さてハルの話題ですが、ここ最近見てますと残留争いしそうなチームが大型補強を行うと、結局チーム作りに苦労している印象があります。12/13のQPRしかり去年のサンダーランドしかり。
    適材適所に補強しながら、上手くやりくりをしているチームの方が監督は変わっても意外と上手くいっているような気がします。
    そんな訳で私はこの夏に補強をバンバン進める下位チームが出たら、そこを降格候補に挙げようと思います。笑

    これからオフになりますが、興味深い記事楽しみにしております。

  3. スパーズ推し より:

    まさかの5位に驚きを隠せません
    セインツサポの皆さんからしたら、不当すぎる結果でしょうね
    僕も妥当と思っていませんし(笑)

    来季は今季出場機会の無かった選手たちを捌いて
    ディフェンスラインと中盤、特に右サイドに有効な補強ができれば、4位争いに食い込める、かもしれませんね(かなり希望的観測ですがw)

    僕もポチェは素晴らしかったと思います

  4. makoto より:

    ぐなきちさん>
    ありがとうございます!ベストゴール、検討いたします。チャーリー・アダムかウォルコットか、マタか…。

    にわかスパーズファンさん>
    確かに大物シフトや大量補強は軒並み失敗しました。このオフはどうなるでしょう。マン・シティは動きそうですね。

    スパーズ推しさん>
    最終ラインが整備されるだけでも4位候補だと思います。ポチェッテイーノさんの2年め、楽しみですね。

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