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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Liverpool×Bournemouth】枠内シュート2本のリヴァプール、ベンテケの初ゴールで辛勝!

先日の予想で、「リヴァプールはボーンマス相手に苦しみそう、スコアレスドローまであるのではないか」と書かせていただいたのですが、やはり厳しい試合になりました。プレミアリーグ初昇格のボーンマスは、昨季チャンピオンシップの優勝クラブ。昇格組のなかでも地力があり、ミドルスブラに次ぐ失点の少なさでシーズンを終えた守備の堅さには定評がありました。最終盤にコウチーニョがミドルを決めて、何とか1-0で勝ったストーク戦から攻め方を変えなければゴールは奪えないだろうと思いながら観ていると、試合開始からしばらくは、レッズの中盤はやはり間延びしています。

前半は、2つの判定が明暗を分けました。6分にボーンマスのエルフィックが見事なヘディングシュートを決めたかと思いきや、デヤン・ロブレンを手で押さえたとジャッジされてノーゴール。26分のレッズの先制点は、ショートコーナーから中央に上がったクロスにベンテケがうまく合わせて押し込んだものでしたが、直前にオフサイドポジションにいたコウチーニョがボールに足を伸ばしており、取り消されてもおかしくないゴールでした。幸運も手伝い、リードしたリヴァプールですが、コウチーニョの突破以外で2点めを奪える気配はありません。44分に中央に侵入してきたコウチーニョが左足インサイドでポストぎりぎりを狙ったのが、1-0としてからの唯一の決定機でした。ハーフタイムで1-0なら悪くはありませんが、初めて体験するアンフィールドでのプレミアリーグに気合いが入っている選手が多いボーンマスはアグレッシブで、追いつかれるシーンがないとはいえません。

前線のベンテケや、左に入っていたジョーダン・アイブに長いボールを入れて競り合いに勝ってもらうか、コウチーニョがドリブルしている間に押し上げるしかなかったレッズでしたが、ベンチには閉塞感を打開してくれそうな楽しみなタレントが何人かいます。52分、その1人めが登場しました。ヘンダーソンに代わってエムレ・ジャン。彼が中盤の底に入ってタメを作っている間に周囲が動き、ミルナーやララナが前を向いてボールを受けられるようになれば、チャンスは増えるはずです。

しかしここから決定的なシュートを放っていたのは、ボーンマスのほうでした。59分に左からのクロスを直接狙ったマット・リッチーの強烈な一撃はポストの外側に当たって同点ならず。その3分後、デヤン・ロブレンのマークが緩く、ペナルティエリア右から突破してきたオケインのシュートはわずかに右に外れます。70分、ロジャース監督はもうひとりの希望を投入しました。時折いい突破があったジョーダン・アイブを諦め、フィルミーノです。

残り20分のリヴァプールで、いちばん今後への可能性を感じさせてくれたのは、フィルミーノではなくベンテケでした。73分、カウンターからドリブルで左を上がり、DFがカットにいけない絶妙なタイミングでコウチーニョに出したラストパスと、その1分後にラインを見て一度下がってから再び裏に出ていった細かい動きはクレバーでした。最大の決定機は89分。ナサニエル・クラインの素晴らしいクロスをフリーでボレーした瞬間、ベンテケは「これはもらった」と思ったのではないでしょうか。ゴール裏のファンが腰を浮かしたこの一撃は、ボールが思いのほか弾み、バーに阻まれ追加点はならず。アンフィールドに集まったサポーターに消化不良感を残した試合ではありましたが、リヴァプールは勝ち点3をものにしました。

同じ1-0連勝スタートでも、戦い方ははっきりしており連携のクオリティを上げればゴールが増えそうなマンチェスター・ユナイテッドに対して、リヴァプールは中盤の組み立て方に課題が多く、攻めのスタイルが決まるのに時間を要するかもしれません。収穫は、枠内シュート2本というしょっぱいゲームを勝ち点3に漕ぎ付けたことと、昨季と違って新戦力が早期に機能し始めていることでしょう。プレミアリーグ経験があるベンテケ、ミルナー、ナサニエル・クラインに戸惑いはなく、ジョー・ゴメスも含めて全員大当たりというシーズンになりそうです。後は、フィルミーノですね。彼がマークを引きつけてくれてスペースができるようになれば、コウチーニョの負担は減るのではないでしょうか。とはいえ、次はいきなりアーセナルです。今のレッズがヴェンゲル監督のチームから勝利を奪えるとは思えませんが…。

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“【Liverpool×Bournemouth】枠内シュート2本のリヴァプール、ベンテケの初ゴールで辛勝!” への3件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    ホーム初戦しょっぱいゲームでしたね、、、。どちらがホームチームなんだろうと疑いたくなる状態でした。中盤が機能していない感じがします。フィルミーノはまだ時間がかかりそうですね。ゴメスはなんとも言えず、モレノの方が良いのでは?と思うくらいです。
    ポジティブな点は議論を呼びそうですが、ベンテケがゴール決めたことと、2試合連続のクリーンシートと勝点6とした事でしょうか。
    うーん、、、ガナ戦は防戦一方な気配でドローであれば満点でしょうね。まだまだ復活の道のりは長いですね。

  2. makoto より:

    Mackiさん>
    中盤がうまく機能していないですね。ミルナーとエムレ・ジャンをセンターに固定して、コウチーニョ、ヘンダーソン、フィルミーノが2列めとするのがうまくいきそうだと思うのですが…。

  3. ボールペン より:

    ヘンダーソンとミルナーを並べるのは守備、そしてこの試合ではララーナまで中盤が間延びするのでキツイですね。ヘンダーソンは負傷交代なので次節に出られるかは分かりませんけど、ジャンを底に敷いてその前に2枚並べるほうが中盤の構成としては現状良さそうです。

    次節のアーセナル戦は厳しい試合になると思いますけど、問題は次節からアウェイが、アーセナル、マン・ユナイテッド、エヴァートン、スパーズ、チェルシー、マン・シティという鬼のような日程を現在の新しく作っている状態でどのように乗り切るのか、というところがシーズンの行方も占いそうですね。

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