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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Stoke×Tottenham】ハリー・ケイン&デル・アリ!主役のゴールラッシュでスパーズが4発圧勝!

勝てば、5差。レスターが引き分けたことで、プレミアリーグの優勝争いは再び盛り上がる兆し。プレミアリーグ34節、ストークVSトッテナム。ハリー・ケイン、デル・アリ、ラメラ、エリクセン、エリック・ダイアー、デンベレが揃ったポチェッティーノ監督のチームは、ガチガチのベストメンバーです。ホームのストークも、ボージャン・クルキッチ、シャキリ、アルナウトヴィッチ、アフェライ、インビュラと錚々たる顔ぶれ。ブリタニアは、簡単に勝てる場所ではありません。スパーズは残るのか、負けてプレミアリーグの灯を消してしまうのか。両者とも前線から厳しいチェイシングをかけ、できるだけ前で奪って速攻を仕掛けようとするきびきびとした立ち上がりです。

7分、中央で粘ったラメラから、ラインぎりぎりにいたハリー・ケインに絶妙な縦パス。プレミアリーグ得点王がトラップをもたつかなければ、左足のシュートをシェイ・ギブンに足でブロックされることはなかったでしょう。しかし9分、エースはあっさり最初の失敗を帳消しにしました。デンベレがドリブルで持ち込み、左足アウトでハリー・ケインに落とすと、中にひとつ持ってコースを作ったハリー・ケインは、左45度からここしかないというコースを通すスーパーゴール!目の前にいたDF3人をものともしないパーフェクトな一撃で、アウェイチームが先制しました。

勝てなければヨーロッパリーグ出場権獲得が厳しくなる9位のストークは、俄然攻撃のテンポを上げてきますが、エリック・ダイアーが縦に入る楔を抑えるトッテナムのしつこい守備に、いい形でフィニッシュに入れません。22分、トッテナムのカウンター。右サイドからカイル・ウォーカーがドリブルで進み、最後はデル・アリが思い切ったミドルを放ちますが、コースを切られて右に大きく外れます。26分、右のキャメロンが入れたアーリークロスは触れば1点のナイスボールでしたが、やはりアルデルヴァイレルトが危険なエリアをカバーし、頭でクリア。1分後、バイタルエリアでアルデルヴァイレルトをかわして放ったアルナウトヴィッチの強烈なミドルは、GKロリスが右に飛んでセーブします。シャキリのクロスに合わせたボージャン・クルキッチのボレーは浮いてしまい、攻め続けるストークは同点ゴールを決められません。

34分、ハリー・ケインが左サイドからドリブルで上がると、グラウンダーのラストパス。いいボールでしたが中が薄く、右に流れてしまうものの、デル・アリの落としを直接狙ったカイル・ウォーカー、こぼれ球に左足を振り抜いたデンベレと、スパーズの選手たちは貪欲にシュートを打ってきます。42分、トッテナムにビッグチャンス。ショークロスとヴォルシャイトが中央のスペースを空けてしまい、ラメラの縦パスをダイレクトでつないだデル・アリのラストパスでエリクセンがフリー。シェイ・ギブンとの1対1を天才MFは外さないだろうと思いきや、気負ったシュートはクロスバーに弾かれてしまいます。前半の最後はスパーズの時間帯でしたが、シュートが枠に飛ばず、0-1でハーフタイム。マーク・ヒューズ監督は、シャキリをホセルという思い切った交代策で、スパーズの堅守をこじ開けようとしています。

後半の始まりはストークペース。48分、アルナウトヴィッチの長いクロスのこぼれ球を、左隅めがけて打ったアフェライのシュートはポストの外に逸れていきます。トッテナムはすかさず反撃。ハリー・ケインの秀逸なパスでダニー・ローズがシェイ・ギブンの前に飛び出すものの、トラップが甘く打ちきれません。54分、エリクセンのパスを受けたカイル・ウォーカーの速いグラウンダーはクリアされるも、これを拾ったエリクセンがデル・アリに落とすと、20歳になったばかりのMFのきわどいシュートがバーすれすれを襲います。2分後、またもカイル・ウォーカー。トップスピードで右から上げたクロスはフリーのラメラに通りますが、角度がなかったシュートはDFに当たって2点めはなりません。

アフェライもホセルもシュートに力みがあり、ロリスを慌てさせることはできません。どちらに転ぶかわからなかった67分、最終ラインの一瞬の隙を突いたトッテナムが、決定的な2点めをゲットしました。ラメラが粘って落としたボールを、最前線に走り込んだデル・アリに通したのは、ここまでいつもの冴えがなかったエリクセン。最終ラインのすき間を切り裂く素晴らしいパスで独走となったデル・アリは、体でコースを塞ごうとするGKの上を越える冷静なボレーを流し込みます。1分後にもエリクセンからのボールで裏に抜け出したデル・アリは、今度はシェイ・ギブンを抜き去ったものの、無人のゴールへのフィニッシュをポストにぶつけてしまい、3点めはならず。ピッチを叩きまくるポチェッティーノ監督の激高をなだめたのは、デル・アリ自身でした。左に出てパスを受けた20番がムニエサの股間を通してラメラにつなぐと、あっという間の2対1。ラメラは余裕をもってどフリーのハリー・ケインに流し、エースは誰もいないゴールに3点めを決めました。

マンチェスター・ユナイテッド戦の3連発を思い出させる、たった5分の攻略劇。ストークは、完全に諦めました。82分、エリクセンが左からするすると上がると、ふわりと浮かした完璧なラストパスをデル・アリがボレーで叩き込んで0-4。後は、セーフティに畳むだけです。アストン・ヴィラのグイェに続いてプレミアリーグのファール数ランキング2位のラメラは、つまらない接触でカードをもらわないようにしないといけません。ポチェッティーノ監督は、シャドリとライアン・メイソンを次々と入れてゲームをまとめます。最後の1枚はソン・フンミン、やがてタイムアップ。アーセナルが終わった翌日、トッテナムは4発快勝でプレミアリーグ優勝に希望をつなぎました。

勝負を決めたのはエリクセンとデル・アリでしたが、そこに至る過程のなかで、右サイドから効果的なチャンスメイクを繰り返していたカイル・ウォーカーと、素晴らしい運動量でストークに時間を与えなかったデンベレもリスペクトしたいと思います。レスターのしぶとさはプレミアリーグの優勝チームにふさわしいと思いつつ、トッテナムのこの強さもまた、優勝の資格があるクラブにしか見せられない眩い光です。最大のヤマ場は、5月2日のスタンフォード・ブリッジでしょう。ロンドンダービーをトッテナムが制すれば、われわれプレミアリーグファンは、レスターの夢物語を打ち砕く痛烈な逆転劇を目撃することになるかもしれません。

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“【Stoke×Tottenham】ハリー・ケイン&デル・アリ!主役のゴールラッシュでスパーズが4発圧勝!” への5件のフィードバック

  1. ぐら より:

    押してる時間帯に同点に追いついていれば全然違う展開になったでしょうが、たらればは無意味ですね。
    しかしどれもギブンがかわいそうな失点の仕方でした…

  2. シティふぁん より:

    スパーズは若く運動量があり良いチームですね
    今後の試合で引き分けはあっても負けはなさそう
    シティ、ユナイテッド、チェルシーが不調とはいえ
    若手を育てつつCL権獲得に優勝争い
    ポチェティーノが次の監督になってほしい気持ちがよくわかります

  3. にわかスパーズファン より:

    更新おつかれさまです。
    去年のブリタニアでは散々だったので心配していましたが、必要のないものでしたね。強豪チームの戦い方をしていてビックリしました。
    全員素晴らしいのですが、特にウォーカーはトリッピアの加入が刺激になったのか覚醒したように思えます。今の彼より優れている右SBはプレミアリーグにはいないと思います。去年のデイビス加入によるローズの成長もそうですが、補強した選手が活躍するだけが良い補強とは言えないのかもしれないですね。

  4. nori より:

    更新お疲れ様です。
    いやースパーズ強いですね。
    劣勢な時間帯でも焦らず冷静に対処し、チャンスと見るや一気に畳み掛ける姿には貫禄を感じます。
    フェルトンゲンも復帰しましたし、ここに来てもう一段階強くなったような気がします。

    ここ2戦の結果は勝ち点差以上にレスターにプレッシャーを与えたのではないでしょうか。

  5. makoto より:

    ぐらさん>
    マンチェスター・ユナイテッドもラッシュ喰らったので、お気持ちは多少はわかるつもりです。エリクセンとデル・アリが容赦なかったですね…。

    シティふぁんさん>
    ポチェッティーノさんのよさは、わかりやすさ、明快さ、ブレなさだと思います。統一感があり、プレイに迷いがないのがトッテナムの強さのベースだと思います。

    にわかスパーズファンさん>
    きましたね、カイル・ウォーカー。おっしゃるとおり、今の彼はナサニエル・クラインより明確に上でしょう。

    noriさん>
    そうなんです。あのラッシュが凄いんです。何点やられるのかと怖かったです。あ、怖かったのは3連発を喰らった赤いチームの試合ですが。

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