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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【MAN.UTD×West Ham】指揮官退席、危険な交代策…マン・ユナイテッドはホーム4連続ドロー!

開始わずか2分、今季プレミアリーグでぶっちぎりのNo.1となる47回のチャンスメイクを記録している男が、素晴らしい仕事をしました。ディミトリ・パイェのFKは、イブラヒモヴィッチが後手を踏んでフリーにしたディアフラ・サコの頭に一直線。アウェイのウェストハムがいきなり先制です。プレミアリーグ13節、オールド・トラフォードの一戦には、中盤を仕切るマイケル・キャリックの姿がありません。マンチェスター・ユナイテッドの最終ラインはフィル・ジョーンズとロホの不安なCBコンビと、バレンシア、ダルミアン。2センターにエレーラとポグバ、2列めにラシュフォード、リンガード、マタ。トップには出場停止明けのイブラヒモヴィッチです。0-1とされ、サイドから猛攻を仕掛けるマン・ユナイテッドは、ラストパスがズラタンに合いません。13分、大きく打ち上げたポグバのミドルは、あまりにも強引でした。

15分、左に流れたズラタンがDFの間に入ってきたニアのマタに通すも、右足ダイレクトはGKランドルフの正面。ロホが上がった裏のスペースをポグバがカバーしているのを見て、絶望的な気分になっていたのですが、21分、ポグバの完璧なロングフィードがイブラヒモヴィッチにピタリと合い、巧みなバックヘッドがネットを揺らしました。エースの今季プレミアリーグ7発めで、1-1。セットプレー以外に期待感がないハマーズは、苦しくなりました。

27分、素晴らしいインターセプトを見せたマタが前線のズラタンにパスを通したカウンターは、迫力がありました。9番が左のラシュフォードにはたくと、ゴール前に浮かしたボールはやや高く、ズラタンは打ちきれません。この直後…ああ、なぜこうなるのでしょうか。ポグバが倒れたシーンは足が触れておらず、シミュレーションでイエローカードはやむなしです。ところが、これにモウリーニョ監督が激高。足元のボトルを蹴り上げた指揮官に、主審のジョナサン・モスが退席を命じています。試合のターニングポイントとなるシーンでもなければ、明らかなミスジャッジでもないのに…。2回めの退席処分は、何試合のベンチ入り停止になるでしょうか。的外れだった激情の代償は、それなりに高くつきそうです。

34分、マタがファーサイドに出したロングフィードをズラタンが頭で中に落とし、リンガードがボレー。監督不在のホームチームが、変わらず攻め続けています。37分、ゴールキックのクリアをズラタンがスルーすると、最前線に出たラシュフォードがランドルフと1対1。決定的なチャンスでしたが、19歳のストライカーはシュートをGKの足にぶつけてしまいました。今季プレミアリーグで2番めにクロスが多いマンチェスター・ユナイテッドは、ひたすらズラタンにロングクロスを集めています。46分、カウンターで左から上がったポグバが逆サイドのズラタンにラストパスを出すと、渾身のシュートはDFがブロック。直後にロホの中途半端なボールを拾ったハマーズは、左のパイェのクロスが戻ったロホに当たってしまいます。ズラタンとマタの連携から前線に飛び出したリンガードに渡ったチャンスは、ニアに飛んだシュートをランドルフがセーブ。ホームチーム優勢の試合は、1-1のまま後半勝負となります。

後半開始当初はマンチェスター・ユナイテッドが攻めていたものの、50分過ぎからウェストハムが右サイドを攻略し始めます。53分のパイェのCKは、サコのヘッドがわずかに上。さらにパイェは右からのFKを直接狙いますが、うまく落としきれずにクロスバーを越えていきます。右に張っているマイケル・アントニオを抑えきれなければ、先にゴールを奪うのはハマーズでしょう。60分、中央から攻め上がったポグバがラインの裏に絶妙な浮き球を入れますが、ズラタンをケアしていたコリンズにカットされました。65分、マン・ユナイテッドはラシュフォードとマタを下げ、ルーニーとムヒタリアンを投入。ビリッチ監督は、負傷したサコを下げてアシュリー・フレッチャーをピッチに送り出します。67分、リンガード、ズラタンとダイレクトでつながりルーニーがボレー。ヨーロッパリーグで先制点を決めたキャプテンは、プレミアリーグでも開幕戦以来となるゴールを決めたいところです。

74分、右からのパスを反転して放ったムヒタリアンのシュートがブロックされると、こぼれ球を狙ったリンガードの強烈なミドルはランドルフがキャッチします。76分、右からのクロスをクヤテが処理しきれず、ムヒタリアンがプッシュすると左ポストにヒット。右に跳ねたボールをリンガードが無人のゴールに流し込み、オールド・トラフォードが湧いた瞬間、14番のオフサイドを咎める旗に選手たちは呆然としています。80分、ムヒタリアンが左のルーニーに完璧なロングパスを通したカウンターは、クロスに追いついたファーサイドのズラタンがダイレクトで折り返すもランドルフがクリア。直後、ラインの裏に走ったズラタンがGKをかわした決定的なチャンスは、長くなったトラップをクヤテに蹴り出されます。87分、今度はハマーズのカウンター。マイケル・アントニオがロホとフェライニをワンタッチでぶち抜き、アシュリー・フレッチャーもエレーラとロホをあっさりかわすと至近距離からフリーでシュート。デ・ヘアのビッグセーブがなければ、勝者はハマーズでした。

94分、ビリッチ監督はパイェを下げてフェグリ。ここまでくれば、ドローでOKという采配です。マンチェスター・ユナイテッドは決定機を活かせず、オールド・トラフォードのプレミアリーグで4戦連続のドロー。ラスト5分でリンガードに代わったフェライニは、最前線でタワーの役割を託されたのだと思われますが、後ろに戻ってミスを連発し、時間を浪費することしかできませんでした。ちぐはぐだったスクランブル、危険なフォーメーション。マタを下げるならブリントを入れてポグバの攻撃力を活かし、ポグバをセントラルに残すならマタもステイで、リンガードをルーニーのほうがよかったのではないでしょうか。ポグバが上がった後のスペースをマイケル・アントニオとアシュリー・フレッチャーに突かれた采配は、2点めを奪われていれば、真っ先に槍玉に挙がったのではないかと思います。

ヨーロッパリーグのフェイエノールト戦で4-2-3-1が機能したのは、アウェイ仕様だった相手がやや消極的で、パスコースを限定する前線のプレスが効果的だったからでしょう。ポグバがゴールから遠いためにクロス依存度が高まり、攻め上がると後ろが危険になる布陣よりも、中盤のバランスを取りやすい4-3-3のほうが攻守ともに機能するのではないでしょうか。ELで輝いていたムヒタリアンの投入は納得ですが、他の采配には疑問が残った一戦でした。プレミアリーグの上位3チームと勝ち点10以上の差となったマンチェスター・ユナイテッドにとって、よかったことはひとつだけ。エヴァートンが敗れたため、7位に落ちなかったことです。

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“【MAN.UTD×West Ham】指揮官退席、危険な交代策…マン・ユナイテッドはホーム4連続ドロー!” への2件のフィードバック

  1. シティふぁん より:

    CL権から離れた位置になってしまいましたからね
    仮に上位陣との直接対決ですべて勝てたとしても
    1つのチームとの勝ち点は3縮まるだけで
    それだけではCL権内に入れませんからね
    モウリーニョも焦ってると思います
    自分も433が良いと思いますがキャリックがアンカーの条件付きで

  2. makoto より:

    シティふぁんさん>
    攻めてはいたのですが、ゴールはポグバとズラタンの個人技で、決定機は相手のミス絡みや幸運なリバウンドでした。今の4231では、上位とのアウェイゲームで勝てないのではないかと思います。

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