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【Chelsea×Swansea】セスク、ペドロ、ジエゴ・コスタ!速攻チェルシーに崩れる気配なし!

プレミアリーグ26節、チェルシーVSスウォンジー。首位を走るチームといえども、ポール・クレメント監督就任で立ち直ったウェールズのクラブに油断は禁物です。コンテ監督の最終ラインは、アスピリクエタ、ダヴィド・ルイス、ケーヒルといつものメンバー。WBにはヴィクター・モーゼスとマルコス・アロンソ、カンテの横にはセスクが起用されています。前線はアザール、ペドロ、ジエゴ・コスタ。3-4-3がはまったことに加えて、ケガ人の少なさもこのチームの強さを支えています。立ち上がりから、両者とも手数をかけずに攻め合うスピーディーな展開。6分のスワンズのCKは、シグルズソンのキックにフェデリコ・フェルナンデスがフリーで飛び込みますが、うまくヒットできませんでした。アザールが右のジエゴ・コスタを走らせたカウンターは、シュートに辿り着けません。スワンズの守備は、ボブ・ブラッドリー前監督の下であがいていたいた頃とは、まったくの別物です。

14分、チェルシーに最初の決定機。ボックス左に持ち込んだアザールがノートンら守備陣を翻弄し、中央に優しいパスを流すと、走り込んだセスク・ファブレガスがボレー。ゴール前にスワンズの選手が集まっており、ボールはDFに当たってCKとなりますが、プレミアリーグ16位のアウェイチームはこの先も好調の10番に悩まされそうです。完全にボールを支配したチェルシーは、19分に先制します。敵陣でインターセプトしたのはセスク。アザールにボールが渡り、ワンツーでボックスに入った10番が右のペドロに預けると、折り返しに飛び込んだのは起点だったセスクでした。狭いスペースを縫って放ったボレーはゴール右隅。ショットストッパーとして評価を上げているファビアンスキも、このコースに打たれては反応できません。

25分、ダヴィド・ルイスのボールタッチが乱れ、奪ったジョレンテがドリブルで前に進むと、戻ったカンテがさらってジ・エンド。27分、ダヴィド・ルイスが敵陣に侵入してジエゴ・コスタに縦パスを通すと、エースの一撃は右に流れるもヴィクター・モーゼスがフォロー。浮き球に飛び込んだセスクのボレーは強烈でしたが、ファビアンスキのビッグセーブで2点めは阻まれます。スウォンジーの攻撃は、ジョレンテやラウトリッジへのフィードをチェルシー守備陣に狙われ、拠点が創れずに守備に忙殺されています。青い選手がボール奪取に成功するたび、拍手を送るスタンフォードブリッジのサポーターはさすが、自軍の戦術をよく理解しています。プレミアリーグのスタジアムの気持ちよさを、こんな光景からも実感します。

セスクが蹴った37分のFKは、倒れながら頭に当てたジエゴ・コスタの一撃が右にアウト。前線への楔がほとんど通るチェルシーの攻撃に対して、縦パスをもらったジョレンテがすぐに囲まれるスワンズが何もできないのは致し方ありません。41分にバイタルエリアに入ったフェルが前を向いてボールを持ちますが、斜めに走って最前線に入ったラウトリッジにラストパスが通らず。43分には、チェルシーがまたもチャンスを迎えます。左サイドから単独で中央に持ち込んだのはペドロ。右足のシュートは決まったかと思われましたが、モーソンの足に当たってCKです。1-0で終わる寸前だった前半最後のプレイで、ここまで何もできなかったスワンズが追いつきました。FKの名手シグルズソンが縦に大きく蹴ったボールは、ジョレンテの頭にぴったり。左隅に飛んだ完璧な弾道にクルトワは触れません。イーブンで折り返すとはとても思えなかったワンサイドゲーム。後半も、開始早々からチェルシーのペースです。

47分、右サイドからのボールをスルーしたアザールが、セスクのパスでラインの裏に飛び出し決定的なシュートを放ちますが、ファビアンスキが右に飛んで2度めのビッグセーブ。スワンズ守備陣は、前半と同様にアザールを止められません。51分、マルコス・アロンソからパスをもらったアザールがまたも左サイドを崩し、グラウンダーをマイナスに戻すと、走り込んできたセスクのボレーはクロスバーのコーナーを叩きます。圧倒的なチェルシーペース。スワンズはこのまま残り40分を耐えきれないでしょう。開始から10分を過ぎ、スワンズの最終ラインは落ち着きましたが、ボールを奪った後に誰ももらえるポジションに走らないために速攻に出られず、白いシャツはずっと自陣にこもり続けています。

何とか守り続けていたスウォンジーが勝ち越しゴールを許したのは、72分でした。カンテ、セスクとつながって縦パスがペドロへ。左足のシュートが手元で落ちたのは確かですが、守備範囲のボールだっただけに、ファビアンスキは止めなければなりませんでした。4分後、コンテ監督はペドロを下げてマティッチと、逃げ切り体勢。クレメント監督はジョルダン・アイェウを投入して攻撃の活性化を図ります。相変わらず、ボールを奪われた後の寄せが速いチェルシー。83分にマティッチが左から上がり、カンテに合わせた折り返しはボレーがバーを越えますが、1分後にアザールがボックス左を切り裂き、エースに合わせたラストパスは完璧でした。ジエゴ・コスタのプレミアリーグ16ゴールめは、容赦ない左足ボレー。アザールとヴィクター・モーゼスをウィリアンとズマに代えたコンテ監督のチームは、残り時間を悠々と遣って試合を畳みました。

70分まではイーブンでしたが、ボールを完全に支配したチェルシーの圧勝といっていいでしょう。スワンズの中盤が縦パスをあれだけ自由に通されては、攻めに出られないのは当然です。アザール、ペドロ、ジエゴ・コスタの3トップがプレミアリーグNo.1のユニットであることを確認した試合でしたが、彼らに決定的なパスを出し続けたセスクと、前線へのフィードがよかったアスピリクエタもリスペクトしたいと思います。ボールを奪われた直後のチェック、ハーフライン付近での執拗なプレス、3つある前線の拠点に入れる速い縦パスと、コンテ戦術の徹底度の高さを堪能させていただきました。2位に勝ち点8差をつけて独走するプレミアリーグ首位チームに、崩れる気配はありません。

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“【Chelsea×Swansea】セスク、ペドロ、ジエゴ・コスタ!速攻チェルシーに崩れる気配なし!” への3件のフィードバック

  1. nor より:

    閉じこもった相手に完勝の内容で安心してみれました。
    集中切れた失点シーンのマークのズレというかゴタゴタはなんだったのか、コンテに相当絞られそうですね。

  2. 雨好 より:

    更新お疲れ様です。
    セットプレーに関してちょっと危ないと思う事が続いていますが、それを除いても攻守の連動性が止まらないので安心して見れました。あとは怪我に気を付けたいのでそろそろ細かなターンオーバーをしてくれれば助かるのですが…。

  3. makoto より:

    norさん>
    あの失点は、気持ちが弱いチームならドローに持ち込まれていたかもしれない最悪の形、タイミングでした。後半しっかり立て直してくるあたりが強いです。

    雨好さん>
    奪った後がスムーズですよね。アザールはうまく休ませたいところです。FAカップは話し合ってリプレイをやらないと決めたようですが、延長戦もやめときましょうね(笑)

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