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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【West Ham×Liverpool】スーパーコウチーニョ!リヴァプールが4発圧勝で来季のCLに王手!

ロンドンスタジアムのプレミアリーグ37節は、レッズサポーターのみならず、マン・シティファンもグーナーも注目する大一番。リヴァプールが勝てばチャンピオンズリーグ出場権獲得に大きく前進し、引き分け以下ならマンチェスター・シティの3位とアーセナルの4位が現実味を帯びてきます。マネとヘンダーソンを欠いて戦うクロップ監督は、大事な試合の前にフィルミーノまで失いました。GKミニョレ、DFナサニエル。クライン、マティプ、デヤン・ロブレン、ミルナー。中盤にワイナルドゥム、エムレ・ジャン、ララナが入り、前線はスタリッジ、オリギ、コウチーニョです。直近5試合を2勝3分、失点わずか2と復調したハマーズは、ウィンストン・リード、フォンテ、コリンズの3バック。マイケル・アントニオやキャロルを欠くものの、ランシーニが絶好調です。アイェウ、カジェリとともに攻撃の軸となる10番を自由にさせれば、リヴァプールはプレミアリーグ4位から遠のくことになるでしょう。

直近4試合で3ゴールしか決めておらず、ハマーズ相手のプレミアリーグでは2分3敗と5試合連続で勝利がないレッズは、先にゴールを決められるかどうかが最初のテーマとなります。7分、クレスウェルの縦パスから始まったハマーズの速攻は、カジェリのラストパスで一瞬フリーになったバイラムが、右からボックスに侵入してクロスにシュート。ポストのすぐ脇を抜ける弾道に、レッズサポーターはヒヤリとさせられたでしょう。11分、コウチーニョのCKは、ファーでフリーになったマティプが叩きつけたへディングが決まったかに思われましたが、クロスバーの下にヒットしてハマーズは命拾いします。エジミウソン・フェルナンデスの強烈なロングシュートは、ミニョレがセーブ。15分に敵陣でのこぼれ球を直接左足で狙ったコウチーニョの一撃は、アドリアンがキャッチ。得点力が不安なチーム同士の対決ですが、序盤からエキサイティングなシーンが続きます。

23分、バイラムからミルナーが奪って始まったショートカウンターは、左に預けてリターンをもらったミルナーが左足を振り抜くも、DFに当たってアドリアンがキャッチ。戻りが速いウェストハムの守備に対して、連動性のないレッズの前線はシンプルなサイド攻撃以外に手立てがありません。26分、敵陣でアイェウから奪取したコウチーニョのミドルは、わずかにバーの上。31分にはスタリッジがインターセプトに成功し、ドリブルで中央を上がるも自分では打ち切れず、落としをもらったコウチーニョのシュートはアドリアンの守備範囲です。

35分にカジェリが仕掛けたカウンターが止まった後、リヴァプールの10番が素晴らしいスルーパスを前線に通します。フォンテの位置を見ながらパスを待っていたスタリッジは、中央を切り裂くコウリーニョからのフィードで一気にひとり旅。アドリアンを右に抜き去ったストライカーは、無人のゴールに待望の先制点を突き刺しました。ハマーズ最大の決定機は45分。左からのCKにデヤン・ロブレンが触ると、ボールはファーポスト際でノーマークだったアイェウの足元へ。ゴールまで数10センチしかない絶好球は、インサイドでパスをすれば決まりでしたが、焦った20番はポストに当ててしまい、リバウンドはミニョレに処理されてしまいます。ランジーニのFKに合わせたコリンズのヘッドは、ミニョレがキャッチ。前半は0-1で終わり、後半の興味は「ハマーズがゴールを決められるか」です。

後半開始早々から、レッズがチャージ。ロングフィードをララナが落とすと、オリギの強烈なシュートはDFをかすめてコースが変わりますが、アドリアンがビッグセーブ。これをフォローしたミルナーから、ボックスの左隅でパスを受けたララナのダイレクトショットもアドリアンが足でブロック。さらにエムレ・ジャンがインターセプトして前線のワイナルドゥムに縦パスを入れると、右隅を狙ったシュートもまた好調の守護神がポストの外に弾き出します。状況を変えたいビリッチ監督は、カジェリとフォンテを下げてフェグリとアシュリー・フレッチャーを投入。4バックにシフトして、攻撃に厚みを持たせようとしています。

ハマーズの指揮官の狙いは、57分の追加点で壊されました。左から上がったオリギのクロスは止めたものの、バイタルエリアに高く上がったクリアをワイナルドゥムがダイレクトで叩くと、ドライブがかかったボールはクロスバーを直撃。これを拾ったコウチーニョは、ウィンストン・リードをあっさりかわすとコリンズが足を伸ばす直前に右足を振り抜き、左のサイドネットを揺らしました。

62分、ボックスでワイナルドゥムがカットした直後のカウンター。コウチーニョがララナに出したタイミングが遅く、ハマーズ守備陣が後ろを固めるかと思いきや、エムレ・ジャンのパスが左のワイナルドゥムに渡り、さらにその外を走ったコウチーニョへ。コリンズを子ども扱いした10番は、出てきたアドリアンをものともせずゴールのど真ん中に3点めを突き刺しました。この直後にもオリギのミドルがバーの上をこするなど、完全なるレッズペース。69分に左サイドを突破したアシュリー・フレッチャーは、クロスを上げようと縦に進路を取ったために角度を失い、予定変更の一撃はミニョレの体にヒットします。

76分、4点めの仕掛け人はスタリッジでした。ララナからのパスを受け、クレスウェルを簡単に抜いたストライカーがマイナスの折り返しを入れると、ララナのシュートはアドリアンが体を張って止めたものの、こぼれ球を直接打ったワイナルドゥムのミスシュートがオリギの足元に届き、3発めのボレーがゴールに転がり込みました。ベルギー代表FWは、今季プレミアリーグ7ゴール。完全に勝負が決まり、ロンドンスタジアムは時間を追うごとに空席が増えていきます。クロップ監督にしてみれば、最後にグルイッチとウッドバーンをピッチに送り込めたのは、うれしい誤算でしょう。0-4で圧勝したリヴァプールが、ついにチャンピオンズリーグ出場権に王手をかけました。

今日のヒーローはパス、シュート、ドリブルとすべてにおいてスーパーだったコウチーニョと、クレバーなプレイで2点に絡んだスタリッジ。アタッカーたちの個人技が目立った試合でしたが、何度も前線に顔を出したワイナルドゥムの奮闘と、前の選手たちにいいボールを配し続けたエムレ・ジャンも忘れてはいけません。最終節はアンフィールドでボロ戦ですが、降格が決まったクラブに足を取られることはないでしょう。レッズらしいサッカーでシーズンを締め、来季は欧州最高峰の大会でゲーゲンプレッシングを披露していただければと思います。

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“【West Ham×Liverpool】スーパーコウチーニョ!リヴァプールが4発圧勝で来季のCLに王手!” への6件のフィードバック

  1. Macki より:

    ローマがユーベに勝ち、ドルトムントが引き分けたため、ドルトムント、セビージャ、ポルト、ナポリ、ゼニトのどれかと当たるという恐怖のプレーオフが現実味を帯びてきました。
    ドルトムントには最終節なんとしても勝ってもらうしかないですが、ここ最近試合を見ててそもそもこのチームに多くのコンペティションをやりくりするのは無理なんじゃないかと思えてきました笑

    国内だけの今季ですら後半はボロボロですし、最近はコウチーニョやフィルミーノの個人技でなんとか勝ち点を拾っている状態。上位に強いのはいいですが、安定性を欠いてはタイトル獲得が難しいのは必定。

    キャプテンもこの2シーズン欠場しがちで彼が本当にキャプテンでいいのかという疑問も湧いてきました。他に選択肢がないという消極的な理由で、続投間違いなしなのですが。
    ハマった時は文句なく強いんですがね・・・

    —–
    更新ご苦労様です。
    苦手ハマーズ戦でフィルミーノベンチ外と色々心配でしたが、コウチーニョがスーパーな働きで、スタリッジの復活を思わせるゴールと最高のゲームでした。コウチーニョはやはりトップ下の方がいける感じがしました。最終戦はアンフィールドのボロ戦なので、最後まで気を引き締めて戦い抜きたいですね。

  2. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    それをいったら、スアレスとメッシが過半のゴールを決めているバルサも「個人技で何とか勝ち点を拾ってる試合が多い」などといえてしまうのでは?ものはいいよう、考えようで、「エースがきっちり決めて勝ち点を稼いでいる」ともいえると思います。ヘンダーソンは、いいキャプテンだと思います。

    Mackiさん>
    コウチーニョ、凄かったですね!スタリッジはクレバーな選手だなとあらためて思いました。1点めのオフサイドのかいくぐり方は頭脳的でした。

  3. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。

    先週、クロップ監督が来季コウチーニョは8番でプレーさせたいとコメントしていましたが、まさかハマーズ戦でさっそく起用するとは思いませんでした。
    しかし、蓋をあければコウチ劇場の開幕、クロップ監督のコメントの意図がよく理解できたいい試合でした。
    この布陣にマネなど生粋のウィンガーが加わればと想像すると・・・、ついニヤニヤしてしまいます 笑。
    来季もアンフィールドで躍動するリトルマジシャンが見られるはずです。
    しかし、まだCL権を獲得したわけではありません。
    アーセナルの結果に頼ることなく、ホームで気持ちよく勝って決めてほしいです。
    コウチ、スタリッジがこの調子であればまず問題ないでしょう。
    期待しています。

  4. makoto より:

    nyonsukeさん>
    リヴァプールのおもしろさのひとつは、ウイング⇔インサイドMF、インサイドMF⇔アンカーなど、めまぐるしいポジションチェンジができるユーティリティを持つ選手が揃っているところだと思います。ララナ⇔コウチーニョ、ワイナルドゥム⇔コウチーニョ、エムレ・ジャン⇔ヘンダーソンなどなど。フィルミーノとマネも、最戦線とサイド、2列めならどのポジションに置いても機能しますよね。はまればすごいサッカーをしてくれそうですね。あとひとつです!

  5. K より:

    スペースがある試合のコウチはいつも素晴らしいです。特にスタリッジはそのパスに応える動き出しでした
    一方で得点を取ってもエコーのファン採点でスタメン最低だったオリギは厳しいですね
    彼は昨年から右斜めからのシュート、ヘディング、裏に抜け出してフリーでシュート、こぼれ球を押し込む4通りしかありません
    スタリッジの引き出しの多さを考えるにオリギの未来はベンテケと同じように思えます

    怪我人出なければ3位は余裕と高を括っていたバチがあたって
    ララナとマネが怪我してヘンドが帰って来ず、ミルナーとワイナルダムが疲労で劣化した中
    チャンやミニョレやマティプ、ブラジルトリオがチームを支えてくれたおかげであと1勝まできました
    4位取れたら来季は大きく進歩してくれると信じてます、最後まで信じて応援して参ります

  6. makoto より:

    オリジ4通りというコメントですが、普通そんなもんですよね?^_^;型を持たないストライカーは得点のビジョンが無くなる方が多いので、今はその4パターンで「必ず」点を取れるようになる方がいいと個人的には思います。
    リヴァプールは来季やる事はハッキリしてます。ウイングとSBを中心に層を厚くする事と、遅攻のクオリティ向上です。故に8月の時点でシーズンの出来が予想できると思います。移籍市場での積極的なアプローチを期待しつつその為のCLを確保して欲しいです。

    —–
    nyonsukeさん>
    リヴァプールのおもしろさのひとつは、ウイング⇔インサイドMF、インサイドMF⇔アンカーなど、めまぐるしいポジションチェンジができるユーティリティを持つ選手が揃っているところだと思います。ララナ⇔コウチーニョ、ワイナルドゥム⇔コウチーニョ、エムレ・ジャン⇔ヘンダーソンなどなど。フィルミーノとマネも、最戦線とサイド、2列めならどのポジションに置いても機能しますよね。はまればすごいサッカーをしてくれそうですね。あとひとつです!

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