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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Everton×Tottenham】来た、ハリー・ケイン!スピードも長短も自在なスパーズを堪能!

サイドネットに刺さった瞬間、ハリー・ケインに問いかけたくなりました。「今のは、クロスですよね?」と。28分、CKのクリアを右サイドでトリッピアーが拾い、パスをもらった10番は、注目のGKピックフォードの頭上を越えるロングシュートを左隅に決めました。今季プレミアリーグ初ゴールにもさほど喜びを表現せず、照れたような顔をしているのを見て、私の問いに対する答えを察しましたが、ご本人の意図がどうであろうとこの一撃が貴重だったのは間違いありません。

プレミアリーグ4節、エヴァートンVSトッテナム。昨季プレミアリーグで17勝2分と、本拠地ホワイト・ハート・レーンで無類の強さを発揮したトッテナムは、スタジアム建設に伴い聖地ウェンブリーに間借りした今季はホーム1分1敗と別のチームのようです。落とした勝ち点をアウェイで補填できなければ、プレミアリーグ優勝という大目標は望むべくもありません。ポチェッティーノ監督は、大事な一戦でフォーメーションを変えてきました。アルデルヴァイレルト、フェルトンゲン、新戦力のダヴィンソン・サンチェスを並べた3バック。アンカーにエリック・ダイアーが入り、両サイドにトリッピアーとベン・デイヴィス。デル・アリ、エリクセン、シソコの前にハリー・ケインという布陣は、3-6-1ないしは3-5-1-1でしょうか。

キックオフから間もない6分、ルーニーとのワンツーで右サイドを突破したクコ・マルティナがサンドロ・ラミレスに打たせようとグラウンダーを入れるなど、ホームチームはアグレッシブに戦っていました。12分にはスパーズが反撃。ベン・デイヴィスのクロスをデル・アリが落とし、エリクセンがダイレクトで叩いたシュートはアシュリー・ウィリアムズがブロック。さらに15分には、エリクセンのパスで好調ベン・デイヴィスがまたもオーバーラップし、グラウンダーに合わせたシソコのボレーはアシュリー・ウィリアムズがカットします。サイドを執拗に攻めるスパーズに対して、エヴァートンの守備陣は落ち着きません。それでもスコアは0-0。ピックフォード、マイケル・キーン、クコ・マルティナ、ルーニー、シグルズソン、クラーセン、サンドロ・ラミレスと、新戦力を7人もスタメンに配したクーマン監督のチームが勝つチャンスは充分にあります。そんななかで、幸運としかいいようがない28分のスパーズの先制ゴール。エヴァートンは、これで苦しくなりました。

アウェイチームの2点めは、42分。中央にいたシソコが頭でプッシュしたボールをデル・アリが右に持ち込むと、ファーサイドへのクロスをクコ・マルティナが空振りします。チャンスと見て、猛然と走り込んだのはいかにもコンディションがよさそうなベン・デイヴィス。左足のダイレクトショットはピックフォードがセーブするも、エリクセンの目の前に弾いては2発めは止められません。プレーメイカーの冷静な左足シュートが決まり、0-2。追加タイムにハリー・ケインが左サイドを崩した速攻では、クロスにフリーだったデル・アリが右足のアウトで決めようとするほど、スパーズには自信と余裕が感じられました。ハーフタイムのクーマン監督は、クラーセンとサンドロ・ラミレスを下げてトム・デイヴィスとカルヴァート・ルーウィンを投入。勝負を半ば諦め、若手にプレミアリーグ経験を積ませようとしているようにも見えました。

クーマン監督のテコ入れ策は、後半開始わずか1分で水泡に帰しました。エリクセンが縦パスをハリー・ケインに当てると、エースは左のベン・デイヴィスに展開。冷静だったWBは、ハリー・ケインが縦に走ったのをみて足元にきれいに落ちるアーリークロスをフィードしました。右足インサイドのボレーに、ピックフォードはなす術なし。これで勝負は決まりでしょう。ハリー・ケイン、エリクセン、デル・アリは、トレーニングで連携を確認するかのようにエヴァートン守備陣を3人で蹂躙し始めます。

53分、左のデル・アリからパスを受けたハリー・ケインが、ラインの裏に走り込んだエリクセンに完璧な浮き球を通すと、23番の倒れ込みながらのボレーはピックフォードが右に飛んでセーブ。さらに1分後、縦パスをエリクセンがヒールで流すと、デル・アリが完全にフリーになります。ボックスに右から侵入したデル・アリのグラウンダーはシュナイデルランのかかとに当たりますが、こぼれ球に先着したハリー・ケインが素早くボレー。ピックフォードが何とかストップし、4点差は免れましたが、明らかに完成度に差がある両者の形勢が変わる気配はありません。

チャンピオンズリーグのドルトムント戦を控えたポチェッティーノ監督は、主力を早めに下げるかと思いきや、71分にエリクセンをデンベレ、78分にシソコをハリー・ウィンクス、85分にハリー・ケインをソン・フンミンと慎重に交代カードを使いました。弛緩した空気のなか、トッテナムが0-3快勝で今季プレミアリーグ2勝めをゲット。オーソドックスなサイド攻撃、ショートカウンター、アルデルヴァイレルトやエリック・ダイアーからのロングフィードと、スピードも長短も自在なトッテナムらしいサッカーを楽しませていただきました。私のMVPは、ベン・デイヴィス。カイル・ウォーカーとダニー・ローズの不在を忘れさせてくれるWBの奮闘と、ワールドクラスの3人の秀逸なコンビネーションがあれば、ドルトムント戦でも勝ち点3を奪えるのではないかと思います。大型補強で期待されたエヴァートンは、チームの熟成にもうしばらく時間がかかりそうです。(Tottenham Hotspur 2016 写真著作者/Ardfern)

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“【Everton×Tottenham】来た、ハリー・ケイン!スピードも長短も自在なスパーズを堪能!” への1件のコメント

  1. エバートン より:

    少し早いかもですが9月になりハリー・ケインの季節になりつつありますね笑。
    3点目のデイヴィスにボールを渡してからのフリーラン、フィニッシュはまさしくケインらしい得点だったと思います。
    次はウェンブリーでドルトムント戦ですがウェンブリーでの今季初勝利は見れるのでしょうか。GL突破の正念場がいきなり訪れているなと注視しています。

    —–
    コールマンとボラシーが帰ってくるまでは優しい目でチームを応援してます。今のチームには期待感が持てないので。
    デイビスはともかくルインは現状ではラミレスより貢献度は高いと思うので妥当な交代だったと思います。ゴールはないですがアシストもしてますしね。

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