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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Saints×MAN.UTD】サイドを崩され大苦戦!バスを停めたマン・ユナイテッドが何とか逃げ切り!

昨シーズンはTOP6以外に11引き分けだったチームが、16ゴールを重ねて4勝1分とロケットスタートに成功しました。プレミアリーグ6節、サウサンプトンの本拠地セント・メアリーズに乗り込んだのは、マンチェスター・ユナイテッド。ポグバを欠いたモウリーニョ監督は、直後のCLのモスクワ遠征は大丈夫といわんばかりのプレミアリーグシフト。GKデ・ヘア、DFバレンシア、バイリー、フィル・ジョーンズ、アシュリー・ヤング。セントラルにフェライニとマティッチが入り、2列目にマタ、ムヒタリアン、ラシュフォード。最前線にはもちろんロメウ・ルカクです。前節のクリスタル・パレス戦で姿を見せたファン・ダイクは、90分動ける体になっていないのでしょうか。CBには吉田麻也と新加入のフート。ペジェグリーノ監督が率いるホームチームは直近のプレミアリーグで3戦1ゴールと攻撃に課題を抱えていますが、セドリク・ソアレス、バートランド、タディッチ、レドモンドが仕掛けるサイドアタックは侮れません。

奪ったボールを手数をかけずにゴール前に運ぶ両者ですが、CBが冷静にさばき、5分のムヒタリアンのミドルまでシュートはありません。10分、CKのクリアがバレンシアに当たってこぼれると、ボックスの外から狙ったレドモンドの左足シュートはアウトにかかって逸れていきます。セインツは縦へのパスが通らず、急ぎ過ぎるマンチェスター・ユナイテッドのアタックはクロスを中に入れさせてもらえません。しかし19分、タディッチをかわしたアシュリー・ヤングが、得意の高速クロスをルカクの頭に合わせます。完璧なボールを叩いたストライカーのヘッドはフォースターがかろうじて手に当てたものの、こぼれ球がルカクの前に落ちてはどうしようもありません。左足のイージーなシュートがネットに刺さって0-1。プレミアリーグ得点王レースのトップを走るルカクは、6試合で早くも6ゴールです。

27分、吉田麻耶也のファールで得たボックスのすぐ外のFK。ラシュフォードのキックは高さは申し分なかったものの、左ポストをかすめて外に逃げてしまいます。35分にムヒタリアンがドリブルで仕掛けたカウンターは、吉田麻也がルカクへのコースを切って追い詰め、うまくCKに持ち込みました。敵陣深くで厳しくプレスをかけたマタが、ワンツーからラインの裏に抜け出したチャンスも吉田がコースを切って折り返しを許しません。前半は0-1。セインツはほぼノーチャンスで45分を終えてしまいました。

後半開始からセインツの時間が続きますが、2度のCKはシュートを枠に飛ばせず。50分にロングフィードをシェーン・ロングが競ると、裏に抜け出したタディッチは必死に戻ったフィル・ジョーンズにカットされます。直後のCKは、吉田麻也がヒールで打った後のルーズボールをロメウがスライディングで狙いますが、コースを切られて左にアウト。57分に右サイドでマタを抜き去ったレドモンドが意表を突いて右足で放った一撃は、ニアでデ・ヘアががっちりキャッチします。ルカクまで自陣に引いたマンチェスター・ユナイテッドは防戦一方となり、カウンターを仕掛けるのも難しそうです。

60分にバレンシアを抜いたレドモンドがハイクロスを入れると、アシュリー・ヤングに競り勝ったシェーン・ロングのヘディングはポストの右。スティーブン・デイヴィスのミドルは浮いてしまい、デ・ヘアを慌てさせることはできません。モウリーニョ監督は、マタを下げてエレーラ。運動量豊富なスペイン人MFは、完全にセインツに傾いた流れを変えられるでしょうか。66分にムヒタリアンが右から中央を切り裂き、3対2の形を創ると、すぐ右でラストパスを受けたルカクの右足インサイドをフォースターが足でブロック。ここは左から上がったラシュフォードを使っていれば、ほぼ正面から打つことができたでしょう。直後のCKは、ロメウのヘディングをフェライニが頭でクリア。残り時間が20分を過ぎても、セインツのサイドアタックが続いています。

ペジェグリーノ監督は、73分にスティーブン・デイヴィスをガッビアディーニという勝負に出ます。モウリーニョ監督の対抗策は、ムヒタリアンをスモーリングという守備的なチョイス。77分にルカクの縦パスを斜めに走って受けたフェライニは、読んでいたセドリク・ソアレスに止められます。ガッビアディーニがボックスの手前から左に流し、タディッチのダイレクトパスでロメウが縦に走ったチャンスは、クロスに放った左足のシュートがポストの外。ラシュフォードの絶妙なパスでルカクがボックス左を崩すと、マイナスのボールをワントラップしたフリーのエレーラはフィニッシュを浮かしてしまいました。

82分、セドリクとシェーン・ロングが下がってウォード=プラウズとチャーリー・オースティン。バスを停めるモウリーニョを、今季プレミアリーグで初めて見ました。ラシュフォードがブリントに代わった後、残り1分を待てずに指揮官が退席。よろしくない表現で抗議でもしたのでしょうか。押しまくっていたセインツに足りなかったのは、ラストパスとシュートの精度でした。マンチェスター・ユナイテッドは、これまでのゲームが嘘のようにアタックを喰らい続けながらも、何とか0-1で逃げ切りました。

いやー、危なかった。何しろポゼッション39%。アシュリー・ヤングとバレンシアの裏のスペースを執拗に突いたペジェグリーニ戦術は見応えがありました。苦戦の原因は、マティッチを筆頭に中盤の足が止まってしまったことでしょう。デ・ヘア、CBコンビ、フェライニの強度を頼りに時間を遣い、最後は全員でスペースを埋めるしかなかった一戦。ミッドウィークのモスクワはキャリック、リンガード、ブリントらを起用して何人かの主力を休ませ、セインツを上回るプレミアリーグ6試合連続ノーゴールの最下位クリスタル・パレス戦を確実に獲っていただければと思います。

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“【Saints×MAN.UTD】サイドを崩され大苦戦!バスを停めたマン・ユナイテッドが何とか逃げ切り!” への10件のフィードバック

  1. 不知火 より:

    見ててヒヤヒヤしました。
    恐らく今期最悪の試合の一つになるのではないでしょうか。
    とはいえ、どんないいチームもシーズン中にこういう試合が必ずあります。
    そう考えるとこの試合を勝ちきった事にはとても良かったと思います。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    よくアンチの方が使いたがるバスを停めるって表現ですが、このゲームに関しては適切ですね。見ててちょっとびっくりしました

  3. ばびぶ より:

    まぁそもそも「バスを停める」ってのがマイナスイメージのみになってるのも問題ですけどね。コンディション不良で中盤の強度がガタ落ちの中、リトリートしてしっかり無失点にできる監督が今の世界にどれだけいるか。今日のような試合で勝ち点3取れるのはチームが強くなった証かと思います。ただ勿論場合によるんですが、フェライニはマティッチとは並べて欲しくないですね。高さは無くなりますがエレーラの方が総合的な守備力は上な気がします。繋ぐ能力もです。

  4. 京都一のMUFCファン より:

    セルビア左利き対決楽しみだったんですけど、頼みのマティッチが序盤からセーフティーな選択多かったのでやばいかと思ってたら勝ちきってくれて一安心。
    今日のMVP誰だと思いますか?

  5. プレミアリーグ大好き! より:

    調子の良かったユナイテッドも苦戦しましたね
    コンディション不良とはいえビッグチームでバスを停めるのはモウリーニョくらいでしょう
    ただ勝ち点3はとても大きいのは間違いありません
    チェルシーとシティが直接対決でシティが勝てなければユナイテッドが首位になる可能性が高く
    モウリーニョの計画通りになってる気がします

    —–
    やはりポグバがいないとダメだなということを教えてくれるような試合でした。
    フェライニだと守備はまだいいですがボールを持てませんね。
    それでもルカクが点を取り、そしてその一点を守り切れたのは素晴らしかったです。

    去年のユナイテッドならノーゴールか終盤に追いつかれるかで絶対に勝てなかったと思うのでようやくモウリーニョらしいチームになったなと感じています。

  6. ユナイテッド より:

    ポグバの不在を痛感させられました。
    ロメウとレミナのダブルボランチに対してムヒタリアンもフェライニも完全に競り負け、マティッチしか闘えてませんでした。
    ああいう状況でボールをキープして運んでチャンスメイクまでしてしまうポグバが居ないのはダメージがでかすぎます。
    1番気になるのはエレーラに昨シーズンのようなパスカット、タックルがなかなか見られず、むしろ簡単に縦パスを入れさせてやられてるシーンがちらほら見えていたことです。
    ポグバがいない今エレーラに調子を上げてもらいたいです。
    あと79分の決定機をエレーラが決めて、ラッシュフォードとマルシャルをスイッチしたらいつものゴール量産モードに入っていた気がします。

  7. グッチ より:

    まともにバスを止められるクラブは勝ち点をもぎ取ることができる。そして外野が言うほどバスを止めるのは難しいと思います。ただ引くだけでは「バスの窓が開いている。」とさえ揶揄されますから(笑
    モウリーニョの恐ろしいところはバスを二階建てにしてしまう点で、これをやられると攻める方はやってられないですし、内容悪くても勝ち点3を回収してしまうためリーグ戦の消化としては効率良いことこの上ないです。いや〜、流石です。

  8. プレミアリーグ大好き! より:

    不知火さん>
    ですね。マン・シティのボーンマス戦はもっと危ない試合でしたよね。勝ててよかったです。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    モウリーニョさん自身がよく使ってますからね…。

    ばびぶさん>
    モウリーニョさんは「経験豊富じゃないとうまく停められないものだ」といっており、決してネガティブなばかりではありません。何とか守り切りましたね。私は、今のフェライニにはポジティブな印象があります。

    京都一のMUFCファンさん>
    前半の調子で行ければミキでしたが、結局バイリーですかね。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    大きいです。ここまでは結果がついてきているので、概ね順調ですね。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    昨季はこういう試合で勝てなかったので、ほっとしてます。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    ポグバ、早く戻ってきてほしいです。彼がいればカウンターのチャンスはもっと多かったのではないかと思います。

    ユナイテッドさん>
    「79分の決定機をエレーラが決めて、ラッシュフォードとマルシャルをスイッチしたらいつものゴール量産モードに入っていた」→そうですね。今季のこのチームにとっては、1-0と4-0は紙一重です。

    グッチさん>
    今季は、相手がバスを停めてきたら、二階建てバスの2階から攻撃できるのも魅力です。美しいかどうかは別として。

    —–
    ポグバほどのタレントであればこそ、その不在を痛感させられるのであって、ポグバがいないとダメだなというのはちょっと違うのでは?と思ったり…。
    なんにせよ、アウェイでセインツという、決して簡単ではない相手に、きっちりウノゼロで終えたのは素晴らしいと思いました。

  9. グッチ より:

    修正です。「外野が言うほど難しい」ではなく「外野が言うほど簡単ではない。」です。推敲せず投稿して申し訳ないです。

  10. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    いないとダメということはないですね。そういうケースを想定してのエレーラ、フェライニ、キャリックです。

    グッチさん>
    大丈夫です。趣旨伝わってます!

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