【MAN.CITY×Stoke】「最高の出来」ペップが自画自賛したマンチェスター・シティの7発を詳解!
不動の右SBカイル・ウォーカーと今や最終ラインの中心となったオタメンディは健在。コンパニの穴はジョン・ストーンズが埋め、今季中のプレミアリーグ復帰が難しいかもしれないといわれるバンジャマン・メンディのポジションは、サプライズ起用のファビアン・デルフがそつなくこなしています。予想通り、マンチェスター・シティがストークに勝ったのですが、予想外だったのは7-2という驚愕のスコアでした。最強チームが決めた7発と、ライバルたちの崩しの参考になるかもしれない2失点についてレポートしたいと思います。
マン・シティの強さを支えているのは、前線からの激しいプレスに加えて、速いロングフィードが一発でウイングに入ることです。9分に左サイドから右のスターリングにサイドチェンジが通ったとき、セントラルMFからコンバートされたSBデルフの魅力を再確認しました。サイド攻撃が詰まったとき、逆のエリアへのボールがこれだけ簡単に通れば、守るほうは奪うポイントが絞れなくなります。
ミスだけは禁物だったストークは、17分にフレッチャーが横パスをさらわれてしまいました。縦にカイルウォーカーを走らせたデブライネの優しいパスで半分決まり。ゴールライン際でフリーになった右SBは、ガブリエウ・ジェズスが入ってくるタイミングを見て速いグラウンダーを通すだけです。ボレーが決まって1-0。さらに2点目が決まるまでに、3分もかかりませんでした。19分に左から仕掛けたサネがドリブル突破を諦めて、デブライネに戻すと、DFの虚を突いたリターンがラインの裏に出てサネはフリー。GKバトランドの前にフリーの選手が2人いるのを見たサネは、自分で打たずにファーのスターリングにラストパスを流し、イージーなボレーが決まります。好調をキープしているスターリングは、今季プレミアリーグで早くも6ゴールです。
3点めは27分。デルフがガブリエウ・ジェズスに楔を入れると、20歳のストライカーが左のサネにさばき、ウインガーはダイレクトでファーのスターリングにアーリークロスを通します。打てないと判断した快足ウインガーは、さらにダイレクトで中のダヴィド・シルヴァへ。プレミアリーグ6アシストでトップを走るプレーメイカーが左足で押し込み、今季初ゴールをゲットしました。決まりかと思われた試合は、前半終了間際のディウフのゴールでおもしろくなります。DFとしては経験不足のデルフは、ディウフのドリブルに対して適切なポジショニングを取れず、ヘセ・ロドリゲスとのワンツーからフリーにしてしまいました。ディウフに慌てて寄せにいったデルフは足にボールを当てるのが精一杯で、コースが変わったボールにエデルソンはノーチャンスです。
後半開始直後、ストークが1点差に迫ります。スローインを受けて右サイドから突破を図ったのは、プレミアリーグデビューの18歳SBエドワーズ。サネのマークが緩く、クロスがディウフに届くと、ヘディングシュートがカイル・ウォーカーに当たってそのままゴールに吸い込まれました。3-2となり、再度マン・シティに火が着きます。55分、センターサークル脇にいたデブライネが、ハーフタイムに入ったばかりのマルティンス・インディのパスをインターセプトすると、自ら右サイドを突破して完璧なアーリークロス。フリーだったガブリエウ・ジェズスは、左足で押し込むだけでした。60分にはCKからこぼれたボールをデブライネが後ろのデルフに戻すと、その右でパスをもらったフェルナンジーニョの強烈なミドルがバトランドを破ります。
圧巻だったのは、62分の6点めでした。右から上がったデブライネの長いスルーパスは、サネが走り込む時間と相手の足が届く範囲を計算できなければ出せないボールです。19番の得意の左足シュートがイングランド代表GKの股間を抜いて6-2。これにて、ガブリエウ・ジェズスとデブライネはチャンピオンズリーグのナポリ戦をにらんでお役御免となります。代わって入ったのは、ベルナルド・シウヴァとギュンドアン。79分の7点めの起点は、5分ほど前にフェルナンジーニョの後を継いだヤヤ・トゥレでした。ハーフライン付近でボールを奪ったセントラルMFがスターリングに縦パスを通すと、シュートをマルティンス・インディにブロックされたスターリングは、こぼれ球を拾ってすぐ横を上がってきたベルナルド・シウヴァにラストパス。左足で巧みにプッシュしたベルナルド・シウヴァは、これがプレミアリーグ初ゴールです。
ラスト30分で既に勝負は決まっていたゲームでしたが、マンチェスター・シティはプレスを止めず、敵陣でボールを奪取しまくっていました。7点奪われたストークの守護神ジャック・バトランドについては、「ポゼッション79%、オンターゲット11本、決定機15回以上のチームを相手に奮闘した」と報告しておきましょう。これは、強い。デブライネとダヴィド・シルヴァがいなければ、スルーパスの切れ味は落ちるかもしれませんが、ギュンドアンとヤヤ・トゥレが代わりを務める中盤でもプレスからのショートカウンターは作動し続けるでしょう。「今日のパフォーマンスは就任以来最高かと問われたら、否定できない。これが、われわれが求めてきたプレースタイルだ。お互いをよく理解しており、厚く信頼し合っている」。自画自賛したペップは、3-0よりも7-2だと考えているに違いありません。
マン・シティを倒すには、プレスをかいくぐってウイングやインサイドMFの背後に入り込み、孤立したSBとCBをつぶすしかなさそうですが、難易度の高い攻略法を成功させるチームがどれだけあるでしょうか。レッズとチェルシーが討ち死にした今、期待できそうなのは、エリクセンとデル・アリ、ザハとタウンゼント、そしてヴァーディ、岡崎慎司、マフレズのトリオか…。ここ数年は、1ヵ月以上勝てない時期が必ずあったマン・シティですが、今季のチームがそんな不振にあえぐ姿は想像できません。
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いつも楽しみに拝見させていただいています。
この試合でヤヤが出てきたときにとても嬉しかったです。
なかなか試合に出れない中で、ともすれば内紛の原因になりかねないと思うのですが、
チームがまとまっているのは、結構ヤヤのおかげかもと思ってしまいます。
代理人の言動が何かと騒がれますが、
実はかなりいい人なのではないかと思っています。
皆さんにお聞きしたいのですが、
①ペップはどの位置づけでヤヤを残したと思いますか?
凄く好きな選手なんですが、どの状況でどの位置で使おうとしてるのかわかりません。
②ペップとアグエロとの間に確執は本当にあると思いますか?
少なくとも今期を見る限りはとてもいいと思うし、
確執が原因で退団はやめてほしいです
以上 これからも楽しみにしていますのでよろしくお願いします。
今季のシティは攻撃がよりスピーディーになっているのでヤヤを使いにくいのかなと思います。
アウェーのモナコ戦の時のようにビルドアップが上手くいかない時には居て欲しい選手なのですが…
アグエロについては昨季にジェズスを優先した事でメディアに目を付けられただけかと。
実際あの頃はジェズスの方がいいプレーをしていましたし、今季はアグエロの調子が良いので怪我するまではほぼフル出場しています。
開幕数戦は攻撃時に急ぎ過ぎでは?と少し懐疑的でしたが、ハマったらものすごい破壊力ですね。
ゴールから離れた位置でもパス一発で決定機を作ってしまうデブライネは相手チームの脅威になり続けるでしょう。
守備時のインターセプトも素晴らしい。
シティ好きです。
記事作成いつもありがとうございます。玄人の方でも自分のような素人でもためになる記事ばかりだと思います。
気になる事はやはり人気ないのかシティのコメント少なめですよね…。あれだけいい試合したのに2つとは。
そのせいか、こちらにもCL最新のシティの試合レビューはないですね、他と前後しますがこれからなのでしょうか。
催促してる訳ではありませんが、これからもよろしくお願いいたします。
シティ大好きさん>
ありがとうございます。ヤヤは、フェルナンジーニョのバックアッパーであるとともに、フェルナンジーニョやギュンドアンと並べるオプションも想定しているのではないかと思います。確執はないんじゃないでしょうか。今のマン・シティはいい雰囲気ですよね。
坊主21さん>
ダヴィド・シルヴァとデブライネは守備もいいですよね。後ろから長いパスが前線に入ると、ペップとシャビ・アロンソがいた頃のバイエルンを思い出します。
エキセントさん>
ありがとうございます。すみません。試合は見たのですが、他の試合の速報を書いているうちに週末になってしまいました。日付が過ぎると読んでいただけないかなと思って流してしまったのですが、マン・シティはずっと気にしてますので、次戦以降また書きたいと思います。ぜひ、読んでいただければ。今後ともよろしくお願いいたします。