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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Swansea×Arsenal】ストライカーにシュートなし…狙い不明確なアーセナルは最下位に完敗!

最下位とはいえ、前節でリヴァプールを倒したばかりのチームは侮れません。プレミアリーグ25節、スウォンジーVSアーセナル。注目のムヒタリアンはベンチスタート、移籍が取り沙汰されているオリヴィエ・ジルーもサブのメンバーに名を連ねています。アーセナルのスタメンをチェックしてみましょう。GKチェフ、最終ラインはベジェリン、ムスタフィ、コシールニー、モンレアル。アンカーにエルネニーが入り、両脇にジャカとラムジー。エジル、ラカゼット、イオビが前線に入る4-3-3のようです。雨のリバティスタジアムは、水を吸った芝がボールの勢いを止めています。パスはまわるものの、攻めのスピードを上げられないアウェイチーム。先にチャンスをつかんだのは、プレミアリーグ最少得点チームのほうでした。

7分、ネイサン・ダイアーが仕掛けたカウンターは、ゴール前でパスを受けたジョルダン・アイェウのシュートがDFに当たってCK。2分後、ワンツーでボックス右を突破したネイサン・ダイアーは、ファーサイドのモーソンめがけて速いグラウンダーをフィードしますが、ラムジーがよく戻ってカットしました。15分に縦のスルーパスで抜け出しかけたクルーカスは、エルネニーの必死のスライディングに阻まれシュートを打てません。キ・ソンヨンのミドルは惜しくもポストの左。20分までは完全にスワンズペースです。

27分に右から仕掛けたスワンズの速攻は、ファン・デル・ホールンの折り返しをコースに入ったエルネニーがクリア。レッズ戦でゴールを決めているモーソンが左45度から放ったシュートは、チェフの指先を抜けて右に外れていきます。30分、ようやくアーセナルがチャンスをつかみます。左にいたジャカからエルネニー、ラカゼットとテンポよくつながり、9番がイオビに落とすと、左足の一撃はファビアンスキがセーブ。アーセナルの素晴らしい先制シーンは、この直後でした。

右から逆サイドのラインの裏に落とす完璧なラストパスは、さすがメスト・エジル。走り込んだモンレアルがスパイクの裏で押し込み、これで流れが変わるかに思われました。しかし1分後、エジルが自陣でロストしたボールがモーソンにつながると、左から走ったクルーカスに絶妙なスルーパス。チェフと1対1になったクルーカスが冷静に流し込み、スコアはイーブンに戻りました。40分、ハーフラインの手前から単独のドリブルで攻め上がったフェルは、シュートがうまくミートしません。43分、エジル、イオビと左でつながり、グラウンダーをキ・ソンヨンがクリアすると、拾ったジャカの強烈な左足はクロスバーの上。前半は1-1、終始押されていたアーセナルに、早期の新戦力投入はあるのでしょうか。

後半もカウンター狙いのスウォンジー。50分に右サイドのノートンがアーリークロスを入れると、ヘディングで競り勝ったクルーカスはうまくコントロールできず、ボールは左に逸れていきます。57分、右から斬り込んだエジルがイオビをポストに使って放ったシュートは、ファビアンスキの正面。右サイドから執拗に攻めるガナーズは、ラストパスが中に合いません。60分にエルネニーが下がり、いよいよヘンリク・ムヒタリアンの登場です。しかしこの直後、ムスタフィのバックパスを蹴ったチェフが信じられないキックミスを犯し、プレゼントを受けたジョルダン・アイェウが難なくダイレクトボレーを流し込みました。

プレミアリーグに来てからの1年半は、真価を発揮したとはいえないアルメニア代表MFは、劣勢の試合を変えることができるでしょうか。71分、ムスタフィのクリアをさらったネイサン・ダイアーがフリーで左足を振り抜くと、右のポストすれすれを抜けてガナーズは命拾いします。76分、イオビが下がりジルー登場。負傷で戦列を離れていたストライカーは、7試合ぶりのプレミアリーグです。左右からクロスを入れるガナーズに対して、スワンズの守備陣はしっかりスぺ―スを埋めて対応。86分、スワンズは速攻1発で3点めをゲットし勝ち点3を確かなものにしました。右サイドにいたアイェウが、ムスタフィを引き連れてゴールライン際を進むと、ようやく触ったCBのキックはクルーカスへのアシストになってしまいました。右足のボレーが突き刺さって3-1。プレミアリーグ最下位チームが、リヴァプールに続いてアーセナルを撃破しました。

2ゴールのクルーカス、アイェウ、ネイサン・ダイアーがアグレッシブに仕掛け、数少ないチャンスをシュートにつなげていたスワンズに対して、ガナーズは攻め方が曖昧で、精度の低いクロスをことごとくカットされるだけに終わりました。決定機はエジルの超絶パスが通ったゴールシーンのみ。ストライカーを2枚にしたのに1本もシュートを打てなかったのは、フィニッシュまでのアプローチを共有できていなかったからでしょう。チェフの致命的なミスが決勝点となりましたが、あのプレイがなくても結果は変わらなかったのではないかと思いました。スペースを創る動き、チェンジ・オブ・ペース、ゴール前へのスプリント…ボールを持っていない選手の動きの質が勝負を分けた一戦でした。

ムヒタリアンは、決定的な仕事はできなかったものの「ジルーを入れたチームの狙いに忠実にプレイしていた」とはいえるのではないでしょうか。一瞬の速さでフリーになれるアタッカーは、チームにフィットすればゴールに絡むプレイが増えるはずです。問題は、間に合うかどうか。7敗めを喫したアーセナルは、プレミアリーグ4位のリヴァプールと8ポイント差です。(サム・クルーカス 写真著作者/dom fellowes from UK)

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“【Swansea×Arsenal】ストライカーにシュートなし…狙い不明確なアーセナルは最下位に完敗!” への4件のフィードバック

  1. ちゅん より:

    どうしてアウェイマッチになるとパフォーマンスがこんなにも落ちるのか理解ができません。
    試合を通してラカゼットにまったくいい形でボールが入らず、ただブロックの外を回すだけ。
    シティのようにサイドの高い位置でもらって、そこからニアに抜ける形もまったく見られない。
    今日はラムジーにその役割を期待してただけに、落胆していましたし、まず交代させるべきはラムジーのように思いました。
    オーバメヤンが来るかどうかまだわかりませんがそれで解決されるような問題でも無いと思います。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    試合見て思ったのはよく3点で済んだなってことです。
    アウェイとはいえあれだけ決定機を作られる守備のもろさはひどいです。
    オーバメヤン補強する金でDMFとCBの2人補強したほうが絶対いいと思うんですが。
    エンゾンジ取るっていう話はどこに消えたのやら。

  3. どーん より:

    ここにオーバメヤンが来て何か変わるんですかね笑
    あんなスカッとしてる中盤じゃあELが精いっぱいですよ。
    ユナイテッドが安定感が増して以前の姿に徐々に復活してきたのは中盤にポグバやマティッチのようなトップクラスの選手を連れてきて土台を作ったからであってトップクラスのアタッカーを掻き集めたからではありません。
    今のアーセナルはサンチェスが抜けても連携のとれた攻撃で点がしっかり取れる力があるのでCB、DMFにお金を掛けて土台を作ることを優先すべきです。

  4. デリック より:

    ジャックはどこに行ったんでしょうか?
    ジャックがいないとというか、ラムとジャかだと厳しいですよね、、、
    ムヒタリアンは要所で今いるメンバーよりは可能性を感じましたね。
    ELを狙うしかないかなあ

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