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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Everton×MAN.CITY】7ヵ月で築かれた圧倒的な力の差…エヴァートン、マン・シティに惨敗。

プレミアリーグ2節のエティハドでドローに終わった相手ですが、マンチェスター・シティは開始15分で勝負を決めてしまいました。グディソン・パークでは9勝2分5敗と勝ち越しているエヴァートンは、トスン、カルヴァート=ルーウィン、ルーニー、ボラシェ、ウォルコットが揃い、先にゴールを許すとやっかいです。対するアウェイチームの11人は、エデルソン、カイル・ウォーカー、コンパニ、オタメンディ、ラポルテ。フェルナンジーニョ、デブライネ、ダヴィド・シルヴァ、ガブリエウ・ジェズス、サネ、スターリング。今季プレミアリーグで21ゴールを決めているセルヒオ・アグエロの不在以外に、懸念材料はありません。

4分、先制ゴールをあっさり決めたのはレロイ・サネ。ショートコーナーからの波状攻撃で、軽快なテンポでパスをまわしていたマン・シティは、ダヴィド・シルヴァが左のラポルテに預けたのを合図に一気に加速しました。リターンをもらったプレーメイカーがボックス左から上げたクロスはパーフェクト。ファーサイドにいたサネは、左足のきれいなボレーをゴール右隅に沈めました。反撃に出たエヴァートンは、11分に決定的なチャンスを迎えます。縦パスに反応して右サイドを走ったカルヴァート=ルーウィンにオフサイドの笛は鳴らず。右足の折り返しは、真ん中から上がってカイル・ウォーカーの前に出たボラシェにぴったりでしたが、頭を突き出したヘディングはクロスバーを越えてしまいます。

このゴールキックから、マン・シティが追加点を奪います。センターサークルでもらったサネが右のデブライネにつなぐと、エヴァートン守備陣の帰陣が遅れて2対1。プレミアリーグアシスト王が軽く浮かしたボールがガブリエウ・ジェズスに通り、強烈なヘッドにピックフォードは触るのが精一杯でした。さらに攻めるアウェイチーム。16分にはサネのパスを受けたダヴィド・シルヴァがボックス左を突破し、ジャギエルカをかわして放ったシュートは惜しくもニアポストの外。直後にスターリングがボックス手前から放ったコントロールショットは、右のポストの脇を抜けていきます。18分にウォルコットが倒され、レイトン・ベインズが蹴ったFKはカーブがきつすぎて右にアウト。この後もマン・シティが美しいパスワークでボールを支配し、エヴァートンのトスンは30分を過ぎても何もできません。

32分、スターリングが遠めから狙った一撃は、ジャギエルカが足に当ててクロスバーの上。1分後、スターリングが中央を切り裂いてダヴィド・シルヴァに預けると、左足でクロスに放ったシュートは惜しくも外に切れていきます。37分、エヴァートンの攻撃をさばいたアウェイチームの見事な速攻が決まりました。ダヴィド・シルヴァを縦に走らせたフェルナンジーニョのスルーパスが秀逸。21番のグラウンダーがファーのスターリングに通り、イージーなボレーにイングランド代表GKもなす術なしです。0-3、グディソンパークの空気は弛緩しています。ハーフタイムの後も、アウェイチームのペース。52分にカイル・ウォーカーが右サイドを完全に崩したチャンスは、グラウンダーがガブリエウ・ジェズスに合いませんでした。

56分のフェルナンジーニョのミドルは、コールマンに当たってコースが変わるもピックフォードが体勢を立て直してセーブ。ルーニーがトム・デイヴィスに代わった後、63分にエヴァートンが一矢を報います。右のトム・デイヴィスがカルヴァート=ルーウィンにつないで左にいたボラシェに渡ると、ニアに打ったミドルシュートがポストを叩いてゴールイン。素晴らしい一撃でしたが、勝ち点を得るためにはもう2点必要です。66分、CKで競り勝ったジェンク・トスンのヘッドはポストの左。1月の入団以来、プレミアリーグ8戦4発のトルコ人ストライカーの合流がもう半年早ければ、オランダ代表監督ロナルド・クーマンは、今もマージーサイドにいたかもしれません。

右足でカーブをかけてきわどいミドルを放つフェルナンジーニョが目立っているのは、アウェイチームに余裕がある証拠です。カルヴァート・ルーウィンとトスンを下げ、19歳のバニンギムとニアッセを投入したアラダイス監督は、2点差を詰められずにタイムアップの笛を聞きました。2節のエティハドで引き分けたときは、両者とも1勝1分。大型補強でTOP6の一角を崩すのではないかといわれていたエヴァートンのほうが、選手起用がうまくはまっていなかったペップのチームよりも明るい未来が見えていたのではないかと思います。あれから7か月。エヴァートンの勝ち点を2倍にしても、首位には届きません。圧倒的な力の差があった一戦を見て、チームづくりで戦績が天と地ほど変わるフットボールの怖さをあらためて思い知りました。

ミッドウィークにリヴァプールとのCL準々決勝があり、週末には勝てば優勝決定のマンチェスターダービーが控えているマン・シティ。レッズに大敗してマン・ユナイテッドに勝利となれば、残り7試合がすべて消化試合となってしまいます。濃密な1週間の結果はいかに。今の彼らが敗れるシーンは想像できませんが…。

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“【Everton×MAN.CITY】7ヵ月で築かれた圧倒的な力の差…エヴァートン、マン・シティに惨敗。” への4件のフィードバック

  1. ペップの街 より:

    更新お疲れ様です。なんか、3点取るのが当たり前のチームになってしまいましたね。濃密なウィークへの対応は、リヴァプールという関門に集中するでしょうね。お互い超攻撃的なチームですから点の取り合いになるかもと予想してしまいますが、守備に関してはシティの囲い込みが機能すればシティ有利かな?うーむ、ついポジショントークになってしまいます。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    引いた相手を崩すのはシルバがいるといないのでは大違いですね
    32歳とは思えないぐらいキレキレな動きでした

  3. シティふぁん より:

    2点目には驚きました
    エデルソン、サネ、デブライネ、ジェズスと繋ぎゴールが生まれました
    こういう形を練習からやっているのがわかります
    この試合以外にも点を取るためのパターンがいくつかありますね

  4. ペップの街 より:

    モウさんは「A→B,B→C,C→Dのような攻撃はしない。ユナイテッドの攻撃は自由度が高い」と主張しました。確かにシティの攻撃には練習で熟成させたパターンはあると思います。しかし、パターン自体が豊富だし、そこに絡むプレーヤーもその度にかわるので、より自由で創造的な攻撃が展開されていると思うのですが。

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