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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Huddersfield×Arsenal】楽しかった23年、「Merci Arsene」。

公式戦1235試合、828試合を戦ったプレミアリーグは、476勝199分153敗。アーセン・ヴェンゲルのアーセナルというひとつの時代が、終焉を迎えました。ハダースフィールド・タウンの本拠地ジョン・スミス・スタジアムは、キックオフ前からいい雰囲気でした。開始直後に、ハデルジョナイのクロスをムニエがヘディングで合わせると、オスピナがビッグセーブ。空を見上げると、「Merci Arsene」のバナーをはためかせたプロペラ機が飛んでいます。オスピナ、ベジェリン、ホールディング、ムスタフィ、コラシナツ、ラムジー、ジャカ、イオビ、ムヒタリアン、ラカゼット、オーバメヤン。最後の11人には、エジル、チェフ、ウィルシャー、コシールニーがおらず、3バックだった今季プレミアリーグ開幕戦とは別なチームです。

11分、最終ラインの裏に出たプリチャードが縦パスに反応し、ボックス右から折り返すと、フリーで走り込んだトム・インスの決定的なボレーは大きく浮いてしまいます。17分、ダイレクトパスがテンポよくつながるガナーズらしいアタックを見せますが、ラムジーがコントロールミス。ドリブルで2人をかわしたコラシナツが倒されて得たFKは、ミキが壁にぶつけてしまいました。

22分、赤と青のサポーターが一斉に立ち上がり、盛大な拍手。スタンドには「Merci Arsene」という赤い文字が掲示され、22年間の素晴らしい業績を称えます。ガナーズの指揮官は立ち上がって両手を挙げ、イングランド人たちの大きな愛情に応えました。試合は淡々と進み、CKのこぼれ球を枠に押し込めなかったコラシナツは、悔しそうな表情を浮かべています。30分、左からのボールを胸でトラップしたミキが右足を振り抜くと、惜しくもポストの左にアウト。押されていたガナーズが先制したのは、37分でした。

ラカゼット、ミキ、ラカゼット、ラムジー、最後はオーバメヤン。美しいパスワークで左から崩したアタックは、まさにガナーズ。1月に入団したオーバメヤンは、たった13試合でプレミアリーグ10ゴールの大台に乗せてしまいました。前半は0-1。2018年のプレミアリーグでアウェイ未勝利&7連敗中のガナーズが、1点リードで後半に向かいます。

開始早々から、アグレッシブに攻めるホームチーム。左右からのクロスはことごとくガナーズ守備陣に跳ね返されますが、ひるむことなく徹底的にサイドアタックです。イオビ、ラムジー、コラシナツと縦につないだ58分の左サイド攻略は見事でしたが、グラウンダーが中に合わず。60分にムーイのパスを受けたトム・インスが、左に流れて鋭いシュートを放ちますが、オスピナが素晴らしいセービングを見せてCKに逃れました。アーセン・ヴェンゲルの時代を締めくくる最後のゴールは、最後に獲得したストライカーの一撃となるのでしょうか。オーバメヤンとコラシナツが下がり、ウェルベックとモンレアルがピッチへ。ハダースフィールドが一方的に攻める展開が続き、残り時間は20分を切りました。

ヴェンゲル監督最後のカードは、72分にイオビをメートランド=ナイルズ。75分にボックス左に侵入したラムジーは、シュートを打ち切れず。ブリティッシュ・コアといわれる選手のなかで、主軸となったのは彼だけだったな…とあらためて思いました。79分、速攻を仕掛けたミキがラカゼットに完璧なラストパスを通すも、ループシュートはレッスルがあっさりキャッチ。81分、ハーフラインを過ぎたあたりからウェルベックが単独で持ち込み、GKと1対1になりますが、レッスルがコースを切って追加点を許しません。

87分、左からのクロスをハデルジョナイが落とすと、後ろからのボールをミートしたムーイのボレーは、クロスバーにヒット。追加タイムは、3分しかありません。93分の左からのFKに合わせたデポワトルのヘッドは、オスピナがビッグセーブ!アーセン・ヴェンゲルの22年にわたるプロジェクトの終わりを告げる笛の音は、この後すぐにピッチに響き渡りました。

楽しかった。1995年、応援していた名古屋グランパスに彼が来てからの23年は、ただただ楽しく過ぎた時間でした。今はぼんやりとしか感じられない喪失感は、アーセナルのいないEL決勝を目にする頃から、くっきりとした輪郭を描き始めるのでしょう。「Merci Arsene」。あなたが築き上げたコンセプチュアルなチームを、忘れることはありません。バルサとのCLで勝っていれば、レスターに競り勝って優勝していれば、リヴァプールとのバトルを制してプレミアリーグ4位を死守していれば…無数の「たら・れば」が頭のなかを支配し、現実をうまく受け取ることができません。2017-18シーズンが終わりました。アーセン・ヴェンゲルが舞台を去っても、いつものようにプレミアリーグは続きます。

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“【Huddersfield×Arsenal】楽しかった23年、「Merci Arsene」。” への3件のフィードバック

  1. stotina より:

    更新おつかれさまです。
    そして、いつものように、われわれグーナーの思いを美しく代弁してくださりありがとうございます。

    ラストゲーム、押される時間帯がほとんどでしたが、ゴールシーン含め、ヴェンゲルさんの築いたスタイルが随所に見られる試合でした。
    いたずらに感傷的にならず、いつも通り淡々と職務を果たす姿から、契約を全うできなかった悔しさを感じたりもしました。
    あくまでスタイルを貫き通す佇まいはただただ誇り高く、われらがボスは最後まで頑固な、愛すべき人物であり続けてくれました。
    あなたのチームをサポート出来て本当に良かった。
    そして、本心を吐露すれば、もっともっとサポートし続けたかった。
    「We will miss you too」のバナーが飛んでいましたが、ボスがホーム最終戦で発したこのsimple wordsは、我々の胸に去来する思いでもあります。

    ファンとしては、今少し感傷に浸り、新しいシーズンも楽しみにしたいと思います。

  2. makoto より:

    stotinaさん>
    前回いただいたコメントとセットで、お返事しますね。チェンバレンは、クロップさんのインサイドMFにぴったりはまったことと、今のレッズのほうがユーティリティを求められることが多く(3トップとインサイドMFの両方で起用、引いて速攻と前からプレスを使い分け)、彼の特性が活かしやすかったのだと思います。監督や戦術によって、選手は変わりますね。

    ヴェンゲルさんのラストゲームは、時折見せるダイレクトパスを使った速い崩しがいかにもアーセナルらしく、テンションが上がりました。今まで1200試合以上も観てきたのに、もっと観たくなります。寂しくなりますが、新しいガナーズに期待しましょう。化ける選手、もっとよくなる選手はいると思います。オーバメヤン&ミキ&エジル、メートランド=ナイルズ、コラシナツ、マヴロパノスが楽しみです。

  3. Macki より:

    0708シーズンのアーセナルに魅了されグーナーになって早10年あまり、ヴェンゲル監督のアーセナルしか知らない自分にはヴェンゲル監督のいないアーセナルを想像できません。
    近年の成績を見れば契約満了出来ずに解任というのも致し方なかったのかもしれませんし、変化が必要だったのかもしれません。

    今ではアーセナルは自分の人生の一部であり、生活の一部です。
    そうさせたのもヴェンゲル監督が作り上げた見てて楽しく美しいサッカーです。
    新しい監督には守備の再構築はもちろんですが、攻撃的なサッカーは継承してもらって欲しいと思ってます。
    オバメ、ラカ、ムヒ、エジルという連携さえ積めばプレミア最強のユニットになる可能性を秘めた選手がいます。
    守備さえ良くなればまたCLには帰ってこれるでしょう。
    ヴェンゲル監督が去るのは悲しいですが、新しい監督がどういうサッカーを見せるのかも楽しみにしてます。

    長々書きましたが、最後に一言。

    ヴェンゲル監督、お疲れ様でした。

    —–
    更新ご苦労様です。アーセナルにおけるヴェンゲル監督の時代が終わりましたね。ハダーズフィールドの22分過ぎに行われた拍手は最高でした。相手をリスペクトする気持ちはいいですね。

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