イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【MAN.UTD×Watford】ありがとうキャリック!ラストマッチで魅せた絶品ロングフィード!

今日は、彼を見つめていようと心に決めていました。マイケル・キャリック、ラストゲーム。プレミアリーグ2017-18シーズン最終節の舞台は、戦い慣れたオールド・トラフォード。ワトフォード戦のスタメンには、コーチとしてクラブに残るセントラルMFだけでなく、この日が最後の赤いユニフォームになりそうな選手たちの名前があります。ダレイ・ブリント、マッテオ・ダルミアンは移籍するでしょう。マタ、ロホ、ベンチのルーク・ショーの未来も不透明です。プレミアリーグで2位に甘んじたモウリーニョ監督は、シーズン終了後に思い切ったチーム改革を進めるのではないでしょうか。

開始18秒、最終ラインの手前までボールをもらいにいったキャリックが、前線のラシュフォードに素晴らしいロングフィードを出しました。カバセレと競り合って転倒したストライカーは、笑顔でOKサインを送っています。5分にマクトミネイが自陣でインターセプトを喰らいますが、CBが冷静に対応して事なきをえます。8分に右サイドを突破したデウロフェウのグラウンダーは、出る瞬間にコースに入ったキャリックがカット。12分のCKがファーに流れた後、ラシュフォードが思い切りよく放ったミドルシュートは、クロスバーを越えていきます。

21分、足を痛めたカバセレがマリアッパに代わりますが、ワトフォードは攻勢をキープ。キャリックは、味方の背後をカバーする仕事に追われています。32分にCKのこぼれ球をダイレクトで叩いたロホのボレーは、左にアウト。34分の先制ゴールは、もらいやすい位置でCBからのボールを受けたキャリックが、振り向きざまに最終ラインの裏に通したロングフィードからでした。GKゴメスと向き合ったマタが引きつけて横に流すと、フリーのラシュフォードは無人のゴールに転がすだけでした。

40分の速攻で、アレクシス・サンチェスを走らせたパスも的確。今季プレミアリーグで24分しかプレイしていない選手とは思えない判断スピードです。44分、ヤンマートのクロスをフリーで叩きつけたリシャルリソンのヘッドは、ロメロが左手に当てるビッグセーブ!デ・ヘアの控えにまわっているGKは、来季もいてほしいプレーヤーです。前半は1-0。後半開始直後のチャンスでバイタルエリアに上がったキャリックは、右足ミドルを相手にぶつけてしまいました。60分、アシュリー・ヤングに代わってルーク・ショー。ラシュフォードが左サイドで粘った久しぶりのチャンスは、ゴールライン際でキャスカートをかわしたアレクシスのファーへのクロスが、惜しくも味方に合いません。

スプリントするシーンはほとんどないキャリックにボールが集まるのは、もらえる位置を見つけるのが速いからです。適切なパスコースを瞬時に見極めるセントラルMFがいれば、動き出しが早いアレクシス・サンチェスはもっと活きるでしょう。77分にブリントが下がってエレーラ。2分後、最前線に入ったアレクシスにピンポイントで合わせた16番のロングボールは、鳥肌が立つ美しさでした。落としをもらったラシュフォードがこねてしまい、チャンスは潰えましたが、攻めに迫力を欠くしょっぱい試合において数少ない見せ場でした。

85分、ポグバの背番号が掲示され、キャリックのプレミアリーグが終わりました。オールド・トラフォードはスタンディングオベーション。来季のコーチは、ともに戦っていくモウリーニョ監督と抱擁をかわしています。レジェンドが起点となって決めた1点を、マンチェスター・ユナイテッドは守り切りました。試合後、マイクを渡されたキャリック。「昨年の顕彰試合でしゃべり過ぎたので、手短にするよ」。サポーターへの感謝、サー・アレックス・ファーガソンへの思い、そして自身の今後について、冷静に言葉を選びながら語ってくれました。

「選手、スタッフ、マネージャーを代表して、お礼をいいたいと思います。今季も応援していただき、ありがとうございました。アップダウンはあったけれど、2位でシーズンを終えることができました。ホームでもアウェイでも、信じられないぐらいチームをサポートしていただきました」「大切な思い出ばかりで、特にここでの出来事は、生涯忘れないと思います。フットボールをするうえで最高の場でした。世界で最も偉大なクラブでした。12年間サポートしていただき、本当にありがとうございました」
「サー・アレックス自身もご家族も、クラブにとっても大変な日々でした。きっと、どこかでこの映像を見てくれているか、あるいは僕が話したことを耳にするでしょう。サー・アレックスは、みなさんからのサポートに感謝しているはずです。1日でも早く、回復してほしいと願っています」
「今週から、私の役割は変わります。機会を与えてくれたジョゼに感謝しています。彼と働くのが今から楽しみです。いろいろなことを学びたいと思っています」
「今季はウェンブリーが最後です。われわれは、FAカップを持ち帰るために全力を尽くします。ありがとうございました」

最後にあなたらしいプレイを観ることができたことを、心から喜ばしく思っています。数々のいい思い出と興奮を、ありがとう。これからも、よろしくお願いします。ただしくれぐれも、無理をなさらず

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“【MAN.UTD×Watford】ありがとうキャリック!ラストマッチで魅せた絶品ロングフィード!” への3件のフィードバック

  1. 不知火 より:

    キャリックの後継者はきっと現れない。
    それくらい素晴らしい選手でした。

  2. ルタレック より:

    スパーズ時代、彼のロングフィードをバンバンとだしている姿をみてすごい選手が現れたなと思ってみてました。本当に綺麗で正確なロングフィードでしたね。ジェラード以上かも(笑)。 スパーズ時代の彼を見ているだけにユナイテッドに行ってから彼はロングフィードも少なくなりスパーズ時代の彼ではなかったように見えました。ユナイテッドの試合をそんなに見たわけではないですが。役割とか名門のプレッシャーなんですかね。リヴァプールも数々の選手が結果が出ず去っていますからね。

  3. タムコップ より:

    フィジカル全盛の時代に、キャリックの存在は稀有なものでした。
    ライバルチームに所属しているが故の嫉妬心もあるのですが、スパーズから移籍して10年≒ユナイテッドの過去10年として見てもベストディールだったのではないでしょうか?
    あの寸分違わぬピンポイントフィードと展開力は、練習だけでは絶対蹴れない、ひと握りの天才にだけ許された武器だと思うのです。
    コーチとして、第2のキャリックと呼ばれる選手を育ててくれることを願ってます!

コメントを残す