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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Norwich×MAN.CITY】オタメンディがミスを連発…今後に禍根を残す激痛の敗戦!

昨季プレミアリーグ王者が、チャンピオンシップから上がってきたチームに3発喰らって敗れるという結果は、ジャイアントキリングという表現がぴったりです。キャロー・ロードのノリッジVSマンチェスター・シティ。ポゼッションは31対69、シュート数は7対25とアウェイチームが圧倒したのですが、黄色いシャツが記録したオンターゲット3本はいずれもゴールでした。セットピース、カウンター、オタメンディの信じられないミスと、弱者が勝利を収めるための必須アイテムがすべて揃った衝撃の90分を、あらためて振り返ってみたいと思います。

GKエデルソン、DFカイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ、オタメンディ、ジンチェンコ。MFロドリ、ギュンドアン、ダヴィド・シルヴァ、FWベルナルト・シウヴァ、アグエロ、スターリング。今季プレミアリーグ6ゴールのアグエロと5ゴールのスターリングはいるものの、ラポルテが長期離脱で、デブライネはベンチスタートです。ペップはチャンピオンズリーグを見据え、プレーメイカーを温存したのだと思われますが、この判断がジャイアントキリングを演出する序章となったのかもしれません。

序盤のマン・シティに、異変は感じられませんでした。強いていえば、3分過ぎからノリッジにプレスをかけられ、オタメンディがシュティープルマンに奪われそうになったのが気になったぐらいです。しかしこれは、結果を知ったからこそ「あれが伏線だった!」といいたくなるシーンであり、ライブで観ていた際の感想は「窮屈なビルドアップが多い」「速いアタックが少ない」といった、「ときどきあること」のレベルです。18分、右からのCKをマクリーンが頭で合わせ、ノリッジ先制。ロドリとカイル・ウォーカーのポジションと役割意識は曖昧で、ニアに入られたのに気づいたときは、時すでに遅しでした。

長いシーズン、不慮の一発でビハインドを背負ったぐらいで騒ぐこともなく、「5時間前のリヴァプールもそうだった」「これで試合がおもしろくなった」という程度の気分でした。21分、右からのクロスのクリアを拾ったスターリングのコントロールショットは、アグエロの頭に当たって右にアウト。マン・シティのハーフコートマッチが続き、ノリッジはカットしたボールを味方につなぐことすらできません。28分、左サイドのスターリングが鋭いクロスをファーに送ると、走りこんだアグエロのヘッドはクロスバーの上。この直後、ゴールを決めたのはノリッジでした。

GKクルルからのボールを自陣で受けたブエンディアがボールを浮かしてロドリをかわすと、高いラインの裏に走ったマクリーンにジョン・ストーンズはついていかず、オタメンディの帰陣も遅れました。逆サイドにいたキャントウェルを見ていたカイル・ウォーカーが、マークを捨ててマクリーンをチェックしにいく最悪の展開。ラストパスをもらったキャントウェルの前には誰もおらず、14番は無人のゴールに流し込むだけでした。

2-0となり、胸騒ぎが芽生えたものの、31分にスターリングのヘッドがポストを叩いた瞬間、猛攻を仕掛ける昨季プレミアリーグ王者の3発逆転はリアルな未来だと思い直しました。46分、ベルナルド・シウヴァの正確なクロスがマークを外したアグエロに届き、完璧なヘディングシュートがゴール右隅に吸い込まれます。前半は2-1で終わり、私はマン・シティが勝つものと思っていました。45分で2ゴールは、彼らにとってさほど重いミッションではありません。しかし…。

致命的なミスが生じたのは、50分でした。ハーフライン手前でオタメンディがジョン・ストーンズへのパスをさらわれ、ショートカウンターからプッキにシュートを打たれた直後。エデルソンから預かったジョン・ストーンズが脇にいたオタメンディにパスを出すと、背後からの刺客に気づかなかったCBはあっさりボールを奪われてしまいました。殊勲のブエンディアは自分で打たず、中央にいたプッキへ。プレミアリーグ4戦5発の点取り屋は、エデルソンのグローブに当てながらも強引にねじ込みました。

追撃態勢に入った矢先のケアレスミステイクで、さすがのマン・シティもしびれました。ペップは57分にギュンドアンとダヴィド・シルヴァを下げ、ガブリエウ・ジェズスとデブライネを投入しましたが、両者が慌てて着替えていたのを見ると、想定よりだいぶ早かったのではないかと思われます。ノリッジが素晴らしかったのは、最強王者を前にして自分たちのスタイルを崩さなかったことです。ピンチでなければ希望のないクリアに逃げることなく、最終ラインから丁寧につなぎ、次のゴールを狙いにいっていました。焦るマン・シティはラストパスが単調になり、88分にロドリがプレミアリーグ初ゴールとなるミドルを決めただけに終わりました。

「彼らは何度も一緒にプレイしてきた。私たちには彼ら以外にCBがいないが、心配はない」「リヴァプールとのギャップは5ポイントになったけど、まだ9月だ。何をしろというのだ?おめでとうリヴァプール、あなたたちはチャンピオンだとでもいうのか?」。失点の原因となった2人のCBをペップはかばいましたが、CLのシャフタル・ドネツク戦や次節のワトフォード戦では、フェルナンジーニョが起用されるシーンがあるのではないでしょうか。

失点を最初の1発だけに留め、勝ち切らなければならない一戦でした。大金星のノリッジをリスペクトしつつ、ラポルテのリタイアが激痛であることを証明してしまったペップのチームの未来を憂いています。最下位ワトフォードとのホームゲームでは、さすがに負けないと思われますが、グディソンパークのエヴァートン戦が心配です。リシャルリソン、ベルナルジ、モイーズ・キーン、ウォルコットとスピードスターやテクニシャン揃いのチーム相手に、同じようなミスを繰り返せば失点必至です。

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“【Norwich×MAN.CITY】オタメンディがミスを連発…今後に禍根を残す激痛の敗戦!” への3件のフィードバック

  1. ペップの街 より:

    いやー、負けちゃいました。しかもフロックではなく、ノリッジの方が上回ってました。
    ちゃんとビルドアップして前線にも果敢に枚数をかけて、スピードもあったし、完敗でした。
    二連覇&三冠の覇者を相手にバスを停めることもせず真っ向勝負、何と素晴らしいチームでしょう。
    一方のシティは痛恨のミスがあったとは言え、守備陣の布陣に手を付けざるを得ないでしょう。シーズン序盤で先は長いです。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    びっくりした
    簡単に崩れるチーム作りはしてないと思ってたからラポルテがそこまで痛手とは思わなかった

  3. タムコップ より:

    ノリッジの2ゴール目のラストパスはプッキだったような…
    その前のスルーパスもスティーパーマンですね~

    —–
    ノリッジは強い、ただの昇格チームのレベルではないっすね。

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