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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Saints×Chelsea】またも若手がゴール&アシスト!アウェイで4発圧勝、強いぞチェルシー!

ポチェッティーノ、スールシャール、マルコ・シウヴァの停滞が話題になるなか、開幕戦でマンチェスター・ユナイテッドに4-0で大敗し、解任の噂もあったフランク・ランパードのチームが調子を上げています。カラバオカップ3回戦のグリムスビー戦を7-1で大勝した後、プレミアリーグ7節のブライトン戦で2-0と初めてのクリーンシート勝利。CLではアウェイでリールを1-2と下し、敵地セント・メアリーズに乗り込んだサウサンプトン戦は1-4圧勝で公式戦4連勝となりました。好調の要因は、タミー・アブラハム&メイソン・マウントの若手コンビの好調、トモリの抜擢とアスピリクエタの復調、中盤の連携強化といったあたりでしょうか。さっそく、8節のゲームを振り返ってみましょう。

GKケパ、DFアスピリクエタ、ズマ、フィカヨ・トモリ、マルコス・アロンソ。中盤はジョルジーニョ、カンテ、メイソン・マウントで、前線にウィリアン、タミー・アブラハム、ハドソン=オドイ。新監督にとって、9月22日のリヴァプール戦で復帰したカンテの存在は、誰にもまして心強いのではないでしょうか。最終ラインにリュディガーを欠いているものの、中盤から前はベストといっていい布陣です。

開始1分、ホイビュルクのパスをボックス手前で受けたレドモンドが、バーをかすめるきわどいシュートを放ちます。チェルシーの最初のチャンスは11分。アスピリクエタの速い縦パスでハドソン=オドイがボックス右に侵入すると、後ろでパスをもらったタミー・アブラハムが中央に持ち込み、吉田麻也をかわして左足シュート。GKガンが横っ飛びでキャッチしますが、プレミアリーグ7戦7発のストライカーは相変わらず好調のようです。

17分、自陣左でボールを奪取した青いシャツは、ハドソン=オドイが縦に長い浮き球をフィード。吉田麻也に競り勝ったタミー・アブラハムは、飛び出してきたガンを避けるべく、高く蹴り上げてボールを追いかけます。先に触ったのは吉田麻也でしたが、左足でクリアした位置はラインを越えていました。レフェリーがゴールラインテクノロジーの反応を示し、0-1。エースのプレミアリーグ8発めに続いたのは、7戦3発と結果を出していた20歳のアタッカーでした。

24分、浮き球の落下点に入ったベドナレクがロメウに頭で送ると、ウィリアンがインターセプトしてジョルジーニョとワンツー。ベドナレクとウォード=プラウズの間に割って入ったメイソン・マウントに短いパスが通り、抜け出した20番がニアにコースを見つけて右足で蹴り込みました。セインツの逆襲は30分。右サイドのヴァレリがジョルジーニョ、マルコス・アロンソ、メイソン・マウントを次々と抜き去ってボックスに入り、フィカヨ・トモリまでかわしてニアにグラウンダーをフィード。ズマの前に入ったダニー・イングスが左足でコースを変え、右に飛んだケパの指先に転がしました。

1点差に詰め寄られたアウェイチームは、40分に再び突き放します。マルコス・アロンソのパスが中央にいたカンテに届き、7番が右足を振り抜くと、ボールはホイビュルクにヒット。1歩右に動いたガンは逆を取られ、ネットが揺れるのを確認するしかありませんでした。45分にトモリのバックパスをダニー・イングスにさらわれたピンチは、ジョルジーニョが戻ってシュートをスライディングでブロックするファインプレーを披露。1-3で折り返したチェルシーは、後半も主導権を握り続けます。

49分にウィリアンが中央からドリブルで仕掛け、左で待っていたハドソン=オドイにスルーパスを通すと、18歳のアタッカーと対峙したガンが左足に当てるビッグセーブ。58分にFKを直接狙ったウォード=プラウズはうまく落とせず、クロスバーを越えたボールを渋い表情で見つめています。60分、左サイドにいたメイソン・マウントがハドソン=オドイを縦に走らせ、リターンを中に送ると、タミー・アブラハムのダイレクトショットはガンの守備範囲でした。

ショートパスが多かったサッリ時代より配球が多彩になったジョルジーニョと、右サイドに張り付くことを要求されなくなったカンテは、いずれも可動域が広がり、楽しげにプレイしているように見えます。75分にハドソン=オドイとメイソン・マウントが下がり、コヴァチッチとプリシッチがピッチへ。プレミアリーグで先発3試合と出番を得られず苦しんでいたプリシッチは、88分に見事なアシストを記録しました。バチュアイの縦パスを収め、右に持ってコースを作ってからラインの裏へ絶品リターン。完全に抜け出したバチュアイがガンの股間を抜き、ビッグ6唯一の圧勝ゲームを締めくくりました。

開幕当初は空中分解もあるかと心配しましたが、若い選手たちが早期に結果と自信を手に入れ、主軸のオートマティズムも高まっているように感じます。「速くゴールに迫る」ランパードスタイルが順調に浸透しているのでしょう。守備はまだまだ改善が必要ですが、リヴァプールに迫る攻撃力を手に入れつつある新生チェルシーが、2強にどこまで迫れるかに注目しています。

ロフタス=チーク、ジルー、リュディガーの復活、プリシッチのフィット、カラム・ハドソン=オドイのブレイク、ロス・バークリーの開眼など楽しみも多いですね。うらやま…いや、彼らは彼ら、こっちはこっち。プレミアリーグ2019-20シーズンはまだ8節、ひりひりするバトルはこれからです。(メイソン・マウント 写真著作者/@cfcunofficial (Chelsea Debs) London)

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“【Saints×Chelsea】またも若手がゴール&アシスト!アウェイで4発圧勝、強いぞチェルシー!” への9件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    最後に書かれたように、上積みできる部分がまだまだいくらでもあるのが何よりファンとして楽しいところです!
    特にキープ力があって上背があるMFという現在のスカッドにいないタイプであるチークの復帰は楽しみ!

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    ここ数年で一番楽しく観戦できてます。
    エイブラハムのGKへのプレスを怠らないのが地味に好き。
    それと、FKの壁でアスピがグラウンダー対策で寝転がってたのが少しおもしかった。

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    アロンソが調子良いのでエメルソンとのスタメン争いも面白そうです。
    セットプレーの守りもマンツーマンを取り入れて結構良くなったんじゃないでしょうか

  4. ワルテル より:

    プレミアリーグ大好き!さんの視点や感想が共感できることばかりです。とくにチークが戻ってきたらMF陣は盤石ですが、スタメン争いが相当悩ましい。 
    とはいえ、試合はどれも凡ミスが多く紙一重だと思っています。エイブラハムとマウントとトモリが、いきなりフィットして結果出したことがラッキーというか、想定以上の好結果なので。とにかく、1試合ごとに課題をクリアできるようにして、かつ、ソリッドな攻撃とパターンをふやしてもらい、ランパード体制で、CL権獲得できたらものすごいシーズンだと思っています(開幕前はランプス即解任、トップ4不可能みたいな雰囲気もあったので)。

  5. プレミアリーグ大好き! より:

    若手勢が好調ですが、それに刺激されているのか、
    ウィリアン、ジョルジーニョも良いパフォーマンスですね
    これだけ攻守に走り回る二人を見ていると良いチームになったなと感動です

  6. n より:

    ウィリアンのバイタルエリアでの仕掛けと、後半も全力でチェックに行く姿勢が効いていました。ジョルジーニョのカンテ化?カンテのランパード化?のような中盤の迫力が増してきましたし、かなりいい方向ですね。相手の決定機を抑えきれないズマのポジションを代われる選手がいるといいのですが、、

  7. ワルテルFC より:

    リュディガーとエメルソンが復帰・復調すればもう少し安定するでしょうね
    今3バック中心にしてるのはアロンソSB起用時の脆さが大きいと思いますし
    トモリがクリステンセンとズマを抑えてレギュラーを取れるかどうかが楽しみです

    しかしジョルジーニョは本当に素晴らしいですね、まさにプロの鑑です

    —–
    ウィリアン、エースの移籍で「おいらが引っ張る」と言わんばかりの活動量ですね。怪我だけ怖いし、休み挟ませてフレッシュな状態保てたら、一年駆け抜けそう。nさんが仰る「カンテのランパード化」は言い得て妙ですね! こんなに攻撃センスもあるとは。ジョルジーニョにはただただ詫びるだけです、こんなにやってくれるとは想像できませんでした…

  8. プレミアリーグ大好き! より:

    あとはセットプレーの守備が課題と言われてきましたが、今回ゾーンディフェンスからマンツーマンにするという大きな変化がありましたね
    その結果ウォードプラウズやイングスのようなセットプレーの名手を要するセインツにセットプレーでは無失点
    これは大きな成果だと思います
    ズマのような身体能力に優れたCBがいるチェルシーにはマンツーマンの方が良い気がします

  9. ワルテルFC より:

    プレミアリーグ大好き!さん、なるほどです!
    ズマ、リュディガーなら確かに高さと強さは足りる感じですね。意外とズマは好きな選手なので、予測力不足やポカもあるけどレギュラー争いを勝ち取れたら、いいんですが。まあ、しばらくは勝つなら3-2みたいな打ち合いでしょうか。去って行ったアケと、トモリの低身長CBコンビも見てみたかった。

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