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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Aston Villa×MAN.UTD】クロス依存、守備は混乱…ブルーノ不在のマン・ユナイテッド、必然の完敗。

嫌な予感はありました。ブルーノ・フェルナンデスはイエローカード5枚でサスペンデッド。ラファエル・ヴァランとアントニーは負傷リタイアで、ジェイドン・サンチョは発熱と伝えられていました。ワントップのクリスティアーノ・ロナウドは、プレミアリーグ9試合でわずか1ゴール。2列めのガルナチョとファン・デ・ベークは、今季プレミアリーグ初先発です。

対するアストン・ヴィラは、スティーヴン・ジェラード解任直後のブレントフォード戦を4-0で圧勝。絶好調ニューカッスルには歯が立たず、シュート3本で4-0の惨敗でしたが、チームには変化への期待感が満ち溢れています。マンチェスター・ユナイテッド戦は、セヴィージャからやってきたウナイ・エメリの初陣。つぎはぎだらけの攻撃陣で乗り込んできたチームは、解任ブーストの格好の餌食になるのではないかと恐れていました。

嫌な予感は、いきなり現実のものとなりました。開始7分、左サイドから中に入ったオリー・ワトキンスがジェイコブ・ラムジーに預けると、中央は2対2。裏を突かれたエリクセンとカゼミーロは戻れず、左に流れてラストパスをもらったレオン・バイリーに、リサンドロ・マルティネスは追いつけませんでした。

ボックス左から放った左足のシュートに、デ・ヘアは足を出すも触れず、ボールは右のサイドネットへ。1-0なら慌てることはないのですが、11分に喰らった2発めはさすがに厳しいビハインドです。ゴール右手前からのFK。ボールの前に立っているのはディーニュ、ブエンディア、ドゥグラス・ルイスです。おそらく蹴るのはリュカ・ディーニュでしょう。

ああ、ディーニュ。エヴァートン時代の2019年4月、4-0で惨敗したグディソン・パークで、デ・ヘアがパンチしたボールをダイレクトで蹴り込んだシーンは今も忘れられません。GKのエミリアーノ・マルティネスは、敵陣に入って相手の壁の前に立つ2人にポジションを指示しています。ボールに駆け寄ったのは、やはりディーニュ。左足のキックは、壁を越えて右隅に吸い込まれました。

テン・ハフ就任以降、前半に2点リードされたブライトン戦、ブレントフォード戦、マンチェスターダービーは、すべて追いつくことなく完敗でした。こういう展開になると、精度が高いボールを蹴れるブルーノ・フェルナンデスと、飛び道具となるアントニーの不在は致命的です。

前半終了間際、ルーク・ショーのミドルがジェイコブ・ラムジーに当たってコースが変わり、エミリアーノ・マルティネスの逆を取って2-1。淡い希望は、後半開始からわずか4分で打ち消されました。左からドリブルで上がったオリー・ワトキンスにリンデロフが引っ張られ、緩いグラウンダーが出た瞬間、中央はガラ空きでした。

フリーで走り込んだジェイコブ・ラムジーのシュートが右隅に決まり、3-1。この日のマンチェスター・ユナイテッドに、2点をひっくり返す力はありません。彼らのアタックは、確実性が低いクロスとロングフィードに頼りすぎでした。ロングフィードはトータル58本。24本のクロスのうち、味方に届いたのは4本です。

もらえるエリアに動けなかったファン・デ・ベークのボールタッチは18回。ブルーノ・フェルナンデスのプレミアリーグ12試合の平均は65.2回です。この数字だけでも、前線がいかに機能していなかったかがよくわかります。

クリスティアーノ・ロナウドは34分のダイビングヘッドしか見せ場がなく、ラシュフォードは沈黙。シュート8本のチームは、何もできずに敗戦を受け入れるしかありませんでした。直近の公式戦7試合で1失点と、守備は安定していただけに、いきなり喰らった2発が残念な一戦でした。最後に指揮官のコメントを紹介して、この稿を締めさせていただきます。

「前半と後半の立ち上がりで試合を失ってしまった。受け入れられない。われわれは、試合に対する準備ができていなかった。もっと鋭くなければならない。自分たち次第だったと思う。ボールをキープできず、開始早々に相手を走らせ、適切な組織を作れなかった。とりわけ守備ではルールを守れずに敗れてしまった」

「遠めからの速いクロスを、あまりにも多く送り込みすぎた。無理矢理な感が強く、その必要はなかった。クロスは、適切なタイミングで入れなければならない。たとえば前半、クリスティアン・エリクセンがファーポストでポケットに入ったクリスティアーノを見つけたとき。あれは正しい瞬間だった」

「この結果は、後退といえる。しかしこれはあくまでもプロセスであり、常に上昇できるわけではない。それはわかっている。挫折はときに経験するもの。対処しなければならない’」


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