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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【MAN.UTD×Saints】カゼミーロ1発レッド、スリップしたCBはセーフ、ガルナチョ負傷リタイア…!

事件が起こったのは、32分でした。ワンツーで中央から上がってきたのはカルロス・アルカラス。スライディングで奪い、すかさず前に出したカゼミーロがファールを取られました。アンソニー・テイラーが差し出した最初のカードはイエロー。26番はピッチに転がり、両チームの選手たちがレフェリーの元に集まっています。

VARの映像を見ると、カゼミーロの右足はボールに触れたインパクトで右にずれてしまい、サウサンプトンのMFの脛にスパイクの裏が入っています。ファーストタッチはボールで、故意ではない。しかし結果的に危険なタックルではある。右足を上げず、アウトに当てるようにして奪えれば問題はなかった…。

オンフィールドレビューから戻ってきたアンソニー・テイラーは、イエローを取り消すジェスチャーの後、胸のポケットから赤いカードを取り出して掲げました。うろたえ、うつむくMFをアントニーが慰めています。昨シーズンまで1発レッドがなかったベテランは、プレミアリーグで早くも2度めです。

アルカラスに謝罪し、下を向いてベンチに戻る18番に、オールド・トラフォードは激励の拍手。マンチェスター・ユナイテッドにとって、プレミアリーグ最下位のセインツは、3ポイントを計算できる数少ない相手だったはずです。ここまでのシュート数は3対5。順調とはいえなかったゲームのレッドカードは、大きなダメージです。

ラシュフォード、ヴェグホルスト、アントニー、サンチョ、ブルーノ・フェルナンデスが揃う攻撃的な布陣でスタートしたチームは、序盤からセインツの囲い込みに苦しみ、自陣でのミスが目立っていました。11分のカイル・ウォーカー=ピータースのミドルはデ・ヘアがキャッチ。最初のチャンスは、ブルーノとラシュフォードが左サイドで絡んだ16分でした。

縦のスルーパスで抜け出した10番が右隅を狙ったシュートは、バズヌが冷静にセーブ。24分、ワン=ビサカのクリアをカットしたプローが絶妙なクロスを中央に浮かすと、走り込んだウォルコットのヘッドは、デ・ヘアが素晴らしい反応で上に弾き出しました。

ルーク・ショーのサイドチェンジが右のアントニーに届いたのは27分。打つコースを作れなかったウインガーがファーに流すと、ブルーノがダイレクトで放ったミドルはバーを越えていきました。31分にルーク・ショーのクロスをフリーで受けたヴェグホルストは、手前でカットされると思ったのか、頭に当てただけでGKがキャッチ。事件が起こったのは、この直後でした。

カゼミーロが去った後、右隅を狙ったウォード=プラウズのFKは壁に当たって左にアウト。39分に右サイドからのFKをブルーノがファーに浮かすと、ヴァランのボレーはバズヌのビッグセーブに阻まれました。

レッドカードを受け入れるより難しかったのは、40分過ぎからの2つのジャッジです。ブルーノがカイル・ウォーカー=ピータースと接触して倒れたシーンも、ラシュフォードのクロスに対応したベラ・コチャンプが倒れ込みながらブロックしたシーンも、オンフィールドレビューをせずにノーファール。ブルーノは自分から引っかけた感がありましたが、スリップしたCBは…!

フットボールは、レフェリーのファイナルアンサーが絶対です。マンチェスター・ユナイテッドがクリーンなゴールシーンを見せてくれれば、思い出さずにすむシーンだっだと自分に言い聞かせるしかありません。テン・ハフ監督がヴェグホルストをマクトミネイに代えたのは、ハーフタイム手前の44分です。

0-0で折り返したホームチームは、49分にあわやオウンゴールというピンチを招きました。ラシュフォードをかわしたカイル・ウォーカー=ピータースの折り返しを、マクトミネイがクリアミス。ゴールライン際にいたワン=ビサカが蹴り出し、事なきをえました。54分のウォード=プラウズのFKは、クロスバーの淵に当たって外に出ていきました。

セインツの決定機は64分。ワン=ビサカの不用意なパスをインターセプトしたベラ・コチャンプが前線へフィード。独走したウォルコットは追ってきたリサンドロ・マルティネスを気にしたのか、左足のシュートがデ・ヘアが触れるコースに飛んでしまいました。67分のブルーノのミドルはバズヌがぎりぎりで触り、右のポストに当たって逆サイドに流れていきました。

その1分後、ショートコーナーからカイル・ウォーカー=ピータースが左足で打ったシュートも、ファーポストにヒット。73分にサンチョとアントニーを下げ、ガルナチョとペリストリを投入したテン・ハフ監督は、マグワイアとフレッジを投入した90分にガルナチョを諦めています。カイル・ウォーカー=ピータースのスライディングタックルはボールにいっていましたが、転倒した49番は右足を挟まれる格好となり、負傷してしまったようです。

激痛のスコアレスドロー、そしてカゼミーロのペナルティ。11人で戦えていれば、シュート数10対17というゲームにはならなかったでしょう。ラシュフォード、ヴェグホルスト、サンチョはそれぞれシュート1本。後半は、連携で崩す攻撃がありませんでした。

マンチェスター・ユナイテッドが残り12試合を全勝したとしても、アーセナルは7勝4敗で上にいけます。われわれのプレミアリーグは、TOP4をキープするための戦いとなりました。傷心の彼には、こんな言葉を伝えたくなります。「あなたはボールにいっていた。不運だった」と。


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