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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Arsenal×Chelsea】圧巻ジャカ&ウーデゴーア!サイドを制したアーセナルがダービー快勝!

マンチェスター・シティとの直接対決で完敗したアーセナルは、4戦連続勝利なし。ランパード就任以来、公式戦5連敗のチェルシーは、プレミアリーグでは6試合勝利がありません。34節のロンドンダービーは、巻き返しを図るチーム同士の対戦となりました。

とはいえ、アーセナルは昨季王者と1ポイント差の2位。後半戦で2勝しかしていないチェルシーは12位に沈んでいます。エミレーツに注目する多くのプレミアリーグファンは、アルテタの勝利を予想したのではないでしょうか。全勝でシーズンを終えたいガナーズの指揮官は、トーマス、ホールディング、マルティネッリをベンチに置いてリフレッシュしようとしています。

GKラムズデール、DFベン・ホワイト、キヴィオル、ガブリエウ、ジンチェンコ、MFジョルジーニョ、ウーデゴーア、ファビオ・ヴィエイラ、FWサカ、ジェズス、トロサール。対するランパード監督は、前線にオーバメヤン、スターリング、マドゥエケを並べて得点力不足の解消をめざします。

中盤はコヴァチッチ、エンソ・フェルナンデス、カンテ、最終ラインはチルウェル、チアゴ・シウヴァ、フォファナ、アスピリクエタ。指揮官の復帰初戦のウルヴス戦でうまくいかなかった4バックに、何らかの工夫はあるのでしょうか。序盤から高い連動性のプレスを見せるアーセナル。ジンチェンコはいつも通り、中盤センターにポジションを取っています。

ガナーズの最初の決定機は5分。ジョルジーニョが前線に出した浮き球をジェズスが競り、こぼれ球に反応したアスピリクエタが頭でケパに送ろうとすると、さらったジャカのシュートはGKに当たりました。引き続きポゼッションはアーセナル。ジョルジーニョは当たり前のようにボールを散らし、キヴィオルは問題なくゲームに入っています

ウードゴーア、ジェズス、ジャカと左につながった10分のアタックは、レフティのトラップが大きくなって打てず。自陣にこもって時折速攻を見せるブルーズは、ゲームプラン通りではないはずです。15分のショートコーナーから、左のトロサールがクロスを上げると、サカのヘッドはケパが左に反応してセーブしました。

ジェズスが左のジャカに出したのは18分。チェルシーはボックスに6枚を揃えていたのですが、コヴァチッチはボックスの入り口にいたウーデゴーアから目を離してしまいました。速いグラウンダーに応じたキャプテンのダイレクトショットが、クロスバーの下を叩いて1-0。20分に右サイドを突破したマドゥエケは、ラストパスを通せませんでした。

25分のカンテの素晴らしいパスで、ラインの裏に抜けたのはチルウェル。ドリブルでゴール前に持ち込んだ左足の一撃は、左に手を伸ばしたラムズデールのビッグセーブに阻まれました。31分の左サイドのパスワークは、ジンチェンコ、ジャカ、ジェズス、トロサール、ジャカ。中央をチラ見したジャカのグラウンダーは、ウーデゴーアの意図を読み切った怖ろしいボールでした。

直前までマークされていたプレーメイカーが、スターリング、チアゴ・シウヴァ、チルウェルの間に空いた小さなスペースに入ってくるのがわかるとは…!左足のボレーが右隅に決まって2-0。アウェイチームにとって激痛だったのは、34分の3点めでした。

右からファーにクロスを入れたのはベン・ホワイト。胸でトラップしたジェズスが脇にいたジャカに打たせると、こぼれ球が9番の前に浮き、冷静なボレーがケパの股間を抜きました。レッズとハマーズに2-0から追いつかれたガナーズですが、3点ならセーフティでしょう。今季プレミアリーグでチェルシーが3点を決めたのは、10月のウルヴス戦と3月のレスター戦のみです。

前半は3-0。古巣対決のオーバメヤンは、タッチ9回とパス6本という不本意なスタッツしか残せず、カイ・ハヴェルツに後を譲りました。チェルシーペースで始まった後半も、徐々にアーセナルが押し返しています。51分のCKにケパが触れず、ガブリエウのヘッドがゴールに向かいますが、ゴールライン上にいたチアゴ・シウヴァが掻き出して4点めを阻止しました。


1分後、サカの縦パスをジェズスが収め、ウーデゴーア、サカと右でつながった速攻は、中央に走り込んだジャカがフォファナを抜いて左隅にシュート。決定的なフィニッシュでしたが、右に飛んだケパがぎりぎりでCKに逃れました。56分にウーデゴーアの縦パスでサカがボックス右に出たシーンも、角度のないところからのシュートをケパが足に当てています。

57分のサカのミドルは、右にアウト。トロサールをマルティネッリは、指揮官のプランに書かれていた交代でしょう。63分にカンテが仕掛けた速攻はジョルジーニョに止められ、パスミスからのこぼれ球を拾ったマドゥエケは、GKを釣り出して入れたグラウンダーをカットされています。

65分、ジンチェンコの裏を狙ったマドゥエケにサイドチェンジを通したのはコヴァチッチ。GKの前に出たウインガーのシュートは、ガブリエウの足に当たってゴールに飛び込みました。71分にエンソ・フェルナンデスとスターリングが下がり、ムドリクとコナー・ギャラガー。前で機能するパサーの投入で攻撃を活性化しようとしたのなら、遅すぎる策といわざるをえません。

アルテタ監督は、マドゥエケのサイドを落ち着かせたかったのでしょう。74分にサカとジンチェンコを下げ、ネルソンとティアニーを入れています。84分にボックス右でフリーになったウーデゴーアのシュートは、ケパがニアを塞いでセーブ。失点したときに足を痛めていたガブリエウは、85分にホールディングと代わり、ジョルジーニョもトーマスとチェンジです。

追加タイムに左サイドをスプリントするムドリクを見て、ランパード監督は人選も戦術も間違えたのではないかと思いました。3-1、ガナーズ快勝。4バックはマルティネッリ&サカ対策だったのかもしれませんが、ジャカとウーデゴーアのインサイドMFコンビを元気にする布陣と化した感があります。

2アシストと2つのチャンスクリエイト、ドリブル成功2回、決定的なシュート3本。グラニト・ジャカのパフォーマンスは、入団以来最高レベルといったら大げさでしょうか。2点めを生んだグラウンダーは、ハイライトを見直しても絶句してしまいます。迷いなく強みを発揮していたチームと、戸惑いながら引いていたチームには、スコア以上の差がありました

勝ったガナーズは暫定首位に復帰。3ポイントを重ねながら、残り試合が2つ多いペップがつまずくのを待つ日々が続きます。30年ぶりの6連敗となったブルーズは、慣れている3-4-2-1に固定したほうがいいのではないでしょうか。負けるたびに戦い方を変える指揮官に必要なのは、明快さ、一貫性、胆力なのではないかと思います。


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