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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Nottingham Forest×Arsenal】トロフィーには届かず…しかしCL出場権を奪還した実り多きシーズン。

左SBはティアニーではなくジャカ、あるいはキヴィオルのようです。プレミアリーグ37節、ノッティンガム・フォレストVSアーセナル。ホームチームが勝てば残留が決まり、アウェイチームが勝てば優勝争いは続行です。アルテタ監督はトーマスとジョルジーニョを併用し、左のウイングにはトロサールを起用しています。

指揮官はトーマスをインサイドに置くのか、あるいはジョルジーニョと並べるのか。キックオフのポジションを見ると、トーマスは右サイドにいます。スタメンを書き直しましょう。GKラムズデール、DFトーマス、ベン・ホワイト、ガブリエウ、キヴィオル、MFジョルジーニョ、ジャカ、ウーデゴーア、FWサカ、ジェズス、トロサール。偽SBはトーマスのようです。

最初の5分は、サイドアタックを繰り返すホームチームのペース。ガナーズの最初のチャンスは、右サイドで短いパスがつながった11分のアタックでした。ウーデゴーアのパスを中央で受けたトロサールが、右にスルーパス。抜け出したジェズスのシュートは、GKナバスがコースを切って懐に収めています。

17分に右から蹴ったサカのCKに頭で触ったのは、セルジュ・オーリエ。ボールはファーに流れ、競ったジェズスのヘッドは浮いてしまいました。ウーデゴーアがバックパスをミスしたのは20分。カットしたギブス=ホワイトが中央から上がり、右のアウォニイにラストパスを出すと、読んでいたガブリエウがスライディングで先に触りました。

クリアして終わりかと思った瞬間、ボールはアウォニイの足に当たりゴールイン。リードされたガナーズは、早期にイーブンに戻さないとややこしくなります。27分の右からのCKは、後ろから走り込んできたトロサールの左足ボレーが左のポストの外。29分に放ったジェズスのミドルは体勢が崩れており、クロスバーを大きく越えていきました。

ポゼッションを取っているアーセナルは、ジェズスが縦パスを収められず、横につなぐパスが増えています。時折入るクロスは中央とタイミングが合っておらず、80%を超える支配率を記録しながらシュートは5本しかありません。序盤は中央でプレイしていたトーマスは、右サイドでは脅威になっておらず、孤立したサカは後方か横しか出すところがありません。

追加タイムのCKは、トロサールの右足ボレーがクロスバーの上。1-0で折り返したアーセナルは、戦い方を修正できるでしょうか。後半立ち上がりの47分、中央でFKを得たフォレストは、右に展開したボールをロディがニアにフィード。フェリペはダイレクトショットをうまくコントロールできず、ラムズデールが枠の外に押し出しました。

前半と同じパスまわしを続けるガナーズ。中盤にほしいのは、ファビオ・ヴィエイラの変化をもたらすパスか、スミス・ロウのアグレッシブなドリブルか。ジャカとトーマスが持ち味を発揮できないフォーメーションは、強引なクロスやミドルでしか決められなさそうです。

60分、ボックス右で浮き球を受けたサカのシュートは、ナバスがセーブ。63分にキヴィオルとジャカが下がり、エンケティアとティアニーが入っています。67分、ボックス左でベン・ホワイトから奪ったギブス=ホワイトは、角度が厳しくニアに外しました。81%のポゼッション率と8本のシュートというスタッツは、アウェイチームがいかに攻めあぐんでいるかを物語っています。

70分にトロサールが下がり、ファビオ・ヴィエイラがピッチへ。トーマスもエンケティアもファビオ・ヴィエイラも、強みを発揮できない時間が続いています。追加タイムに、ウーデゴーアがハーフライン付近でもらっているようでは、シュートチャンスは創れないでしょう。

残り20分を切ってからのシュートは、95分のウーデゴーアのミドルのみ。フォーメーションも人選も、ハーフタイムの過ごし方も交代策も、すべて間違っていたように感じられる厳しい展開でした。やがて8分の追加タイムが終わり、ノッティンガム・フォレストのプレミアリーグ残留と、マンチェスター・シティの3連覇が同時に決まりました。

トーマスのパス本数は107本、キヴィオルとティアニーを足しても47本。中央なら活きるMFは、右サイドで窮屈なパスを積み上げただけでした。全員が途中交代の左サイドは、足元、足元でクロス成功はゼロ。ティアニーを入れたとき、トーマスを代えてベン・ホワイトを右に出し、ジェズスを中央、左にエンケティアとしたほうが、決定機を増やせたのではないでしょうか。

一方、スティーヴ・クーパー監督と選手たちには、おめでとうと伝えたいと思います。30人も補強した経営ボードはクレイジーでしたが、15節まで最下位、34節に18位だったにも関わらず、指揮官を信じた胆力には敬意を表すべきでしょう。直近の5試合は、ブライトンとアーセナルを倒して3勝1分1敗。今季の新戦力がフィット感を高めるであろう2023-24シーズンが楽しみです。

レギュラーが揃った4-3-3は、プレミアリーグで最強レベル。しかしBプランはなく、サブの選手を活かし切れず…アーセナルの2位は、妥当なポジションでしょう。優勝という夢を見ただけに、悔しさが残るシーズンでしたが、CL出場権奪還というミッションを達成した実り多き1年ともいえるでしょう。

レギュラーのうち、8人が25歳以下の若いチームは伸びしろ充分。マネージャーとしての経験が3年半しかないアルテタ監督も、引き出しを増やすはずです。オフシーズンに戦力と戦術のクオリティをもう一段高めて、プレミアリーグと欧州の両方でトロフィーの夢を追えるチームになっていただければと期待しています。


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