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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Liverpool×Aston Villa】最後にスーパーショット!涙のフィルミーノ、センチメンタルな旅の終わり。

90分を終えて、1-1。10分という長い追加タイムは、彼らがアンフィールドを本拠地として戦う最後の時間です。何としても勝とうと鬼神のように走り回るジェームズ・ミルナーと、サイドにボールが出るたびにゴール前にスプリントするロベルト・フィルミーノ。情熱的なサポーターたちは、いつものハイテンションで、功労者の背中を後押ししています。

セットピースのたびに歓声のボリュームが上がり、時間を遣うエミリアーノ・マルティネスには容赦ないブーイングが浴びせられています。3ポイントを奪取しなければ、リヴァプールのTOP4フィニッシュは厳しくなります。6位ブライトンを1ポイント差で追いかけるアストン・ヴィラにとっても、勝たなければならない一戦です。

4本のCKはシュートにつながらず、ガクポとエリオットのミドルはエミリアーノ・マルティネスが懐に収めました。左右からのクロスは、ことごとくGKの守備範囲に飛んでしまい、そのたびにヴィラの守護神はペースダウンを図っています。100分にアーノルドが右から蹴ったFKも、ファン・ダイクの前でGKがキャッチ。間もなく笛が鳴り、レッズの連勝は7でストップしました。

スタンドで観戦していたクロップ監督は、タイムアップの瞬間に扉の奥に消えていきました。フィルミーノとミルナーの険しい表情は、この試合の意味を雄弁に語っています。感慨深い最後のホームゲームではなく、CL出場権を奪うための必勝の一戦であることを。抑えていた気持ちがこぼれ出たのは。ともに戦った選手たちとハグをかわした後、スタンドの盛大な拍手が自分に向けられていることに気づいてからでした。

ロベルト・フィルミーノは、拍手をやめないサポーターを見つめて泣いていました。

ベンチでキックオフを迎えた大事なゲーム。前半のリヴァプールは、苦戦を強いられました。マッギンの絶妙なロングフィードで、オリー・ワトキンスがコナテの裏を取ったのは20分。ボックス左で奪おうとしたCBは、ボールを押し出そうとしてストライカーの足を蹴ってしまいました。ジャッジはPK。しかしオリー・ワトキンスのキックは、右のポストの脇を抜けていきました。

ピンチを脱したレッズが先制されたのは27分。左からのロングスローから波状攻撃となり、レオン・バイリーのシュートのこぼれ球を拾ったドゥグラス・ルイスが絶妙なクロスを左に送りました。落下点に走り込んだジェイコブ・ラムジーのボレーはパーフェクト。前半をオンターゲットゼロで終えたレッズは、55分の同点ゴールをVARに取り消されました。

右にいたアーノルドが左足でファーに浮かすと、頭で折り返したのはルイス・ディアス。DFに当たってこぼれたボールをファン・ダイクがニアに送ると、コナテのシュートはゴールライン上のタイロン・ミングスにヒットし、マッティ・キャッシュに競り勝ったガクポが右足で蹴り込みました。映像で見ると、ルイス・ディアスが裏に出るのが早かったようです。

フィルミーノとミルナーがピッチに入ったのは72分。1分後にボックス左でチャンスを創った9番は、シュートチャンスを得られないまま、最終盤までの時間を無為に過ごしました。アンフィールドのサポーターを沸かせる最後のゴールが決まったのは、89分。右サイドのサラーが左足のアウトで入れた高速のクロスは最高のアシストでした。

直前から何度も飛び出すタイミングを計っていたフィルミーノは、身を投げ出すようにして右足のアウトで触り、ボールは右隅に吸い込まれました。レッズサポーターでなくても、泣いてしまいそうになるスーパーショット。マージーサイドで8年を過ごし、獲得できるトロフィーをすべて手に入れたストライカーは、いかにも彼らしい1発を物語のエピローグに添えました。

感情をコントロールしようとしているように見える37歳のイングランド人と、アリソンに肩を抱かれて涙を流す31歳のブラジル人。彼らの表情を最後まで見届けたくて、退団セレモニーが始まるのを待ちました。最初に登場したナビ・ケイタは、静かな笑みを浮かべています。負傷に悩まされ続けたギニア代表MFは、苦しい時間のほうが多かったのではないでしょうか。

2人めのミルナーは、ピッチの入り口で満面の笑顔。その顔を見た瞬間、こちらの涙腺が緩くなってしまいました。3人めのオックスレイド=チェンバレンは照れくさそうです。プレミアリーグを制した2019-20シーズンは、公式戦先発25試合とチームに貢献したのですが、その後の3年は出番を減らしてしまいました。

最後に登場したフィルミーノは、柔和な微笑を絶やさず仲間が創ったランウェイを歩いています。記念のパネルを手にクロップ監督と談笑し、撮影に応じた後は、家族とともに別れを惜しむ時間です。鳴りやまないアンフィールドのチャント。ずっと笑顔だったボビーは、一緒に戦ってきたサポーターたちと向き合うと、涙をこらえきれないようです。

ベストメンバーで戦えない日々が長かった苦しいシーズン。リヴァプールは、7年ぶりにCL出場権を逃すかもしれません。さまざまな感情が複雑に絡み合う、センチメンタルな旅の終わり。いろいろあれど、美しいゴールシーンとセレモニーに心を揺さぶられた今は、「素晴らしい」「ありがとう」といったシンプルな言葉しか浮かびません。


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“【Liverpool×Aston Villa】最後にスーパーショット!涙のフィルミーノ、センチメンタルな旅の終わり。” への3件のフィードバック

  1. アイク より:

    情報的なレポートありがとうございます。
    リンクマンとして夢のような時代を築いてくれました。ピッチでは南野をお膳立て、ベンチでは不本意に下げられたチームメイトを励まし、チームプレイヤーの理想系でした。
    いつまでもいて欲しかったです。

    フィルミーノのプレーで最も衝撃を受けたシーンを紹介させてください。
    ザルツブルク戦2ndレグ、下段の動画9:35〜

    ヘンダーソンがパスする瞬間、すでにカウンターを始めている異常なプレイヤーが2人もいました。そして飛び出した驚愕のヘディング。足元ピタリのスーパーアシストにサラーも驚いたのではないでしょうか。試合展開上も殴り合いを制する重要なゴールになりました。
    彼のリンクマンとしての真骨頂ですね。史上最高のショートカウンターに推したいくらい、美しいプレーでした。

  2. アイク より:

    ザルツブルク戦https://www.dailymotion.com/video/x7m2r15

  3. アイク より:

    情熱的なレポート、の変換間違いです。失礼致しました…!

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