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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Chelsea×Nottingham Forest】カイセド、痛恨のミス…攻め続けたチェルシーが決められなかった理由。

開始1分、カイセドの縦パスを前線で受けたニコラス・ジャクソンは打てず。フォロ―したエンソ・フェルナンデスがシュートをブロックされると、拾ったカイセドが左のチルウェルに預けます。高速グラウンダーに走り込んだのはスターリング。触ればゴールでしたが、オラ・アイナが足元にスライディングし、左足のフィニッシュはニアポストの外に逸れていきました。

順調に立ち上がったチェルシーが勝つと思いながら、淡々と進む序盤戦を見ていました。プレミアリーグ4節、スタンフォード・ブリッジに乗り込んできたのはノッティンガム・フォレスト。新戦力11人VS13人の大型補強対決は、10億ポンドでワールドクラスを揃えたほうが圧倒的優位でしょう。ポチェッティーノ監督の11人は、3発快勝のルートン戦と同じメンバーです。

GKロベルト・サンチェス、3バックはディサシ、チアゴ・シウヴァ、コルウィル。WBにマロ・グストとチルウェル、中盤センターにコナー・ギャラガーとカイセド。前線は、エンソ・フェルナンデスとスターリングの前にニコラス・ジャクソンという並びです。チェルシーの久々のシュートは16分。コナー・ギャラガ―の左足ミドルは、左のポストの外を抜けていきました。

ニコラス・ジャクソンが右のスターリングを走らせたのは22分。アーリークロスに飛び込んだチルウェルのタッチは薄く、ボールは左に流れていきます。26分のFKから、こぼれ球を叩いたアウォニイのボレーはバーの上。的確なチェックでサイドアタックをつぶし続けているホームチームは、セットピースとカウンターで集中力を切らしてはいけません。

30分にも、右サイドでFKを得たフォレスト。ボリがヘディングで右に送ると、チアゴ・シウヴァを背負ったアウォニイのバイシクルはニアポストの脇に逸れていきました。右から上がったコナー・ギャラガーがファーに浮かしたのは35分。ボックスの入り口でクリアを足元に収めたエンソ・フェルナンデスは、左足のミドルが浮いてしまいました。

前半の追加タイムにダニーロが負傷し、エランガがピッチへ。マンチェスター・ユナイテッドから移籍した21歳のアタッカーは、後半開始直後の48分に最高の仕事をしました。自陣でディサシのパスを受けたカイセドが、痛恨のトラップミス。奪ったイェーツがアウォニイに縦パスを通すと、チアゴの股間をくぐらせたスルーパスが右から絞ってきたエランガに渡りました。

冷静だった21番が、ロベルト・サンチェスの手が届かないコースに転がして0-1。自らのノーゴール記録を43でストップさせました。53分、下がってパスをもらったエンソ・フェルナンデスが左にきれいなスルーパス。ボックス左に侵入したチルウェルは、グラウンダーを味方に通せませんでした。

56分、右から斜めに入れたエンソ・フェルナンデスのキラーパスで、中央のニコラス・ジャクソンが一瞬フリー。右足で打とうとした瞬間、ボリのスライディングでコースを失い、ボールはGKマット・ターナーがキープしています。ブルーズの指揮官が動いたのは62分。コナー・ギャラガ―とチルウェルに代わって入ったのは、ノニ・マドゥエケとコール・パルマーです。

68分にチアゴの縦パスをフリーでトラップしたたエンソ・フェルナンデスは、ニコラス・ジャクソンをGKの前に送り出す鋭いスルーパスを通しました。トラップミスしたストライカーが転倒すると、ホイッスルはPKではなくオフサイド。1月にプレミアリーグレコードの1億600万ポンドで加わった8番は、王様のように振る舞っています。

77分にカイセドとマロ・グストが下がり、ムドリクとマートセン。チェルシーが決定機を迎えたのは83分でした。コール・パルマーの縦パスがボックス右に入ると、巧みなスルーでウォーラルを抜いたスターリングがGKを引き付けて中に折り返しました。フリーだったニコラス・ジャクソンはゴールに押し込むだけだったのですが、つま先に当てたボールはバーを越えていきました。

86分、右からエンソ・フェルナンデスが蹴ったFKがニアのチアゴ・シウヴァへ。右ポスト際に飛んだ強烈なシュートはマット・ターナーが左手に当て、CKに逃れました。8分の追加タイムにスタンドを沸かせたのは、95分のカウンターでムドリクを翻弄したエランガでした。土曜日の6試合でノーゴールだったのは、昨季プレミアリーグ16位に1-0で足をすくわれたチェルシーだけです。

ポチェッティーノ監督のチームの敗因を、いくつか挙げてみましょう。38本のクロスのうち、味方に通ったのは5本のみ。最前線に走り込んだ選手に合わせる素直なボールばかりで、裏で空いていた選手が打つシーンはありませんでした。21本のシュートのうち、オンターゲットは2本。ニコラス・ジャクソンとスターリングはタイミングを読まれ、8本中7本をブロックされています。

単調だったアタックは実を結ばず、前半をゼロで終えた直後にカイセドのトラップミス。ウェストハム戦でPKを献上したセントラルMFは、鮮やかなショートカウンターを許すきっかけとなってしまいました。途中出場のノニ・マドゥエケとコール・パルマーはしつこいチェックに苦戦し、ムドリクはまたしても何もできずにタイムアップとなりました。

昨季のボトム10に2敗という苦しい序盤戦となったものの、スターリングとチルウェルのサイドからの突破は脅威で、エンソ・フェルナンデスのパスワークは素晴らしかったと思います。サイドで優位になった際のラストパスのバリエーションを広げ、ミドルの精度を高められれば、カウンター1発でやられる展開を減らせるでしょう。

彼らに足りないのは余裕なのではないでしょうか。あまりにも素直なプレイに終始したヤングスターたちに必要なのは、的確な指示を送り続けるジョルジーニョのような存在なのかもしれません。前線と中盤で経験値が高いのはスターリングのみ。26歳以上を12人も放出し、25歳以下しか獲らなかったチームは、しばらくの間はこういう展開で苦しむのではないかと思います。


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“【Chelsea×Nottingham Forest】カイセド、痛恨のミス…攻め続けたチェルシーが決められなかった理由。” への1件のコメント

  1. te より:

    チェルシーにはもっと補強が必要です

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