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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【MAN.UTD×Crystal Palace】34年ぶりの屈辱…マン・ユナイテッドが決められなかった理由。

ミッドウィークのカラバオカップでクリスタル・パレスに3-0で勝ったときは、メイソン・マウントとアムラバトが合流し、これから強くなるとテンションが上がりました。しかし今、同じ相手にホームで0-1という厳しい現実に触れ、彼らはまだ何も成していないのだと説き伏せられたような気分です。

10分までシュートを打てなかったマンチェスター・ユナイテッド。自陣でアムラバトがジョルダン・アイェウに奪われ、カゼミーロのスライディングがファールを取られた11分のシーンは、この後の展開を予言しているようでした。直後、ラシュフォードのロングフィードでラインの裏に出たホイルンドは、GKの前で打ったシュートをタイリック・ミッチェルにクリアされました。

いい補強と評価されることが多いホイルンドも、プレミアリーグでは未だノーゴールです。14分、左から3人をかわしてゴールに突進したラシュフォードは、4人めに止められてゴールならず。ルーク・ショー、マラシア、レギロンが全員リタイアとなったため、左から中に入る偽SBを任されたアムラバトは、ビルドアップを重ねるごとにプレーエリアが低くなっています。

25分の失点はセットピースですが、その直前に4回も自陣で奪われており、リスクは顕在化していたといえるでしょう。エゼの右からのFKをホイルンドが触り、ファーにボールが流れると、ヨアキム・アンデルセンの素晴らしいボレーがオナナが伸ばした右手の先を抜けていきました。今季の公式戦8試合で逆転勝ちがゼロのチームは、早期にイーブンに戻さないと苦しくなります。

マン・ユナイテッドはすかさず反撃。27分にラシュフォードがファーに折り返し、ダロトが頭で落としたボールを叩いたカゼミーロのボレーは、きわどい一撃でした。40分のCKをニアで合わせたのもカゼミーロ。ボールは枠にいかず、ホームチームはビハインドを背負ったまま、後半のピッチに向かいました。

右サイドで攻めあぐんでいたペリストリが、ガルナチョと代わったのは61分。ここまで引っ張ったのは、ボールを奪われた際に戻ってくれるという理由でしょうか。クロスを通せず、パスミスが目立った21歳の持ち場を早い時間に活性化できれば、クリスタル・パレスの守備陣をもっと慌てさせることができたのではないかと思います。

56分にブルーノが放ったきわどいミドルは、サム・ジョンストンが右に弾き出すビッグセーブ。ブルーノのサイドチェンジがウォードの右手に当たった59分のシーンは、ルイス・ディアスの衝撃のオフサイドを見た後だったので、冷静に受け止めることができました。入った直後にシュートを打ったガルナチョは、いい形でボールをもらえません。

右にまわったラシュフォードのポジションが低いのは、彼の近くで受けてくれるMFがいないからです。ダロトと10番しかいないサイドばかりに展開するのはなぜか。スペースに入っているメイソン・マウントを使わないのはなぜか。強いシュートを枠内に集められる元チェルシーのMFを右で活かすか、ガルナチョが前を向ける状況を増やすか、明快な戦術がほしい時間が続きます。

77分にラシュフォードとマウントが下がり、エリクセンとマルシアル。85分、エリクセンのロングフィードをガルナチョが頭で折り返すと、反転して打とうとしたホイルンドは空振りです。87分にヴァランとリンデロフが下がり、マグワイアとファン・デ・ベーク。91分の速攻から、ダロトのクロスのこぼれ球を叩いたガルナチョがブロックされたのが、ラストチャンスでした。

7節までで4敗は、34年ぶりの冴えない記録です。マン・ユナイテッドの不振は、ここ数年の得点力不足を解消できていないというシンプルな理由に帰結します。スールシャールとラングニックで大混乱の2021-22シーズンは、プレミアリーグで57ゴール。3位フィニッシュの昨季は58ゴールで、ブルーノのチャンスメイクとラシュフォードの突破力頼みのチームでした。

そして今季は、7戦7ゴール。9月の終わりまでセンターフォワードがノーゴールのチームが、上位にいられるわけがありません。首位マン・シティはハーランドだけで8発、2位スパーズはソン・フンミンとリシャルリソンで7発。3位のアーセナルは、7発コンビのサカとウーデゴーアが結果を出していないカイ・ハヴェルツにPKを譲るセレブなチームです。

ホイルンドに決めさせることができないなら、ラシュフォード、ガルナチョ、ペリストリはもちろん、2020-21シーズンの公式戦で51試合28ゴール17アシストのブルーノや、2021-22シーズンのプレミアリーグで32試合11ゴール10アシストのメイソン・マウントも打てる形を増やさなければなりません。彼らがホイルンドを追い越して決めるぐらいになれば、ホイルンドがフリーで打てるシーンもおのずと増えるはずです。

ウインガーに預けて「後はよろしく!」という単調なアタックから脱却できなければ、CL出場権には届かないでしょう。ホイルンド、ラシュフォード、ガルナチョ、マウント、ブルーノ、カゼミーロ、エリクセン。攻撃に変化をもたらすことができるタレントは揃っています。負傷者の多さや、サンチョ&アントニーの離脱は言い訳にはなりません。


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