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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Liverpool×MAN.UTD】34本でノーゴール、6本のみで専守防衛…お互いモヤモヤのドロー決着!

アンフィールドのプレミアリーグは8年未勝利で、この間わずか1ゴールのマンチェスター・ユナイテッドは、主力の過半を欠いています。GKオナナ、DFダロト、ヴァラン、ジョニー・エヴァンス、ルーク・ショー。センターはメイヌーとアムラバト、2列めはアントニー、マクトミネイ、ガルナチョ。ワントップはホイルンド。全員足しても8ゴールという不安な顔ぶれです。

テン・ハフ監督が使える攻撃的なカードは、ラシュフォードとペリストリのみ。古くからのライバルを聖地に迎えたリヴァプールは、マック・アリスターの不在以外に大きな懸念はありません。キックオフから、当たり前のようにホームチームがラッシュ。開始1分、CKのクリアに反応したコナテのボレーは高く浮き、2分のFKからの混戦はアムラバトがクリアしています。

GKアリソン、DFアーノルド、コナテ、ファン・ダイク、ツィミカス、MF遠藤航、ショボスライ、フラーフェンベルフ、FWサラー、ダルウィン・ヌニェス、ルイス・ディアス。4分の右からのCKをファーのサラーがトラップし、右ポストめがけてクロスを上げると、ダルウィン・ヌニェスのスライディングボレーは体勢が厳しく、外に逸れていきました。

右サイドのアントニーが、中のマクトミネイのパスを通した10分のアタックは、左でもらったガルナチョの強引なシュートが右にアウト。1分後、ドリブルで中に絞ったルイス・ディアスがショボスライに渡すと、右足のミドルはオナナの頭上を越えていきました。リヴァプールのプレスが厳しく、オナナからのビルドアップは狙い通りにつながりません。

16分、右サイドに出たアーノルドの素晴らしいクロスがフリーのダルウィン・ヌニェスへ。右から詰めたフラーフェンベルフとルイス・ディアスは枠に押し込めず、ルーク・ショーとオナナがかろうじて触ってCKとなりました。右からのアタックが多いレッズは、お互いの思惑がずれてボールを失うシーンが多いのが気になります。

28分のCKに競り勝ったファン・ダイクの決定的なヘッドは、オナナが上に弾き出すビッグセーブ。30分を過ぎてもショボスライが周囲と合わず、レッズはシュートを打てない時間が続いています。36分、ツィミカスのFKのクリアを直接叩いたフラーフェンベルフのボレーは、メイヌーが頭に当ててCKです。

遠藤航から右のフラーフェンベルフに展開した42分のチャンスは、中央にまわったサラーのミドルをオナナがキャッチ。前半を0-0で終えたマンチェスター・ユナイテッドは、冷静に守り切ったというべきか。シュートは15対2、オンターゲットは2対0。今季プレミアリーグのアンフィールドで、前半リードのアウェイチームはひとつもなく、まずまずといっていいのでしょう。

後半開始直後のリヴァプールの波状攻撃は、失点を覚悟しました。アーノルドが縦に出したボールを受けたショボスライのグラウンダーがダルウィン・ヌニェスに通り、落としに走り込んだサラーのシュートはメイヌーがブロック。左のツィミカスのクロスをサラーが収め、内から入ってきたアーノルドに託すと、アムラバトを抜き去って放ったシュートはニアに外れました。

55分のメイヌーのスルーパスで、アーノルドの裏を取ったガルナチョは、打つ瞬間に足を出されて決定機を活かせず。59分に座り込んだフラーフェンベルフは、どこを痛めたのでしょうか。ショボスライもここで下がり、ガクポとジョー・ゴメスがピッチに入っています。アーノルドをインサイドに上げ、ガルナチョのケアはジョー・ゴメスにまかせるようです。

64分、アーノルドの縦へのフィードで右サイドに出たのはジョー・ゴメス。折り返しを受けたサラーのコントロールショットは、オナナがコースを読んでいました。ボックス右手前にいたサラーが、逆サイドに転がしたのは66分。走り込んだアーノルドがダイレクトで打ったシュートは、左のポストすれすれを抜けていきました。

1分後、マンチェスター・ユナイテッドに決定機が到来。アントニーが中央に入れたボールをマクトミナイがダイレクトで右に送ると、フリーのホイルンドの一撃はアリソンが胸でブロックしました。70分に右から上がったサラーは、ヴァランをかわして左隅を狙いますが、オナナが右に飛んでセーブ。71分にガルナチョが下がり、左サイドはラシュフォードです。

76分、右サイドのサラーのパスを受けたダルウィン・ヌニェスが強引にゴールに向かうと、トラップが流れた先にルイス・ディアスが走り込んでいました。右足のシュートは、アムラバトに当たって左にアウト。CKからの二次攻撃で、中央に残っていたコナテが振り向きざまに放ったシュートは、オナナの正面に飛んでしまいました。

クロップ監督が動いたのは78分、ダルウィン・ヌニェスとルイス・ディアスに代わってカーティス・ジョーンズとエリオット。テン・ハフ監督の2回めは、83分にメイヌーとアントニーをハンニバル・メイブリとペリストリです。追加タイムは5分。93分にスローインのジャッジに激昂したダロトは、執拗な抗議で立て続けにイエロー2枚をもらいました。

ポゼッションは69%対31%、シュートは34対6、オンターゲットは8対1、CKは12対0。唯一、イーブンだった数字は0-0の最終スコアだけです。ガルナチョは、アーノルドの裏を一瞬取ったシーンしか見せ場がなく、アリソンとの1対1を決められなかったホイルンドはタッチ数17回、パス成功5本というプアなスタッツに終わっています。

前半は目に見えてフィット感が低かったショボスライに助けられ、後半は焦ったリヴァプールがミドル一辺倒になりました。怖かったのは、セットピースとアーノルドの高速フィードですが、ヴァランとジョニー・エヴァンスというベテランが仕切った最終ラインは、絶対負けないという気持ちと集中力を絶やしませんでした。

クリア24本、ディフェンシブアクション20回、インターセプト3回、デュエル4戦全勝という驚異のスタッツを記録したヴァランと、8本のオンターゲットをすべてセーブしたオナナを静かに称えたい一戦。ボーンマスとバイエルンに連敗した最悪の状態から、ホームで全勝だった首位チーム相手にドローに漕ぎ着けられたことを素直に喜ぶべきなのかもしれません。

リヴァプールは、今季プレミアリーグで初のノーゴール。アンフィールド・ロード・スタンドの新たなトップデッキがオープンとなり、リーグ戦で史上3位となる57158人を集めたメモリアルゲームを勝利で飾ることはできませんでした。ボックス左でチャンスメイクできず、右サイド偏重になってしまったことと、決定機につながるパスのズレがポイントロストの要因でしょう。

リヴァプールの次節は首位アーセナルとのシックスポインター。マン・ユナイテッドは敵地でハマーズです。ハーフコートマッチを展開しながら勝てなかったクロップ監督の修正ポイントは、中盤のパスワーク。自陣にこもって打たれ続けることを甘受したテン・ハフ監督は、前線の創造性を取り戻さなければなりません。満足せずとも納得すべきか。それにしても、厳しかった…。


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