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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Chelsea×Fulham】PK獲得のレコードを更新!スターリングはそのとき、なぜ両手を挙げたのか?

ラヒム・スターリングが所持するプレミアリーグレコードをご存じでしょうか。実は彼より多くPKを獲得した選手はいません。プレミアリーグ21節、フラムとのウェストロンドンダービーで誘った26回めのホイッスルは、負けてもおかしくなかった一戦を勝利に導く貴重な1発を生み出しました。

スタンフォード・ブリッジのゲームで、唯一のゴールが決まったこのシーンを振り返りましょう。前半の追加タイム2分、カイセドのパスを右サイドで足元に収めたのは、好調のコール・パルマー。カットインした21歳のプレーメイカーは、ミドルを匂わせながらボックス右のスターリングにスルーパスを通します。切り返しでディオプをかわそうとした7番は、右足を引っかけられて転倒しました。

笛が鳴った瞬間、周囲にいたフラムの選手は全員下を向いており、VARの映像はスターリングの足にディオプが触れた瞬間を捉えています。ジャッジに異を唱える人はいないはずですが、私はスターリングが倒れた瞬間、「おい!」とツッコミを入れてしまいました。理由はシンプルで、倒れる直前に両手を大きく挙げていたからです。

彼の独特の走り方は、レッズ、マン・シティ、ブルーズのサポーターでなくてもご存じでしょう。腰のすぐ上に両手を添えてスプリントする姿を見ると、よくそれで速く走れるものだと感心します。今季プレミアリーグで空中戦勝利がひとつしかない彼が、腕を振り上げるシーンはほとんどなく、強いシュートやロングボールを蹴ろうとする直前だけです。

つまり、こういうことです。彼が切り返しから左足で打とうとしていたなら、腕は下がっていたはずで、挙げた両手は不自然に見えました。ボックス内で足に何かが触れると、条件反射で手が挙がるようになっていたのか?あるいはPKをアピールする意図があったのか?いずれにしても、下半身はファールの被害者で、上半身はダイブの常習犯に見えたのです。

元レフェリーのポール・グラハム、デンマーク人ジャーナリストのカーステン・ウェルゲ、レッズOBのディトマー・ハマン、アーセン・ヴェンゲル。かつてスターリングをダイバーと非難した面々です。私は、このテーマについては結果論者で、「PKを獲得したらOK、失敗したら超カッコワルイ」と評価するのみです。

「ダイブしなかったら決定機だった」「ダイブをスルーされてカウンターで失点」となれば、大いに非難されるべきですが、スターリングのレコードは多少グレーがあっても勲章でしょう。フラム戦は、コール・パルマーが決めたPKがなければ、負けていてもおかしくありませんでした。シュート数は17対14ながら、オンターゲットは3対4でアウェイチームが上だったのですから。

チェルシーがPK以外で枠に収めたのは、29分にレノの正面に打ったコール・パルマーのミドルと、ビッグセーブに阻まれた91分のノニ・マドゥエケのみ。53分にポストに当てたスターリングのヘッドは、決まっていてもおそらくVARによってオフサイド。ノニ・マドゥエケのクロスのクリアを右足アウトで直接叩いた83分のコナー・ギャラガーも、ポストに阻まれています

フラムのほうがきわどいチャンスが多かった一戦。アントニー・ロビンソンの絶妙なクロスを右足で合わせたハリー・ウィルソンと、アンドレアス・ペレイラの左からの折り返しをファーで叩いたラウル・ヒメネスを止めたGKペトロヴィッチも、勝利の立役者です。それだけに、スターリング&コール・パルマーの「PKギャング」による先制点強奪は貴重でした。

今季プレミアリーグでも最多となるPK獲得3回の7番は、自らのレコードを更新してジェイミー・ヴァ―ディーに3本差、ウィルフリード・ザハに7差としています。彼が両手を挙げていなければ、コナー・ギャラガ―やコール・パルマー、ノニ・マドゥエケ、カイセド、ペトロヴィッチを称えつつ、不満そうな表情が目立つアルマンド・ブロヤを諭すレポートを書いたのですが…。


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