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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【MAN.CITY×Luton】ロドリ不在でも5発…橋岡大樹の「プレミアリーグで最も長くつらい90分」

キックオフから50秒、自陣で奪ったデブライネが前線に美しい縦パスをフィード。あっさりバークをかわしたハーランドが右足のシュートをGKカミンスキにぶつけると、こぼれ球を拾ったジェレミー・ドクが橋岡大樹をワンタッチで抜き去り、左足でシュートを放ちました。コースに入ってブロックしたのはダウティー。浮いたボールの落下点には、ハーランドがいます。

近くにいた橋岡大樹が、打たせまいとしてボールに駆け寄るのは当然です。しかし結論からいえば、彼がいかずに黙って見ていれば、いきなりの失点はなかったでしょう。ハーランドの左足ボレーは明らかにミスキックで、タッチラインのほうに向かっていました。ところがそこに橋岡大樹の顔があったため、ヒットしたボールはコースが変わり、左隅に吸い込まれました。

完璧なボレーを決めたかのように、笑顔を見せるプレミアリーグ得点王。一方、アーセナル戦に次ぐオウンゴールで、不名誉な得点王ランキングのTOPに躍り出た日本代表DFは、手で顔を覆って倒れ込んでいます。2月のFAカップ5回戦でハーランドに5発叩き込まれ、2-6で完敗したルートンは、プレミアリーグのアウェイゲームでもゴールラッシュを許してしまいそうです。

ドクに抜かれた後、強烈なパンチを顔面に喰らった橋岡は、前回のゲームは0-5からの途中出場でした。今日はイングランドに来てから、最もつらく長い90分を過ごすに違いない…。そう思った途端、彼に感情移入しながらの観戦にシフトチェンジしました。次なるピンチは9分。左サイドのデブライネが、斜めのパスをボックス左のコヴァチッチに通しました。

対峙した橋岡は気圧されたのか間合いを詰められず、中央から上がってきたグヴァルディオルにパスが通ります。レアル・マドリード戦で美しいコントロールショットを決めたSBが、ダイレクトで右足を振り抜くと、GKカミンスキが冷静に右に弾き出しました。19分には、右サイドのデブライネが中央に絶妙なクロス。ゴールに向かって戻った橋岡の裏には、ハーランドがいます。

ヘタに触れば、単独TOPとなる3つめのオウンゴール。空振りすれば、ハーランドにやられるかもしれない…。橋岡はタッチできず、スライディングしたストライカーはハーフボレーを打ち上げてしまいました。ほっとしたのもつかの間、2分後に同じ位置からのFK。橋岡の頭上を越えたボールはグヴァルディオルの頭に合うも、折り返しは逆サイドに流れていきました。

自陣右で奪われたボールがデブライネに通り、カットインから右足で打たれたのは22分。スライディングした橋岡の足は届かなかったものの、カミンスキが正面でキャッチしています。25分には、ボックス左でタウンゼントをつぶしたコヴァチッチがオニェディンマも抜き去り、ゴールラインへ。橋岡もかわされますが、グラウンダーを叩いた8番の一撃はバーグがブロックしました。

27分、デブライネの縦パスで右から抜け出したマテウス・ヌネスのシュートは、ファーポストにヒット。ハーランドに着いていた橋岡は内側に入られており、MFが合わせようとしていれば追加点を許してしまったかもしれません。41分にも、右にいたデブライネが縦に出してフリアン・アルバレスがフリー。ハーランドに通そうとした高速グラウンダーは、橋岡がクリアしました。

45分に中央から上がったデブライネのコントロールショットは、カミンスキがビッグセーブ。シュート数19対0、オンターゲット6対0の長すぎる前半は、オウンゴールのみの大健闘です。後半も、やはりハーフコートマッチ。グヴァルディオル、ルベン・ディアス、デブライネ、フリアン・アルバレスにシュートを浴び続けながらも、ルートンは1-0で耐えています

堤防が決壊したのは62分。ショートコーナーから、フリアン・アルバレスがボックスの入り口にクロスを入れると、コヴァチッチのスーパーボレーは詰めたバークの外を通って右隅に突き刺さりました。2-0となり、ようやく反撃に出たルートンは、66分にオニェディンマがグヴァルディオルに競り勝ち、右サイドを完全に突破しました。

ニアで折り返しを受けたウッドロウのダイレクトショットは、クロスバーにヒット。絶望的な3点めは、76分でした。ドリブルで仕掛けたジェレミー・ドクがオニェディンマに倒され、PK。ハーランドは冷静に左隅に収め、今季プレミアリーグで20ゴールです。ルートンが一矢を報いたのは81分。エデルソンのパスを受けたマテウス・ヌネスのトラップミスがきっかけでした。

ボックス手前でカットしたロス・バークリーは、巧みなフェイントでルベン・ディアスを翻弄し、左足のシュートをクロスに決めました。3-1となった87分、左からカットインしたジェレミー・ドクがオニェディンマを抜き去り、橋岡の股間を通したシュートが右のサイドネットへ。ドリブル成功数No.1のウインガーがプレミアリーグで決めたのは、11月のボーンマス戦以来です。

最後のゴールは93分。ドクのパスをボックス左手前で受けたグヴァルディオルが、右足の強烈な一撃をゴール左上に収めました。5-1で圧勝したマン・シティは、後半もシュート18本でトータル37本。オウンゴールの後、ボックスに閉じ込められて4失点を見届けた橋岡大樹にとっては、長くしんどい時間だったはずです。

ペップにとって最大の収穫は、「ロドリがいないと勝てない」というプレミアリーグの呪縛から解放されたことでしょう。16番だけでなく、フォーデン、ベルナルド・シウヴァ、グリーリッシュもピッチに立たずにタイムアップを迎えており、カイル・ウォーカーとナタン・アケもベンチに戻ってきています。

4ヵ月の長きに渡って、リーグでゴールに絡めなかったジェレミー・ドクは1ゴール1アシスト。「得点力がなく、ギュンドアンの代わりは務まらない」といわれていたコヴァチッチは、移籍後初ゴールをゲットしています。結果を出してほしかった選手が躍動した理想的な大勝。中3日のCL準々決勝セカンドレグを、いい雰囲気で戦えそうです。(橋岡大樹 写真著作者/Pinkd56)


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“【MAN.CITY×Luton】ロドリ不在でも5発…橋岡大樹の「プレミアリーグで最も長くつらい90分」” への1件のコメント

  1. asu より:

    バークリーが劣勢の中で得点した瞬間以前のmakotoさんの記事を思い出しましたw

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