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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Tottenham×MAN.CITY】ソン・フンミンVSオルテガ…ピンチをしのいだマン・シティが首位奪還!

ポステコグルー監督が、壊滅的な左サイドをどうカバーするのかが気になっていました。プレミアリーグ34節の延期試合、トッテナムVSマンチェスター・シティ。ヴェルナー、ウドジェ、セセニョン、ベン・デイヴィスを欠いたチームは、エメルソン・ロイヤルやオリヴァー・スキップを左にまわすだけでは、デブライネやベルナルド・シウヴァを止められないでしょう。

スタメンを見ると、なるほど、左SBはバーンリー戦で決勝ゴールをゲットしたファン・デ・フェンです。GKヴィカーリオ、DFペドロ・ポロ、ロメロ、ドラクシン、ファン・デ・フェン、MFベンタンクール、ホイビュルク、パペ・マタル・サール、FWソン・フンミン、ジェームズ・マディソン、ブレナン・ジョンソン。マディソンは偽9番としてプレイするのでしょうか。

対するマン・シティは、いつもの戦い方で4連覇にリーチをかけようとしています。GKエデルソン、DFカイル・ウォーカー、アカンジ、ルベン・ディアス、グヴァルディオル、中盤センターはロドリとコヴァチッチ。2列めにベルナルド・シウヴァ、デブライネ、フォーデン、最前線はハーランド。3分にロメロを抜き去ったハーランドは、ファールを取られています。

ホイビュルクのサイドチェンジがブレナン・ジョンソンに通った6分のカウンターは、ボックス手前でラストパスをもらったベンタンクールの強烈なシュートを、エデルソンが上に弾き出しました。スパーズのハイラインは、最後まで強度をキープできるのか。8分に右から抜けたカイル・ウォーカーは、オフサイドだったようです。

16分の右からのアタックで、ホイビュルクのクリアミスがフォーデンの足元に落ちますが、左足のボレーは間合いを詰めたヴィカーリオが手に当てました。右サイドで再三フリーになるカイル・ウォーカーを何とかしなければ、いずれ決定的なグラウンダーが入ってきそうです。ベンタンクールが左から上がった25分のカウンターは、クロスがブレナン・ジョンソンに通りません。

33分のブレナン・ジョンソンのクロスは、エデルソンに当たってCK。38分に左から抜け出しかけたホイビュルクは、中に上げる瞬間にカイル・ウォーカーにつぶされています。直後、カイル・ウォーカーのクロスにファーから走り込んだグヴァルディオルのボレーは、クロスバー越え。スパ-ズのカウンターはフリーの選手にパスが出ず、ことごとくカットされています。

マン・シティに決定機が到来したのは45分です。デブライネのパスが左のフォーデンに入り、ファーに浮いたボールを叩いたハーランドの一撃はファン・デ・フェンがブロック。こぼれ球がベルナルド・シウヴァの足元に流れると、フリーのフィニッシュを頭に当てたドラクシンはガッツポーズです。前半は0-0、シュート数は3対5.ハーランドはボールタッチ11回に留まっています。

後半開始直後、スパースはビルドアップからのパスミスを突かれ、左からのグラウンダーを受けたデブライネが決定的なシュート。左に飛んだヴィカーリオのビッグセーブで、サポーターたちのテンションが上がっています。パペ・マタル・サールの縦パスでブレナン・ジョンソンが右から突破を図ったのは49分。グラウンダーはニアのソン・フンミンの足元に向かっています。

軽いタッチで枠に流し込もうとした7番の足元にエデルソンが詰め、体を張ってビッグセーブ。均衡が崩れたのはこの直後でした。左から上がったフォーデンのクロスが逆サイドに流れると、ベルナルド・シウヴァが縦に転がし、デブライネがボックス右でフリー。得意の形に持ち込んだプレーメイカーのグラウンダーは、中央に入ったハーランドが触るだけの完璧なボールでした。

ポステコグルー監督は、55分にベンタンクールを下げてクルゼフスキを投入。ピッチサイドに出た30番は大荒れで、近くにあるモノを手当たり次第にベンチに投げつけています。足を痛めたデブライネと、61分のクロスに対応してロメロとぶつかったエデルソンは、大事を取って代わるようです。69分にピッチに入ったのは、オルテガとジェレミー・ドクです。

ブレナン・ジョンソンが右から仕掛けたのは71分。ニアにグラウンダーが入り、2人をかわしたクルゼフスキが角度のないところから放ったシュートは、コースを切ったオルテガが足に当ててキャッチしています。TOP4への希望をつなぎたいスパーズは、4連覇をめざす最強チームから15分で2ゴールという厳しい条件をクリアしなければなりません。

78分のCKをニアで受けたクルゼフスキのミドルは、バーの上。80分にボックス右でルベン・ディアスに競り勝ったクルゼフスキは、またしてもオルテガにコースを消されました。85分にホイビュルクとパペ・マタル・サールが下がり、ロ・チェルソとオリヴァー・スキップ。直後、ハーフラインを越えたところでブレナン・ジョンソンがアカンジから奪い、カウンター発動です。

ソン・フンミンが裏に抜け、オルテガと1対1。エースは余裕がなかったのか、素直なシュートをブロックされてしまいました。フォーデンのサイドチェンジで、ジェレミー・ドクが左からスプリントしたのは89分。切り返しに対応したペドロ・ポロが足を引っかけてしまい、ジャッジはPKです。トロフィーに近づくハーランドのキックは、ヴィカーリオの逆を突く左隅でした。

2ゴールのストライカーは、94分にフリアン・アルバレスに後を譲りました。98分にジェレミー・ドクが左から打った強烈なシュートは、ヴィカーリオがニアを締めてCK。10分の追加タイムでスコアは動かず、アストン・ヴィラのTOP4が確定しました。88ポイントで首位に立ったマンチェスター・シティは、最終節でウェストハムを下せばプレミアリーグ4連覇です。

シュート数は10対8、オンターゲットは5対5、ビッグチャンスミスは4対2…!勝負を決めたのは、3つのピンチをすべてしのいだオルテガのセービングでした。同点ゴールが決まっていれば、次のカウンターから追加点を得たのはホームチームだったかもしれません。ポステコグルー監督の戦術と采配は納得感があったのですが、ここぞというチャンスを活かせずに終わりました。

スパーズの速い寄せに苦しんだマン・シティは、フォーデンのサイドが手薄になるシーンが目立ち、危うい勝利でした。自軍の背中を押さず、「Are you watching,Arsenal?」と仲間を煽るホームのサポーターの存在は、優勝争いのプレッシャーとも戦う水色のシャツを落ち着かせる効果があったのでしょうか。9番のPKに歓喜したのは、シティズンだけではありませんでした。

最終節にエティハドに乗り込むハマーズは17戦連続失点で、デブライネ、フォーデン、ハーランドを完封できるとは思えません。アーセナルにとって明るい材料は、7勝2分9敗とアウェイを苦にしないことと、カウンターに長けたマイケル・アントニオとボーウェンの好調です。9番は直近5戦で3発、レフティはチェルシー戦でクロスバーに3本ヒットという離れ業を演じています。

プレミアリーグの歴史を紐解くと、ビッグ6との直接対決で無敗のチームは、今季のアーセナルで4つめです。 2013-14のチェルシー、2016-17と2021-22のリヴァプールは、いずれも優勝できませんでした。アルテタが歴史を変えるのか、トッテナム・ホットスパー・スタジアムのリーグ戦で初勝利のペップがこちらのジンクスは守るのか。最終節は、無心に楽しみたいと思います。


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