2026.08.30 プレミアリーグ観戦記2026-27プレミアリーグ観戦記
【Tottenham×Newcastle】ノーゴールで2連敗!デ・ゼルビが語るスパーズの敗因とは?
「リシャルリソンは、よくわからない。彼は何度も退団したいといってきている。ダンソは2日前に私のところに来て、このチームから離れたいといった。パペ・マタル・サールも同じことをいっている。彼は軽いケガを負ったけど、もうすぐトレーニングに復帰できる状態だ」。彼らは全員、ニューカッスル戦のメンバーから外れています。
退団希望者に加えて負傷者と新戦力も多いスパーズは、戦術のインストールに時間がかかりそうです。ホームで敗れた一戦のスタメンは、つぎはぎだらけでした。ワールドカップに出場したファン・デ・フェン、ペドロ・ポロ、ベンタンクールは出遅れ、今季プレミアリーグで初出場。右SBのアーチー・グレイとウイングのペドロ・ポロは、本来のポジションではありません。
ファン・ヘッケ、ロバートソン、マテウス・フェルナンデス、トナーリ、マルムシュは、この夏に加わったばかりです。昨季から所属していた選手で2戦連続の先発は、マティス・テルとキンスキーだけでした。初戦でトップ下に配されたコナー・ギャラガーとセンターのベリヴァルは、逆じゃないかと思ったのですが、サヴィーニョが負傷欠場のこの試合も右サイドが不安でした。
それでも、アンソニー・ゴードン、ブルーノ・ギマランイス、トナーリ、トリッピアーがごっそり消えたチームなら、勝てると思ったのですが…。エディ・ハウの後を継いだマティアス・ヤイスレ監督は、就任から3週間です。昨季プレミアリーグでヨアネ・ウィサは1ゴール、エランガとウィロックはノーゴール。前線で頼りになるといえるのは、ハーヴィー・バーンズぐらいです。
ここからは、アウェイチームの勝利を振り返りましょう。キックオフから40秒で、いきなりチャンスをつかんだのはニューカッスル。右サイドに出たロングフィードを追ったデディッチが、頭でボックス右に落とすと、エランガのループシュートはキンスキーの頭上を越えてファーポストの外に抜けていきました。スパーズの守備陣は、マークの受け渡しに問題を抱えています。
9分のデディッチのクロスをウィサがハーヴィー・バーンズに落とすと、右足のミドルはバーの上。15分にマルムシュのパスを左サイドで受けたマティス・テルは、カットインからの鋭い一撃をホルニチェクのビッグセーブに阻まれました。マティス・テルの縦パスで、ロバートソンがボックス左を突破したのは17分。クロスのクリアをトラップしたのはトナーリです。
左足のシュートはミスキックで、ゴール前のペドロ・ポロの足元へ。ルイス・マイリーのスライディングをかわして打ったシュートが決まるかと思いきや、ルイス・ホールが体を投げ出して足に当て、ピンチを切り抜けました。21分のショートカウンターは、マティス・テルのクロスをデディッチがカット。押されているニューカッスルは、危険なエリアではコースを切っています。
36分に左サイドに出たマルムシュがボックスに通した斜めのパスは、いかにもペップのテイスト。ロバートソンの鋭いシュートをセーブしたホルニチェクは、直後のCKからのファン・ヘッケのヘッドも上に弾いています。押していたスパーズは、好調のGKにことごとく止められ、ニューカッスルはオンターゲットゼロでハーフタイムを迎えました。
0‐0の48分、ペドロ・ポロがボックス右に出したボールをティエウと競ったマルムシュが転倒。CBはボールに触れており、レフェリーのピーター・バンクスのジャッジはノーファールです。51分には、ルイス・ホールがラインの裏に出したボールに走り込んだエランガがキンスキーを抜いたのですが、ゴールライン上にボールを残すのが精一杯でした。
アウェイチームが先制したのは62分。トリガーはニコ・ゴンザレスの的確なサイドチェンジでした。デディッチが頭で落とし、ボックス右でトラップしたエランガが反転して左足でシュート。キンスキーの指先を抜けたボールは左のポストにヒットし、逆サイドのネットに届きました。0-1となった72分、左からのCKで競り勝ったのは、直前に入ったばかりのヴォルテマーデです。
コースにいたウィサはゴールに背を向けていたのですが、右足で引っかけて枠に収めました。昨シーズンのリーグでノーゴールのエランガは2戦連発、1ゴールのウィサはリヴァプール戦に続くハイパフォーマンス。ひたすらサイドを攻めるシンプルな戦術で、不振のアタッカーたちを覚醒させたヤイスレ監督が、複雑なパズルに悩まされているデ・ゼルビ監督を打ち砕きました。
「60分から65分までは、ニューカッスルよりいいプレイをしていた。ゴールのチャンスもあったけど、決め切れなかった。相手のゴールの後、距離感を崩してしまった。より多くのチャンスを作り、シュートを放ったが、まだチームとしてまとまっていない。改善すべき点がある。結果はともかく、怒ってはいない。チームはいい取り組みを進めている。今日は運が悪かった」(ロベルト・デ・ゼルビ)
多才なマルムシュ、プレーエリアが広いマテウス・フェルナンデス、前線を動かせるトナーリは、チームの連携のクオリティが上がれば本領を発揮してくれるでしょう。一方で最終ラインは、ヴシュコヴィッチの売却を悔やむことになるかもしれません。センターもサイドもこなせるダンソの退団が避けられないなら、バックアッパーの獲得は上位進出の必須条件です。
「連敗によって、『同じストーリーの繰り返しだ』『過去2シーズンと同じだ』と思う人もいるかもしれないが、そんなことはないと確信している。連敗したからといって、考え方を変えるつもりはない」。スパーズを残留に導いた指揮官は、主力が揃って戦術理解度が高まればいけると思っているのでしょう。問題は「それがいつになるか」ですが…。
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