イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

2014-15シーズン現地観戦記~(6)まさかの主審交代⁉ピッチサイドでレフェリーがアップ開始!

「2014-15シーズン現地観戦記~(6)なかなか取れない!ロンドンダービーのチケットを入手する方法」より続きます。

さて迎えた試合当日。それまで1週間ほど、下手をすると東京より暖かいような陽気が続いていたロンドンですが、この日は現実に引き戻されるような寒い日で、筆者もスノーブーツの重装備で繰り出します。スタジアム北側に出ている露店では、写真のようなパロディTシャツを販売中。白いシャツはノースロンドンではおなじみの、大砲が鶏(大砲はアーセナル、鶏はトッテナムのアイコン)を打ちぬいている図柄。一番左はモウリーニョの顔に“Expert in success”のsuccessを消してfailureの文字をかぶせたものですが、これはモウリーニョがベンゲルのことを「失敗の達人」と呼んだ割に自分もけっこう失敗していると茶化したものでしょう。もしかしたら直前のチャンピオンズリーグでチェルシーがパリサンジェルマンに負けたことを指しているのかも?いやいやそこまで対応が早くはないかとも思うものの、こちらの「職人」の仕事の早さは侮れないので、本当にそうかもしれません。こういうものが売られているのが、非公式な露店を覗く楽しみです。


今回はちょっとスタジアム裏手のArsenal駅の方に足を延ばし、駅からスタジアムの道中を写真に収めてみました。前回のレポートでもお伝えしたように、試合開始1時間前には1つ手前のHolloway road駅が閉鎖されてしまうため、スタジアムへのアクセスはArsenal駅がメインになります。アーセナルの本拠地がエミレーツスタジアムに移転する前、ハイベリースタジアム時代には、Arsenal駅を出てすぐにスタジアムの入り口があったため、今でもこちらの駅が「正門」という気持ちのファンも多いもの。狭い道に露店も人も密集している様は、これはこれで雰囲気抜群です。ちなみにこちら側にもやや小さいオフィシャルショップがあり、マッチデー以外では、正面のショップが閉まっていてもこらちは開いているという場合もあります。

筆者の席はメインスタンドゴール寄り。試合前練習の終わりごろに席に着くと、ピッチを一周して愛想を振りまいていたガナザウルス君がちょうどそこまで来ていました。鳥とか動物系が多いプレミアリーグのマスコットの中で、恐竜ってイカしてます。もっさりした感じでかわいいんですよ!(笑)

ちなみに異色マスコットといえば先日レポートしたマンチェスター・シティの宇宙人ですが、次に行く予定のスウォンジーのマスコットもいろいろ恐ろしく……うまく写真に撮れることを期待していてください。

試合のほうは、前半は例によって歯がゆい展開で、そんなに怖いシーンもないものの、そんなに惜しいシーンもないといった具合。そんな中、ウェルベックがアップを始めると、スタジアムでは待っていたようにウェルベックチャントが始まります。やはり3月9日のFAカップ、マンチェスター・ユナイテッド戦での決勝ゴールが心をつかんだんですね。分かる!私も歌いたくなったもん!

古巣との対戦でスタメンというプレッシャーの中きっちり得点して勝たせてくれたのもさることながら、何というか、いろいろ愛着も深かったはずの古巣(ウェルベックはユナイテッドのユース以来の生え抜き)に決別を宣言したかのような悲壮感に胸を打たれ、そうやって本当の意味でアーセナルの一員になってくれた彼に思いきり愛情を注ぎたい気持ちはみんな同じというか……とにかくここでも、“ドゥドゥドゥル♪ダニ・ウェールベク!”の大合唱だったのでした。

しかしチャンスの少ない前半、それ以外は客席も何だかヒマだったのか、こういうときに飛び出すのが試合にあんまり関係ないチャント。今回は“Stand up! If you hate tottenham♪”が始まってしまいました。基本的にプレミアリーグの客席では、「座ってるなんてけしからん、ファンなら立って応援しろ!」みたいな強制ムードは一切ありません(例外として、アウェイの試合などみんなが立ちっぱなしでテンション高く応援している試合は立たざるを得ない。でないと見えないから!)。しかし、ペットショップボーイズの“GO WEST”のメロディーで「トッテナムがキライなヤツは立ち上がれ」と歌うこのチャントが始まると、座って観ているメインスタンドの客も立ち上がらないわけにいきません。そんなこんなで立ったり座ったりしながら、来るべきゴールシーンを待つわけですね。

そうこうするうちに最近先発機会の少ないウォルコットがせっかく先発したのにまんまとシュートをはずし、スタジアム全体が「あーあーあー」と微妙なため息(意訳:まあウォルコットはねー、あるよねー)に包まれて……そんな前半終了直前、俺たちのジルーさんがビシッとゴール!「これが!フォワードの!!仕事やで!!!」と誰かさんにお手本を示すようなファインゴールでした。さらに後半には、筆者の目の前のサイドでラムジー、フラミニとゴールが決まり、結果は大満足の3-0。途中エジルが、自分で打てばいいのになぜか謎のふわっとクロスを上げ、スタジアム中が「なん!でや!ねん!」なムードに包まれたのもまあご愛嬌というものです。

そんな快勝試合だったのでいろんな小ネタに目を向ける余裕も出てくるわけですが、この試合一番の珍事といえば主審の交代。後半開始直後、再度アップに入ったウェルベック、カソルラ、フラミニと一緒に現れたのは……えっ誰コレ審判?一瞬目を疑いましたが、ラインズマンが交代でもするのかしら?と思っていたら、なんと数分後、主審のクリス・フォイさんと交代したではありませんか。スタジアムではちゃんと交代がコールされ(こんなん聞いたことない!笑)、すかさず審判を揶揄するチャントが歌われていました。

 もう一つの小ネタはアレックス・ソングの話。実は試合前、アーセナル観戦初心者の友人に見どころを聞かれ、「今日はウエストハムの30番、アレックス・ソングに注目ね。あまりよくない形でアーセナルを出て行った人だから、きっとブーイングされるはず!」なあんて調子に乗って喋っていたのに、コール時もプレー中も全くそんな気配がなくて肩すかし。かといって温かい拍手で迎えるということもなく完全無視ムード。試合後も元チームメイトと挨拶するも、皆何だかあっさりした対応。こうなっちゃうとブーイング以上に寂しいよなあとちょっと心配になってしまうほど。いったいどういうわけだったのかしら?と今も何だか疑問です。

と、何はともあれ筆者渡英以来、行けなかったプレミアリーグのQPR戦も含めてアーセナル公式戦4連勝です!こりゃ永住しないといけないなー(笑)。追い込まれ気味のチャンピオンズリーグ2ndレグのモナコ戦(アウェイ)もこれ、イケちゃうんじゃないの?と大変気をよくしているのですが、さあどうなりますでしょうか。

…いや、5連勝はしたのですが、チャンピオンズリーグ勝ち抜けはならず何とも残念です。特派員はこの後、スウォンジーのリバティ・スタジアム、そして熱さ爆発セント・ジェームズ・パークとまわって帰国します。短期集中不定期連載の現地観戦記、次回も乞うご期待!

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“2014-15シーズン現地観戦記~(6)まさかの主審交代⁉ピッチサイドでレフェリーがアップ開始!” への5件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    観戦記面白いです。元気百倍の特派員さんですね〜!次回も期待してます!

  2. makoto より:

    Mackiさん>
    ありがとうございます。私はこれほど真摯なサポーターではなく、歴史は長いものの若干怠け者で緩いサポーターですので、頭が下がります。CLは勝ち抜けなかったものの、滞在中5連勝とはうらやましい限りです。

  3. のり より:

    更新お疲れ様です。
    現地観戦は夢ですが中々に難しいので、こういうレポートは非常に興味深く拝読させていただきました。
    しかしプレミアのマスコットキャラって結構キモ……変わった愛嬌を持つキャラが多いですよね。

  4. とくはいん(本人) より:

    のりさん、

    本人が書きたくて書けなかったマスコットに関する印象を、絶妙な表現でフォローしてくださりありがとうございます!これからスウォンジの試合もご紹介予定ですが、ここのマスコット(無事撮影してまいりました!)にはぜひご期待ください。筆者イチオシのキモ…変わった愛嬌の持ち主です。

  5. makoto より:

    のりさん とくはいん(本人)さん>
    ありがとうございます。プレミアリーグ各クラブをこよなく愛するブログ主としては、さすがに書けない結構キモ……変わった愛嬌を持つキャラについて言及してくださり、胸のつかえが下りた気分です。

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