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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

激闘ダービー、快勝チェルシー…しかしベストマッチはセインツ対QPR!~プレミアリーグ第6節総括

先週末のプレミアリーグは、エキサイティングなゲームばかりでした。マージ―サイドとノースロンドンの2つのダービーは、ホームで戦ったチャンピオンズリーグ出場チームが、いずれも勝利にふさわしい戦い方をしながら勝ち点3を逃す結果になりました。

リヴァプールは、時計が90分を回るまでは、何もかもがうまくいっていた試合でした。59分に長い時間使いたくなかったコウチーニョを投入すると攻撃が回り出し、64分にジェラードの直接FKで先制。終盤のゲームの畳み方も落ち着いており、ルカクとエトーを完封。88分にはバロテッリをリッキー・リー・ランバートに代えて、時間を遣いつつ前線からのチェイスを強化。強いチームならシーズンに何度かある「相手の守備を崩せなかったものの1-0で勝ち点3」というフィニッシュに向かって、ロジャース監督の狙い通りに歩を進めていたはずでした。

もう、このゲームは91分のジャギエルカのスーパーミドルをただただ褒めるしかありませんね。結果論で「67分にバロテッリがボレーを決めていれば」「最後にスターリングをルーカスに代えるなど、もう一段時間稼ぎができた」等々、小さな粗探しをすることは無意味でしょう。終盤のリヴァプールは、何も問題はなかったのですから。ホームで1-1という不本意な結果でしたが、調子は上向き。ここから5週間、プレミアリーグでは下位との戦いが続くので、復帰するスタリッジとバロテッリでゴールを量産していただければと思います。

スコアは同じ1-1ですが、トッテナムと分けたアーセナルのほうは、悔いの残るゲームでした。ミドルシュートしか打てずに時間を浪費した最初の45分、自陣でフラミニがボールを失うという絶対にやってはいけないプレイで許したシャドリの先制点。0-1となってからチェンバレンが同点ゴールを決めるまでのエジルを中心とした攻撃がよかっただけに、ウィルシャーとラムジーを中で使った前半の空回りが悔やまれます。アルテタ、ラムジー、ウィルシャーをケガで失ったのは激痛ですが、週末のプレミアリーグ、チェルシーとの大一番に向けては迷いがなくなったのではないでしょうか。守備に多少目をつぶっても、エジル、カソルラ、アレクシス・サンチェスの攻撃で対抗すると腹をくくったとき、首位のチェルシーと現在のアーセナルにどのくらいの差があるのかを見てみたいと思います。

2大ダービー以外のゲームに目を向ければ、マンチェスター・ユナイテッドはルーニーの退場とホームでパニックに陥った守備、チェルシーはジエゴ・コスタとオスカルの好調ぶり、マンチェスター・シティはアグエロの復調とマンガラのまさかのミス連発あたりがトピックスでしょうか。チェルシーは盤石。ミッドウィークに開催されるチャンピオンズリーグのポルトガル遠征で、コンディションがよくないジエゴ・コスタに無理をさせずに週末のアーセナル戦に臨みたいところです。マンチェスター・シティも、気持ちを切り替えてエティハドでASローマ(何と開幕5連勝!)に勝てれば、マンガラのミスなど誰も思い出さなくなるはずです。

マンチェスター・ユナイテッドの次戦は「絶不調対決」のエヴァートン。ルーニーの不在はマタで埋めることになるのでしょうが、彼らの最大の問題は「自信のなさ」で、その処方箋はただひとつ「勝ち点3」ではないかと思います。ルカクに3発喰らっても4点奪い返すようなサッカーでいいので、オールド・トラフォードでは何とか結果だけでも出していただければと思います。ファン・ハール監督が抱える守備の根本的な課題解決には、それなりの時間がかかるでしょう。

さて、ここまでひととおり、プレミアリーグのトップクラブのゲームを中心に振り返ってまいりましたが、今週のベストマッチは間違いなくこれ!サウサンプトンとQPRの一戦です。2-1でセインツが勝ったゲームですが、セント・メリーズに集まったサポーターは、チケット代を安いと感じたのではないでしょうか。獲って獲られて獲っての2-1という、点が入りつつ適度に締まったサッカーでは最もおもしろい試合展開だったのもさることながら、何といってもゴールシーンが凄かった!3点のうち2点は、今シーズンのベストゴール候補でしょう。

伸び盛りのウォード=プラウズが長期離脱し、ジェイ・ロドリゲスが不在のセインツは、9月に獲得したサディオ・マネとタディッチが大暴れ。54分の先制点は、タディッチのクロスが流れたところをサディオ・マネが左サイドでトラップ。後ろに戻して仕切り直すのかと思いきや、内側を全力で走り込んできたSBバートランドをチラ見した10番は、完璧なヒールパス!バートランドの迷いのない左足がGKグリーンを破ってセインツ先制です。セインツのCBはフォンテとアルデルヴァイレルト、QPRはコーカーとリオ・ファーディナンド。どちらのコンビもよくやっており、大きなミスはありませんでしたが、それでもここからゴールが入ります。

66分に追いついたQPRのスーパーゴールは、FWチャーリー・オースティン。ゴール中央にいた彼は、自分の後ろに出たボールをつま先で引っかけて浮かすと、振り向きざまのボレー!名手フレイザー・フォースターもこれは止められず、試合はわからなくなります。しかしその2分後、セインツが見事なスーパーゴール返し。オースティンと同じようなゴールを、オースティンより難しい状況で決めたのは、エースのグラツィアーノ・ペッレでした。右からシェーン・ロングが上げたクロスを左にいたタディッチがヘッドで落とすと、ペッレはボールを地面に落とさず蹴り上げ、コーカーを背負いながらのバイシクルシュート!これがGKグリーンの指先を越え、決勝点となりました。この試合は、ゴールシーン以外にも、直接FKやボレーががんがんポストに当たるエキサイティングなゲーム。やはりサッカーは、ミスで決まるのではなく、素晴らしいアタックが多かったチームが勝つ試合が盛り上がります。

ここまでセインツの攻撃シーンで名前が出たのは、全員新加入の選手ですが、守備を固めつつ多くのチャンスに顔を出すシュナイデルランの存在を忘れてはいけませんね。昨季プレミアリーグのラムジーを思い出させる背番号4の攻め上がりが、セインツの攻撃に厚みをもたらしています。「チームづくりには3ヵ月かかる」などという泣き言をいわずに主力を抜かれまくったセインツをリフォームし、最強チェルシーに勝ち点3差で唯一喰らいついているクーマン監督はお見事です。

リヴァプールは不調だ、マンチェスター・ユナイテッドはフラフラだ、アーセナルはボロボロだと、サポーターのみなさんはそれぞれ嘆いてらっしゃいますが、そうはいっても14位のリヴァプールから3位のマンチェスター・シティまで勝ち点4差とまだまだわかりません。今季のプレミアリーグも大混戦ですね!ただし、2位争いですが。

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