2021.05.22 チームの話題(全体・他クラブ)
輝かしい時代の終焉…ウルヴスに誇りをもたらしたヌーノ・エスピーリト・サント、退任。
2021年5月18日、クリスタル・パレスを4シーズン連続でプレミアリーグに残留させたロイ・ホジソンが退任を発表。73歳の老将にとって、日曜日のリヴァプール戦が最後のプレミアリーグになるはずです。TOP4争いの渦中にあるリヴァプールの最終戦は、元よりライヴで見ようと思っていたゲーム。たった半年ではあれど、レッズを率いたことがあるホジソンにとって、アンフィールドは最後のステージにふさわしい場所なのではないでしょうか。
そんなことをつらつらと考えながら、現地メディアの記事を追っていると、シーズン終了をもってクラブから離れるもうひとりの監督のニュースが飛び込んできました。ヌーノ・エスピーリト・サント。ウォルヴァーハンプトン・ワンダラーズのサポーターに、至福の4シーズンを過ごさせた名将です。「BBC」の速報に触れた時、最初に浮かんだのはこのひとことです。なぜだ?ポルトからやってきた47歳のマネージャーは、今季プレミアリーグの開幕直前に2023年までの3年契約にサインしていたはずです。
就任初年度の2017-18シーズンは、30勝9分7敗でチャンピオンシップを制覇。古巣のポルトからルベン・ネヴェスを連れてこられたのは、前年にクラブを買収した復星国際有限公司の資金力と、彼らが出資していた「ジェスティフテ」を率いるホルヘ・メンデスのコネクションがあったからです。移籍金1580万ポンドは、チャンピオンシップレコード。アトレティコ・マドリードからローンで獲得したディオゴ・ジョッタは17ゴールでチームのトップスコアラーとなり、ポルトからネヴェスとともに引っ張ってきたウィリー・ボリは最終ラインの軸となりました。
2018-19シーズンのプレミアリーグでは、シーズンが始まる前から注目の的となりました。ジョッタとボリを完全移籍に切り替えただけでなく、ルイ・パトリシオ、ジョアン・モウティーニョといったポルトガル代表の主力を続々と獲得。ミドルズブラからアダマ・トラオレを引き入れ、最前線にはベンフィカからローンで加わったラウル・ヒメネスを据えました。マンチェスター・ユナイテッドとアーセナルに1勝1分と勝ち越したチームは、堂々の7位フィニッシュ。デンドンケルやペドロ・ネトを加えた2019-20シーズンも7位となり、ヨーロッパリーグではベスト8進出を果たしました。
2020-21シーズンも、抜け目ないウルヴスを堪能できると思っていました。しかし実際は、パンデミックの影響で家族と会えない辛さをかみしめていた指揮官が、ゆっくり終わりに向かう1年だったのかもしれません。激痛のアクシデントが発生したのは、10節のアーセナル戦でした。昨季プレミアリーグで38試合17ゴール6アシストという素晴らしいスタッツを残していたラウル・ヒメネスが、ダヴィド・ルイスと激突して頭蓋骨を骨折。5勝2分3敗で、いつもの7位にいたウルヴスは、2か月後にアーセナル相手にダブルを達成するまで1勝しかできませんでした。
前シーズン7ゴールのジョッタの穴は埋まらず、バルサから獲得したセメドは、ドハーティーのアグレッシブなプレイを超えられず。30節までノーゴールだったアダマ・トラオレも、得点力不足の元凶でした。ラウル・ヒメネスを失ってからの27試合で24ゴール。後半戦18試合のうち、ノーゴールで終わった試合が8つもありました。クトローネは結果を出せずにバレンシアに貸し出され、大器と評判の18歳FWファビオ・シウヴァは、ヒメネスの代役を務めるにはあまりにも不器用でした。
1月にレアル・ソシエダからレンタルしたウィリアン・ジョゼは、プレミアリーグにフィットせず、16試合で1ゴールのみ。ウルヴスは、エースがピッチを離れてから1度も9位以内に上がることなく、苦しいシーズンを終えようとしています。12位でフィニッシュしたとしても、1979-80シーズンの6位以降、41年で3番めの好成績です。ヌーノ監督は、2021-22シーズンに巻き返しを図ろうとしていると信じていたのですが…。「BBC」のサイモン・ストーン記者は、ポルトガル人指揮官が退任を決断した理由について、こう記しています。
「ポルトガルに住む家族から4年も離れている今、キャリアを続ける場所を決める前に、彼らと一緒に過ごしたいと思ったのかもしれない」
「野心は少し衰えている。ヌーノは、過去の実績を模倣しようとすることすら、もはや厳しいと判断したのだろうか」
疑う余地のない輝かしい4年間。ウルヴスのひとつの時代が終わろうとしています。思い出すのは、ペップ・グアルディオラを嘆かせた昨シーズンのダブル。ウイングバックが猛然とカットインする独特の速攻は、今でも頭の中で再現することができます。マンチェスター・ユナイテッドのサポーターとして、時代にピリオドを打つ最終節で戦えることをうれしく思います。リヴァプールVSホジソンを、今季最後のライヴと決めていたのですが、少しだけ気持ちが揺らいでいます。タイムアップの笛が鳴った瞬間の彼の表情が見てみたくて。そのとき真っ先に浮かぶのは、誇りか、達成感か、あるいは安堵…。(ヌーノ・エスピーリト・サント 写真著作者/Carla Cortés)
そんなことをつらつらと考えながら、現地メディアの記事を追っていると、シーズン終了をもってクラブから離れるもうひとりの監督のニュースが飛び込んできました。ヌーノ・エスピーリト・サント。ウォルヴァーハンプトン・ワンダラーズのサポーターに、至福の4シーズンを過ごさせた名将です。「BBC」の速報に触れた時、最初に浮かんだのはこのひとことです。なぜだ?ポルトからやってきた47歳のマネージャーは、今季プレミアリーグの開幕直前に2023年までの3年契約にサインしていたはずです。
就任初年度の2017-18シーズンは、30勝9分7敗でチャンピオンシップを制覇。古巣のポルトからルベン・ネヴェスを連れてこられたのは、前年にクラブを買収した復星国際有限公司の資金力と、彼らが出資していた「ジェスティフテ」を率いるホルヘ・メンデスのコネクションがあったからです。移籍金1580万ポンドは、チャンピオンシップレコード。アトレティコ・マドリードからローンで獲得したディオゴ・ジョッタは17ゴールでチームのトップスコアラーとなり、ポルトからネヴェスとともに引っ張ってきたウィリー・ボリは最終ラインの軸となりました。
2018-19シーズンのプレミアリーグでは、シーズンが始まる前から注目の的となりました。ジョッタとボリを完全移籍に切り替えただけでなく、ルイ・パトリシオ、ジョアン・モウティーニョといったポルトガル代表の主力を続々と獲得。ミドルズブラからアダマ・トラオレを引き入れ、最前線にはベンフィカからローンで加わったラウル・ヒメネスを据えました。マンチェスター・ユナイテッドとアーセナルに1勝1分と勝ち越したチームは、堂々の7位フィニッシュ。デンドンケルやペドロ・ネトを加えた2019-20シーズンも7位となり、ヨーロッパリーグではベスト8進出を果たしました。
2020-21シーズンも、抜け目ないウルヴスを堪能できると思っていました。しかし実際は、パンデミックの影響で家族と会えない辛さをかみしめていた指揮官が、ゆっくり終わりに向かう1年だったのかもしれません。激痛のアクシデントが発生したのは、10節のアーセナル戦でした。昨季プレミアリーグで38試合17ゴール6アシストという素晴らしいスタッツを残していたラウル・ヒメネスが、ダヴィド・ルイスと激突して頭蓋骨を骨折。5勝2分3敗で、いつもの7位にいたウルヴスは、2か月後にアーセナル相手にダブルを達成するまで1勝しかできませんでした。
前シーズン7ゴールのジョッタの穴は埋まらず、バルサから獲得したセメドは、ドハーティーのアグレッシブなプレイを超えられず。30節までノーゴールだったアダマ・トラオレも、得点力不足の元凶でした。ラウル・ヒメネスを失ってからの27試合で24ゴール。後半戦18試合のうち、ノーゴールで終わった試合が8つもありました。クトローネは結果を出せずにバレンシアに貸し出され、大器と評判の18歳FWファビオ・シウヴァは、ヒメネスの代役を務めるにはあまりにも不器用でした。
1月にレアル・ソシエダからレンタルしたウィリアン・ジョゼは、プレミアリーグにフィットせず、16試合で1ゴールのみ。ウルヴスは、エースがピッチを離れてから1度も9位以内に上がることなく、苦しいシーズンを終えようとしています。12位でフィニッシュしたとしても、1979-80シーズンの6位以降、41年で3番めの好成績です。ヌーノ監督は、2021-22シーズンに巻き返しを図ろうとしていると信じていたのですが…。「BBC」のサイモン・ストーン記者は、ポルトガル人指揮官が退任を決断した理由について、こう記しています。
「ポルトガルに住む家族から4年も離れている今、キャリアを続ける場所を決める前に、彼らと一緒に過ごしたいと思ったのかもしれない」
「野心は少し衰えている。ヌーノは、過去の実績を模倣しようとすることすら、もはや厳しいと判断したのだろうか」
疑う余地のない輝かしい4年間。ウルヴスのひとつの時代が終わろうとしています。思い出すのは、ペップ・グアルディオラを嘆かせた昨シーズンのダブル。ウイングバックが猛然とカットインする独特の速攻は、今でも頭の中で再現することができます。マンチェスター・ユナイテッドのサポーターとして、時代にピリオドを打つ最終節で戦えることをうれしく思います。リヴァプールVSホジソンを、今季最後のライヴと決めていたのですが、少しだけ気持ちが揺らいでいます。タイムアップの笛が鳴った瞬間の彼の表情が見てみたくて。そのとき真っ先に浮かぶのは、誇りか、達成感か、あるいは安堵…。(ヌーノ・エスピーリト・サント 写真著作者/Carla Cortés)
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まさかのまさかで驚きました‼️
ヌーノ以前のウルブズを知っているだけに、この4年間は本当に夢のようなというか、まさに夢の4年間でした。
ただただお疲れ様の一言につきます。
ここ数年プレミアリーグで波乱と歓喜を生み出してくれた主役クラブの1つだったと思います。