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ウェストハムは、なぜ強い!? チームのキーマンとモイーズ監督の打ち手をチェック!

「(昨季プレミアリーグの)最終戦で彼らに負けた。われわれは彼らの強さをわかっている。個々のクオリティーが高いだけでなく、とても明確で効率的なフットボールができる。それが成功の理由だろう」

「彼らはボールを奪うチャンスをあまり与えてくれない。一方で、攻撃における最大の脅威は、クイックなカウンターとストライカーへの早いボール。ゲームをコントロールできるアントニオは、ダイナミックで強い。ボックス周辺で守るのは非常にタフなので、ボックスから遠ざけるべきなんだけど、これが難しい。いいチームがやりたがることは、すべて手の内にあるチームだ」

発言の主は、ラルフ・ハーゼンヒュットル。プレミアリーグ4節のウェストハム戦を控えたプレスカンファレンスで、デヴィッド・モイーズのチームについて聞かれたサウサンプトンの指揮官は、的確な表現で彼らの強みをリスペクトしました。2021年に入ってからのプレミアリーグ25試合で、15勝4分6敗。彼らの戦績を上回るのは、マンチェスターの2クラブのみです。25試合で49ゴールは、ペップに次ぐ破壊力。3ゴール以上が10試合もあり、ひとたび火が着くと手がつけられなくなるチームです。

いつの間にか強くなっていた…ビッグクラブのサポーターがハマーズを難敵と捉えるようになったのは、昨年のボクシングデーを過ぎてからでしょう。2020-21シーズン全体のカウンターで6ゴールはリーズに次ぐ2位で、セットピースからの16ゴールはプレミアリーグNo.1。まさに「ボックスから遠ざけるのが難しいチーム」です。

攻撃のキーマンは、31歳になったマイケル・アントニオ。ノンリーグのトゥーリング&ミッチャム・ユナイテッドで得点力のあるウインガーとして注目された後、サイドアタッカー、SB、セカンドストライカーとさまざまな役割をこなしてきたベテランは、現在はストライカーとしてモイーズ監督の期待に応えています。

ウェストハムで決めた49ゴールは、クラブレコード。昨季プレミアリーグで10ゴールをゲットしたオールラウンダーは、2021-22シーズンも3試合4ゴール3アシストと絶好調です。早いタイミングで彼に当て、左右に展開するアタックに加えて、ボールを奪った瞬間に一斉にスプリントするフォルナルス、ボーウェン、ベンラーマの鋭いトランジションもチームの強みとなっています。

前線をサポートする存在として、最も注目すべきは左サイドのアーロン・クレスウェルでしょう。2020-21シーズンの8アシストは、DFとしてTOPの数字です。セットピースで武器になるのは、昨季プレミアリーグ1位の空中戦勝利数234回を記録したソーチェク。攻撃時は高さで貢献する長身のMFは、デクラン・ライスとの連携も素晴らしく、2人合わせて121回のインターセプトはセントラルMFコンビとしてリーグNo.1でした。

デヴィッド・モイーズは、いかにしてハマーズを強化したのでしょうか。最も大きかったのは、デトックスでしょう。セバスチャン・ハラー、ジャック・ウィルシャー、カルロス・サンチェス、ロベルト・スノドグラス、フェリペ・アンデルソン…しばしば問題を起こす選手、汗をかかない選手、ピークを過ぎた選手を容赦なく放出し、ボーウェン、ソーチェク、ツォウファル、ベンラーマといった上下動を厭わない労働者を獲得しました。

昨季の躍進で自信を深めた指揮官とコーチングスタッフは、この夏に選手たちのジムワークを強化。筋力とスタミナをUPすることで、長いシーズンを戦い抜ける運動量とトランジションの鋭さを手に入れられると考えたようです。最初に効果が表れたのは、サイード・ベンラーマ。ボールを素早くさばくように指導されたアタッカーは、開幕からの3試合で2ゴール2アシストというスタッツを残しています。

チームの絆を深めるべく食事会を開催するなど、コミュニケーションを大事にする指揮官は、昨季プレミアリーグ6位からのさらなるジャンプアップを実現できるでしょうか。新戦力のヴラシッチとズマがフィットしたら、当たり前のように上位を喰えるチームになるのではないかと思います。5節のマンチェスター・ユナイテッド戦が、ビッグ6との最初のゲーム。エキサイティングな攻め合いを期待しましょう。(デヴィッド・モイーズ 写真著作者/Giovanni Batista Rodriguez)


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“ウェストハムは、なぜ強い!? チームのキーマンとモイーズ監督の打ち手をチェック!” への1件のコメント

  1. シンイチ より:

    モイーズはエバートンの時からずっと好きですね。ファーガソンの後のユナイテッドでは残念でしたが、彼はなかなか、熱くて、学校の体育の先生みたいないい監督かなと思います。アルテタを育てたのは彼だし、フェライニ、ネビル、ハワード、あげればきりがあらりません。ウエストハムでは念願のエースがいます。アントニオを軸に癖の強いメンバー構成は彼の理想に近づく気がします。私の中ではモイーズは凄いやつを除けば庶民派の
    最高の監督です。

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