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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ドリンクウォーターがついに退団…レスターを優勝させたキーマン4人の選択と明暗。

「僕もクラブもファンも、この結果に大いに失望している。それは間違いない。負傷、処遇、自分で犯した失敗、ピッチの問題、出場機会の不足…言い訳のリストは終わりが見えない」

「この5年間を、ポジティブに捉えてみたい。偉大な選手たちとプレイし、素晴らしい監督の指導を受けた。卓越したスタッフとともに働き、ファンタスティックな人々と出会った。美しい場所に住み、世界を旅して、いくつかのトロフィーを手にした」

「サッカーは素晴らしいスポーツだけど、これは両者にとってビジネスがうまくいかなかったということだ。白黒ははっきりしている。

「チェルシーファンのみなさんに、こんな結果になってしまったことをお詫びしたい。愛する人たちに、あのシャツを着た最高の自分を見ていただきたかった」

チェルシー退団が決まったダニー・ドリンクウォーターの悲しいメッセージを見ながら、あれからもう6年も経ったのかと思いました。プレミアリーグ2015-16シーズン。前年は降格候補だったレスターが、奇跡的な優勝を果たしたあの年です。ジェイミー・ヴァーディー、エンゴロ・カンテ、リヤド・マフレズ、そしてドリンクウォーター。チームの主軸だった4人は、それぞれの道を選び、鮮やかなコントラストを描きました。

3人はビッグクラブに移籍し、ひとりだけ残留。35歳になった今も、レスターの最前線に君臨するジェイミー・ヴァーディーは、6シーズンのプレミアリーグ200試合で104ゴールをゲットしています。ハムストリングや膝の負傷に悩まされた昨季も、公式戦33試合17ゴール。2016年の夏にアーセナルに移籍していたら、これほど長くエースとして活躍することはできなかったのではないでしょうか。

4人のなかで最もハッピーな移籍となったのは、レスターを優勝させた直後にチェルシーと契約したエンゴロ・カンテでしょう。入団初年度の2016-17シーズンに、コンテ監督の下でリーグ制覇。2年連続でプレミアリーグのトロフィーを手に入れるとともに、PFAとFWAの年間最優秀選手に指名されました。

その後も、チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグ、クラブワールドカップ、FAカップ、UEFAスーパーカップを次々に勝ち、2018年のワールドカップロシア大会でも頂点に立ちました。サッリとランパードにも重用されたカンテは、トゥヘル監督に「キー、キー、キープレーヤー。われわれにとってのモハメド・サラー、ファン・ダイク、デブライネ、ネイマール、キリアン・ムバッペだ」といわせています。

カンテが去った翌年に、ドリンクウォーターがチェルシーに加わり、その1年後にマフレズがマンチェスター・シティへ。ペップの信頼を得たレフティも、4シーズンで公式戦189試合63ゴールという素晴らしい数字を残しています。プレミアリーグ優勝3回、FAカップとカラバオカップも獲得。PKを任せられた2021-22シーズンは、チームNo.1の24ゴールをゲットしています。

チェルシーの初年度にプレミアリーグ12試合に出場したドリンクウォーターは、2年め以降は全く出番なし。バーンリー、アストン・ヴィラ、カシンパサへのローン移籍はうまくいきませんでした。この間、メディアの見出しになったのは「飲酒運転による逮捕」「6人組に襲撃されて靭帯損傷」「相手の選手を蹴って退場」「チームメイトに頭突きを喰らわせてトレーニングから追放」。度重なるトラブルは、自身のクオリティと評価を蝕んだだけでした。

彼を戦力に加えなかった4人の指揮官は、ビッグクラブでプレイできるメンタルとクオリティはないと判断したのでしょう。移籍にはリスクが付きものですが、同僚のカンテとのコントラストは残酷なまでに鮮やかです。6年前は、素晴らしかった。私のなかに、スタンフォード・ブリッジでプレイする彼の残像はありません。(ダニー・ドリンクウォーター 写真著作者/@cfcunofficial (Chelsea Debs) London)


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