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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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降格候補から1年、今やEL出場権をめざせるニューカッスル。エディ・ハウの10ヵ月を振り返る。

マンチェスター・シティ相手に3-3のドロー、リヴァプールにはアンフィールドで2-1の惜敗。1年前は降格候補だったニューカッスルは、プレミアリーグの2強を苦しめるチームに変貌を遂げました。10ヵ月前にチームの立て直しを依頼されたエディ・ハウ監督は、何を変えたのでしょうか。若き指揮官の足跡を振り返ってみましょう。

2021年10月7日。ニューカッスルの情熱的なサポーターたちが、歓喜に沸いた日です。悪名高きマイク・アシュリーが、14年めにしてようやくクラブを売却。選手やインフラに対する投資が足りず、プレミアリーグ残留しか期待できなかったトゥーン・アーミーたちは、クラブの強化を推進してくれそうな新たなオーナーの降臨に、喜びを隠しませんでした。

プレミアリーグの名門を買い取ったのは、サウジアラビアの政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)」とPCPキャピタルパートナーズ、RBスポーツ&メディアで構成される投資グループです。買収額は3億ポンド(当時のレートで約456億円)。PIFの会長を務めるサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、総資産額3200億ポンド(約48兆7500億円)と報じられており、メディアは冬の大型補強に関するゴシップを連発しました。

彼らが最初に着手したのは、ムバッペに対するオファーではなく、3分5敗と不振に陥っていたスティーヴ・ブルース監督の解任でした。エディ・ハウ監督が招聘されたのは、インターナショナルブレイクに入って間もない11月8日。ボーンマスにパスサッカーを導入し、4シーズン連続でプレミアリーグ残留を果たした敏腕マネージャーは、プレミアリーグ8試合1勝3分4敗という冴えない戦績で2021年を終えました。

前半戦終了時は、1勝8分10敗で19位。ボーンマスでは攻撃的なスタイルを絶賛されたエディ・ハウは、年明けから守備の立て直しに着手しました。1月の投資は9000万ポンド。最前線のクリス・ウッドを獲得したとき、前線でくすぶっていた選手たちの蘇生プランは既にあったのでしょうか。いや、守備の話を先にしましょう。

中盤センターにブルーノ・ギマランイス、最終ラインはトリッピアー、ダン・バーン、マット・ターゲット。入団してすぐに、鮮やかなFKを2発決めたトリッピアーは長期離脱となってしまいましたが、他の3人は大当たりでした。

リヨンから4000万ポンドで獲得したブルーノ・ギマランイスは、プレミアリーグ17試合5ゴール1アシスト。CBバーン、LBターゲットの4バックは安定感があり、前半戦で42失点だった守備は後半戦トータルで20失点と大きく改善しました。スパーズ戦とマン・シティ戦の5失点を除けば、2失点以上はひとつもなく、17試合で10失点とトゥヘルもびっくりの堅守です。

エディ・ハウが変えたのは、脆かった守備だけではありません。センターフォワードでは7戦ノーゴールと失格だったジョエリントンを、インサイドMFにコンバート。ポジションをコロコロ変えられていたアルミロンは、右のウイングをベースにしてから機能するようになりました。ブルーノがアンカー、サン=マクシマンは健在。後半戦を12勝2分5敗で駆け抜けたチームは11位フィニッシュで、ミッションを達成した若き指揮官は8月に長期契約を結びました。

2022-23シーズンは、1勝5分1敗の10位。ノッティンガム・フォレストとの開幕戦を2-0で完勝した後、勝ち切れないゲームが続いています。目下の課題は得点力ですが、入団以来3戦2発のアレクサンデル・イサクが完全にフィットし、ハムストリングを痛めたサン=マクシマンが復活すれば、勝ち点を伸ばせるのではないでしょうか。EL出場権をめざせる位置にいるニューカッスルの戦いぶりを、引き続きチェックしてまいります。


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