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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

プレミアリーグ2015-16前半戦総括 (1)上位の立役者が勢ぞろい!偏愛的ベストイレブン・表版

プレミアリーグ2015-16シーズンの前半戦が終わりました。去る12月21日の現地番組「マンデー・ナイト・フットボール」にて、アンリさんとキャラガーさんがベストイレブンを選んでいるのを見たときは、「早い早い早い!まだ2試合残ってるやん!」と突っ込んでしまったのですが、本日の全日程終了を待って選んでみると、明らかにオフサイドだった彼らと8人まで同じという人選となりました。本稿では、プレミアリーグ前半戦全体の総括も兼ねて、素晴らしいプレイを見せてくれた選りすぐりの11人を紹介したいと思います。

チェルシーとリヴァプールの衝撃的な監督解任、マンチェスター・ユナイテッド突然のガス欠など、昨季の上位陣が苦戦する一方で、プレミアリーグ2位で折り返したレスターの躍進、ウェストハムの上位喰い連発、クリスタル・パレスのジャンプアップと中堅クラブが暴れまわり、戦国時代の色を強めたこの半年。年末に上位におさまったTOP5をあらためて見てみると、3つの共通点に気づきます。「昨シーズン後半~終盤の好調」「継続性が高いチームづくり」「弱点の的確な補強」。これらのポイントから、好調クラブと不調クラブの戦いぶりを検証しつつ、ベストイレブンの選出理由に触れたいと思います。

最終的にプレミアリーグ首位に立ったアーセナルは、昨季の後半戦も13勝3分3敗で、独走優勝したチェルシーに次ぐ好成績。ラスト10戦を7勝1分2敗と驚異的な変わり身で駆け抜け、最下位から14位にジャンプアップしたレスターや、3~4月のスランプから抜け出して最後を6連勝で締めたマンチェスター・シティ同様、いい雰囲気でオフシーズンを迎えることができました。4位につけたトッテナムは、昨シーズンの前半と後半では勝ち点2しか違わないものの、現在のエースであるハリー・ケインが後半戦からブレイクしており、ゴール数は前半の24から34に激増。この夏のテーマを「守備力の強化」に絞ることができたのは、年明け以降に攻撃に手ごたえを感じられるようになったからでしょう。5位のクリスタル・パレスは、3勝しかできなかった2014-15シーズン前半戦の不振を、年始に就任したパーデュー監督が完全に払拭。トッテナムと並ぶ10勝を挙げてTOP10に食い込んでおり、主力が残った今季の躍進は予想できる結果でした。

一方、昨季は圧倒的な強さを見せたチェルシーは、前半戦には14試合を数えた2得点以上のゲームが後半は8に激減。2月以降の15試合では5つしかなく、点を獲るのに苦労し始めたクラブの守備が崩壊すれば、低迷は必然です。私は、攻撃のバリエーションを失ったのに、前線と中盤の的確な補強がペドロだけ(ファルカオは、どう見てもギャンブルです)だったチェルシーは、新シーズンはTOP2には入れないと見ていたのですが、守備陣の混乱までは予想できませんでした。とはいえ、ここまでの凋落はアクシデントが重なった結果だったとしても、昨季から潜在的に進行していた攻撃力の弱体化を補強等で改善しなかった時点で、前年のようにはいかない可能性は孕んでいたのではないかと思います。

マンチェスター・ユナイテッドは、戦力の出し過ぎが響いたのではないでしょうか。純粋なストライカータイプがひとりもおらず、サイドの頭数も足りず、本職の右SBがダルミアンしかいないチームが負傷者続出で失速したのは、チェルシー以上に予測できた結果です。マルシアル、デパイ、リンガードなどプレミアリーグでフルシーズン戦ったことがない選手が主力を張らざるをえないチームが、チチャリートやヤヌザイまで放出したのはリスクヘッジ感覚の欠如でしょう。「早く自分のスタイルを完成させたい」と焦ったのか、自信過剰だったのか。厳しいようですが、ファン・ハール監督の悪戦苦闘には自業自得という言葉しか浮かびません。リヴァプールは、2年連続で大型補強に走ってチームをゼロから構築していては、昨季の好調をベースに積み上げでチームづくりをしているクラブに追いつくのは時間がかかります。クロップ監督という新たな希望を手に入れたチームは、それでもプレミアリーグ4位を射程圏内に捉えており、後半戦の巻き返しが期待できるのが救いです。

さて、2015-16シーズンの前半戦は、昨季の軸を残しつつ弱点に的確な補強を施したクラブがTOP5を占めたわけですが、ベストイレブンには彼らの新戦力から5人を選ばせていただきました。アーセナルのぺトル・チェフ、トッテナムのアルデルヴァイレルト、レスターのエンゴロ・カンテ、クリスタル・パレスのヨアン・キャバイエ、マンチェスター・シティのケヴィン・デブライネです。GKは、アンリさんはバトランド、キャラガーさんはデ・ヘアを推しているいわば激戦区。出るか留まるか、獲るか弾くかの判断をほとんど間違えなかったバトランドと、アーセナルのDF陣を落ち着かせたチェフで迷いましたが、きわどいハイボールを飛距離のあるパンチでクリアしまくり、3人めのCBとしても大きな役割を果たしたチェフを上としました。シュートに対する反応ではプレミアリーグTOPを争うデ・ヘアは、ハイボール処理は並みのGKです。アーセナルのたったひとりの補強は、最も効果的なポジションに最高の人材を充てたファインプレーだと思います。

【プレミアリーグ2015-16シーズン前半戦 本ブログ選出「偏愛的ベストイレブン」】
GK/チェフ(アーセナル)
DF/ベジェリン(アーセナル)、アルデルヴァイレルト(トッテナム)、
  スモーリング(マンチェスター・ユナイテッド)、モンレアル(アーセナル)
MF/カンテ(レスター)、キャバイェ(クリスタル・パレス)、
  マフレズ(レスター)、エジル(アーセナル)、デブライネ(マンチェスター・シティ)
FW/ジェイミー・ヴァーディ(レスター)

長くなりましたので、DF、MF、FWの選出理由は次稿で書かせていただきます。「プレミアリーグ2015-16前半戦総括 (2)超早押しで選んだ前半戦のMVP。もちろん、この人!」をお読みください。

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