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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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どうしたイングランド⁉ヴァーディ先制も、聖地ウェンブリーで逆転負け!

GKフレイザー・フォースター、最終ラインにカイル・ウォーカーとジョン・ストーンズが入り、スモーリングとダニー・ローズはドイツ戦に引き続きスタメンです。おお、イングランド代表デビューのドリンクウォーターが、ミルナー、ロス・バークリー、ララナが揃う中盤に入っています。トップはスタリッジとジェイミー・ヴァーディ。若い守備陣となったオランダ代表には、ワイナルドゥム、ダレイ・ブリント、デパイ、アフェライとプレミアリーグで活躍する選手が4人います。3月29日、ウェンブリー。イングランドとオランダが対決するフレンドリーマッチの立ち上がりは、ゴールの奪い合いになるのではないかと思わせるスピーディーな展開です。

ジェイミー・ヴァーディが右から単独で仕掛けるシーンが目立つイングランドは、徐々にオランダの速い寄せに押され始めます。オランダ最初のシュートは、スローインをワントラップで打ったデパイの右足。プレミアリーグでは苦戦しているマンチェスター・ユナイテッドの背番号7のプレイに迷いは感じられません。14分、モニターにヨハン・クライフの顔が映し出されると、スタンドは総立ち、盛大な拍手。右からのグラウンダーをニアで受けて左隅を狙ったアフェライのシュートは、フォースターが確実にキャッチします。

ロス・バークリーが下がってボールをもらいに来るイングランド。スタリッジとヴァーディに縦パスが入らず、苦し紛れのロングボールがタッチを割ります。ダニー・ローズのポジションは低く、ここまではドイツ戦で見せたアグレッシブなオーバーラップはありません。26分、左サイドから仕掛けたオランダは、ルーズボールを拾ったワイナルドゥムがきれいなコントロールショット。フォースターの素早い対応で事なきをえますが、プレミアリーグで9ゴールを決めている10番の正確なシュートは要注意です。

この1分後、ウェンブリーが久しぶりに湧きました。ワンツーで左サイドを駆け上がったのはダニー・ローズ。ラストパスをニアでもらったジェイミー・ヴァーディが左足を振り抜きますが、これは大きく左に外れてしまいます。ダニー・ローズは32分にも左からゴールライン際までえぐり、スタリッジに決定的なシュートを打たせました。オランダは、プロメスが痛んだようで、36分にナーシンにチェンジ。その直後、ダニー・ローズのパスを受けてバゾエルをかわしたロス・バークリーのミドルが右のポストすれすれを抜けていきます。

41分、左のミルナーから始まったイングランドの先制点は見事でした。グラウンダーをスタリッジがスルーし、中央で一瞬空いたララナは、打つと見せかけて右のカイル・ウォーカーに完璧なスルーパス。GKゾエトを引きつけた背番号2がインサイドで横に流すと、無人のゴールに容赦なく叩き込んだのはジェイミー・ヴァーディです。前半は1-0。ドイツ戦に続き、「リヴァプール勢がお膳立てして、トッテナムとレスターが決める」攻撃がはまりました。

後半最初のシュートは47分、スローインを持ち込んだスタリッジの左足。自陣からドリブルで強引に上がったロス・バークリーの落としを受け、右隅を狙ったララナのシュートは枠に落ちません。イングランドペースかと思われた49分、ジョン・ストーンズがスリップしてヤンセンにボールを奪われ、フリーでシュートを打たれるも、これはフォースターがかろうじてストップ。しかしそこから右に展開されると、中央に入れようとしたナーシンのクロスがダニー・ローズの手に当たってしまい、レフェリーの笛が鳴ります。至近距離からのボールがヒットした場合は取られないことが多いのですが、右手を振ったのが悪印象でした。PKはヤンセンが落ち着いて左上に決め、1-1。元気になったオランダは、54分にバゾエルが危険なミドルを放ちますが、ドリンクウォーターが体に当てて逆転を防ぎます。

58分、ホジソン監督はスタリッジをウォルコット、ダニー・ローズをナサニエル・クライン。61分のヴァーディの右足の一撃はGKゾエトがセーブし、その3分後にジョン・ストーンズが斜めに通した素晴らしいパスで一瞬フリーになったウォルコットは、クロスに狙ったシュートをDFにブロックされてしまいます。70分、ララナに代わって、プレミアリーグ得点王のハリー・ケインが登場です。同時にスモーリングはジャギエルカにチェンジ。この後も押しまくったイングランドは、79分にワンチャンスを活かされてしまいました。左サイドから縦に入ったボールに、競りにいったジャギエルカがヤンセンに弾き飛ばされ、フリーで入れられたラストパスはファーにいたナーシンへ。こちらもノーマークで、右隅に丁寧に打たれたボレーには、フォースターもお手上げでした。

84分、中盤でひとりかわしてニアに打ったハリー・ケインの左足シュートは右にアウト。最後に顔を出したデル・アリとエリック・ダイアーは不発でした。1-2、今日のオランダは、ユーロで上位をめざすチームが負けていい相手ではありません。ドイツでこれ以上ない素晴らしい試合を見せてくれたイングランドは、聖地ウェンブリーでまずいゲームをしてしまいました。いちばん残念だったのは、終盤1点ビハインドという本番のシミュレーションには絶好の機会に、工夫も徹底もなかったこと。収穫は、カイル・ウォーカーに目処が立ったことと、ジェイミー・ヴァーディが本番でもやってくれそうだと再確認できたことでしょうか。ホジソン監督と選手たちにとっては、「フランスでやってはいけないことを、ひととおりおさらいした」試合だったのではないでしょうか。

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“どうしたイングランド⁉ヴァーディ先制も、聖地ウェンブリーで逆転負け!” への3件のフィードバック

  1. タカシ より:

    更新お疲れ様です。
    イングランドにとっては少々不運な所もありましたが、まだまだ改善点が多いですね。
    しかし、FWやSBの競争は高いレベルにあり今日もいい攻め方を何度か作っていてやはり期待できるチームだと思います。
    今日の試合観るにやはりFWはケインとヴァーディーかなぁと思います。次点でウェルベックでしょうか。何にしても久しぶりに楽しみなチームだと思います。

  2. ロビー サベージ より:

    更新お疲れ様です(^◇^)

    イングランドの攻撃面の連携は良かったのですが、守備面でのアンラッキーなミスと粘りが足りなかったのが痛かったように感じます。

    ただこのチームは若いですし、伸び代のある若手にルーニーのような百戦錬磨の選手が加わればさらに強くなるような感じがします。

    しかしヴァーディは絶好調ですね。レスター推しの私としてはこの好調さを維持して欲しいです。ユーロの大舞台に立つ彼を凄く見てみたいので、今から楽しみですね(^o^)

  3. makoto より:

    タカシさん>
    FWは私も賛成です。ルーニーがトップフォームで出られれば、期待したいのですが。4強までは狙えそうですよね。

    ロビー サベージさん>
    ヴァーディ、1月に手術してよかったですね。彼を見ていると、ラニエリ監督が精神面も含めてしっかりマネジメントできてるんだなと思います。

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