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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

売上激減、主力流出…プレミアリーグで降格ピンチの9クラブで、落ちたら最もやばいのは?

What could relegation mean to those who go down?」。興味深い記事を配信したのは、「BBC」のジョー・ブラッドリー記者。プレミアリーグからの降格が、それぞれのクラブにもたらすものに着目したレポートです。こう言い換えれば、よりわかりやすくなるのではないでしょうか。「クラブによって、降格のインパクトは違う」と。

33節までの順位テーブルを見ると、残留ラインの30ポイントから7ポイント以内は12位まで。「BBC」の記者は、ホジソン就任以来3勝1分1敗のクリスタル・パレスと、同じく直近5試合で10ポイントのウルヴスは脅威は薄らいだと見ているようです。

36ポイントで14位のボーンマスは、3月にリヴァプール、4月にトッテナムを撃破。直近のプレミアリーグ8試合を5勝3敗と健闘しており、リーズとエヴァートンに負けなければ残留できそうです。アメリカ人実業家ビル・フォーリーが買収したクラブは、新スタジアム建設計画の中止やレルマの退団といったダメージを回避できるのではないでしょうか。

15位のウェストハムも、後半戦は5勝4分4敗と持ち直しており、5ポイントのアドバンテージを活かせそうな状況です。降格となれば、昨夏に1億6000慢ポンドを投じた戦力を失う可能性があり、定期収入となっていたテレビ放映権料の大幅なダウンも大きな打撃です。

ロンドンスタジアムのマッチデイ収入まで目減りすれば、資金力にも影響があるかもしれません。斬新な切り口のレポートは、2021年にウェストハムの株式を27%購入したスパルタ・プラハのオーナー、ダニエル・クレティンスキーさんがクラブとの関係性を見直すかもしれないと伝えています。

16位のリーズは30ポイントで、降格ゾーンと1ポイント差。「ケン・ベイツ前会長が最終的に経営破綻に追い込まれた2004年のような破滅的な事態には至らないだろう」という見通しは、1億8900万ポンドの売上高に対して3400万ポンドの損失という最新の決算が根拠です。とはいえ、売上が減れば、エランド・ロードを60000人収容に増強するプランは頓挫するでしょう。

加えて、ハビ・グラシア監督の離脱と、ニョント、メリエ、ジャック・ハリソン、タイラー・アダムスといったキャリアアップ志向の選手の退団は必至です。早期のプレミアリーグ復帰を実現させるためには、サマーフィル、シニステラ、アーロンソン、パスカル・ストライクら若手をどれだけ引き留められるかがポイントとなります。

さて、ここから紹介する4つの下位クラブは、降格のダメージが甚大です。総勢30人というクレイジーな補強を敢行したノッティンガム・フォレストは、何人を吐き出すことになるでしょうか。リーズと並んで30ポイントのクラブは、ブレントフォード、アーセナル、クリスタル・パレスといったやっかいな相手を残しているのがリスクです。

唯一の希望は、経営ボードとサポーターに支持されているスティーヴ・クーパー監督を解任していないこと。チャンピオンシップに落ちても、戦い方を大きく変えずに1年での返り咲きをめざせます。ギブス=ホワイトやアウォニーなど、軸となる選手をどれだけ残せるかが未来のポジションを決めるのではないかと思われます。

18位に沈むレスターが降格となれば、プレミアリーグを制覇した2015-16シーズンから積み上げたチームの資産はゼロリセットとなるでしょう。ジェームズ・マディソン、ユーリ・ティーレマンス、ケレチ・イヘアナチョは退団確実。パトソン・ダカ、ハーヴィー・バーンズ、ジェームズ・ジャスティンも下部リーグで戦う日々をよしとしないはずです。

最もやばいクラブを後回しにして、最下位セインツから先にレポートしましょう。財政的なリスクは、ベテランの売却やオーナーのコミットメントで緩和される見通しのクラブは、「見どころのある選手を安く仕入れて高く売る」経営モデルの放棄が最大のダメージといわれています。

11月にハーゼンヒュットルの後を受けたネイサン・ジョーンズは、1勝8敗で解任。3人めのルベン・セレスも2勝3分6敗でラスト5戦です。順位を上げられなければ、ベラ=コチャンプ、ラヴィア、ウォード=プラウズ、チェ・アダムスら主力は、国内外からのオファーが殺到しそうです。そんななかでも、「BBC」の記者は「アカデミーの充実度はメリットになる」と指摘しています。

最後に、間違いなく大混乱となるクラブを紹介しましょう。過去5年の赤字は4億3000万ポンド。ブラムリー・ムーア・ドックに新しいスタジアムを建設中。ジェリー・ミナやカルバート=ルーウィンなど高額サラリーの選手が多数。サポーターたちは、ファルハド・モシリオーナーとビル・ケンライト会長の解任を要求しています。

プレミアリーグ創設以来、降格がなかったエヴァートンのスカッドは、欧州へのチケットを手に入れられるレベルです。残留を決められなければ、タレントの流出は避けられず、アカデミー出身者が伸び悩んでいるのがネックになるでしょう。冬のマーケットで投資できずにアンソニー・ゴードンを手離したクラブは、希望を見出せる要素がありません。

以上、微妙なポジションにいる9クラブのリスクを並べてみました。34節は、ボーンマスVSリーズ、レスターVSエヴァートンという注目の対戦が控えています。7年前にプレミアリーグ制覇を果たした中堅クラブの成功モデルと、イングランドリーグ創設時の12チームのひとつだった古豪は、どちらが勝つのでしょうか。6試合連続で勝利なしのトフィーズは、アウェイでわずか1勝ですが…!


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