2023.08.02 チームの話題(全体・他クラブ)
弱点補強もままならず…FFP違反のペナルティと訴訟に怯えるエヴァートンの厳しい夏。
昨季プレミアリーグで6位に食い込んだブライトンは、トランスファーマーケットのオープンから積極的に動き、GKフェルブルッゲン、DFイゴール・フリオ、MFダフード、ミルナー、FWジョアン・ペドロを獲得。ECL出場権を手に入れたアストン・ヴィラも、ティーレマンス、パウ・トーレス、ムサ・ディアビという素晴らしい顔ぶれを引き入れています。
5年前のエヴァートンは、彼らと同じポジションでTOP4の一角崩しを目論んでいました。マルコ・シウヴァ監督を招聘した2018-19シーズンは、リシャルリソン、ジェリー・ミナ、ディーニュを獲得し、アンドレ・ゴメスとズマをローンで引っ張ってきています。最終盤に巻き返したチームは、ウルヴスとEL出場権を争ったものの、3ポイント足りずに8位でシーズンを終えています。
しかし今、プレミアリーグ2022-23シーズンの残留争いを何とかクリアしたトフィーズは、絶望的な状況に陥っています。開幕まで10日という段階で、新戦力は2名のみ。アストン・ヴィラからフリーで獲得したアシュリー・ヤングは38歳で、ビジャレアルからローンで獲ったアルノー・ダンジュマが唯一の即戦力です。
2019年からの3シーズンで、3億7200万ポンド(約680億円)という巨額の損失を計上したクラブは、FFP違反のペナルティと訴訟に怯えながら戦うことになります。プレミアリーグの裁定は時間がかかりそうですが、降格したクラブが損害賠償を要求する裁判のほうは、10月末からスタートする予定になっています。
「エヴァートンが降格していれば、トップリーグで収益を得られた可能性がある」と主張しているのは、レスター、リーズ、サウサンプトン、バーンリー。「ガーディアン」は、「マージーサイドのクラブが敗訴すれば、数千万ポンドを失う可能性がある」とレポートしています。
彼らがいかに苦しい状況にあるかは、スカッドを見れば一目瞭然です。トム・デイヴィス、ベゴヴィッチ、ジェリー・ミナ、タウンゼントに加えて、数少ないストライカーであるシムズも売却を余儀なくされました。カルヴァート=ルーウィンが負傷し、デマライ・グレイに移籍の話があるなかで、最前線はモペイとダンジュマだけです。
昨季プレミアリーグでカルヴァート=ルーウィンは2ゴール、モペイは1ゴール、スパーズにいたダンジュマも1ゴール。「テレグラフ」によると、ストライカーのテコ入れを急ぐクラブが獲ろうとしているのは、スポルティングCPのユセフ・シェルミティだそうです。トップリーグでの実績が21試合3ゴールの19歳に、プレミアリーグで量産せよというのは酷な話でしょう。
移籍金1200万ポンドのディールは、詳細条件の折り合いがつけば決着する見通し。チェルシーならローンで武者修行となるであろうストライカーは、この夏最後の新戦力となる可能性があります。クーマン、アラダイス、マルコ・シウヴァ、アンチェロッティ、ベニテス、ランパードと短命政権が続いたクラブは、若手を育てられなかったツケを請求されているかのようです。
移籍金の相場が上がると、最もしんどいのは上位を窺う中堅クラブです。ビッグクラブは、シャツやグッズを世界じゅうのファンに販売し、スポンサーを増やせば一定回収できます。小規模クラブは、そもそもお金がかかる選手に手を出しません。この夏の補強で2000万ポンド以上は、ブライトンのジョアン・ペドロ(3000万ポンドはクラブレコード!)、ブレントフォードのネイサン・コリンズ、ボーンマスのハメド・トラオレぐらいでしょう。
しかし、上位を狙う中堅となると相場が変わってきます。レスターは、選手のサラリーが負担になって財政難に陥りました。ひと頃はELをめざしていたウルヴスは、主力を大量に手離しています。昨季は残留争いに巻き込まれたウェストハムは、プレミアリーグとELを両立させる戦力をキープできるでしょうか。エヴァートンは既にFFPのメーターを振り切っています。
52888人を収容するブラムリー・ムーア・ドックの新スタジアムは、2025年のオープンが延期になる見通しと伝えられています。明るいニュースが見当たらないエヴァートンの唯一の希望は、小規模クラブのマネジメントに長けたショーン・ダイクの存在です。1月の就任以来、5勝6分7敗と粘り強い戦いを続けた指揮官の戦術と用兵に注目しましょう。
5年前のエヴァートンは、彼らと同じポジションでTOP4の一角崩しを目論んでいました。マルコ・シウヴァ監督を招聘した2018-19シーズンは、リシャルリソン、ジェリー・ミナ、ディーニュを獲得し、アンドレ・ゴメスとズマをローンで引っ張ってきています。最終盤に巻き返したチームは、ウルヴスとEL出場権を争ったものの、3ポイント足りずに8位でシーズンを終えています。
しかし今、プレミアリーグ2022-23シーズンの残留争いを何とかクリアしたトフィーズは、絶望的な状況に陥っています。開幕まで10日という段階で、新戦力は2名のみ。アストン・ヴィラからフリーで獲得したアシュリー・ヤングは38歳で、ビジャレアルからローンで獲ったアルノー・ダンジュマが唯一の即戦力です。
2019年からの3シーズンで、3億7200万ポンド(約680億円)という巨額の損失を計上したクラブは、FFP違反のペナルティと訴訟に怯えながら戦うことになります。プレミアリーグの裁定は時間がかかりそうですが、降格したクラブが損害賠償を要求する裁判のほうは、10月末からスタートする予定になっています。
「エヴァートンが降格していれば、トップリーグで収益を得られた可能性がある」と主張しているのは、レスター、リーズ、サウサンプトン、バーンリー。「ガーディアン」は、「マージーサイドのクラブが敗訴すれば、数千万ポンドを失う可能性がある」とレポートしています。
彼らがいかに苦しい状況にあるかは、スカッドを見れば一目瞭然です。トム・デイヴィス、ベゴヴィッチ、ジェリー・ミナ、タウンゼントに加えて、数少ないストライカーであるシムズも売却を余儀なくされました。カルヴァート=ルーウィンが負傷し、デマライ・グレイに移籍の話があるなかで、最前線はモペイとダンジュマだけです。
昨季プレミアリーグでカルヴァート=ルーウィンは2ゴール、モペイは1ゴール、スパーズにいたダンジュマも1ゴール。「テレグラフ」によると、ストライカーのテコ入れを急ぐクラブが獲ろうとしているのは、スポルティングCPのユセフ・シェルミティだそうです。トップリーグでの実績が21試合3ゴールの19歳に、プレミアリーグで量産せよというのは酷な話でしょう。
移籍金1200万ポンドのディールは、詳細条件の折り合いがつけば決着する見通し。チェルシーならローンで武者修行となるであろうストライカーは、この夏最後の新戦力となる可能性があります。クーマン、アラダイス、マルコ・シウヴァ、アンチェロッティ、ベニテス、ランパードと短命政権が続いたクラブは、若手を育てられなかったツケを請求されているかのようです。
移籍金の相場が上がると、最もしんどいのは上位を窺う中堅クラブです。ビッグクラブは、シャツやグッズを世界じゅうのファンに販売し、スポンサーを増やせば一定回収できます。小規模クラブは、そもそもお金がかかる選手に手を出しません。この夏の補強で2000万ポンド以上は、ブライトンのジョアン・ペドロ(3000万ポンドはクラブレコード!)、ブレントフォードのネイサン・コリンズ、ボーンマスのハメド・トラオレぐらいでしょう。
しかし、上位を狙う中堅となると相場が変わってきます。レスターは、選手のサラリーが負担になって財政難に陥りました。ひと頃はELをめざしていたウルヴスは、主力を大量に手離しています。昨季は残留争いに巻き込まれたウェストハムは、プレミアリーグとELを両立させる戦力をキープできるでしょうか。エヴァートンは既にFFPのメーターを振り切っています。
52888人を収容するブラムリー・ムーア・ドックの新スタジアムは、2025年のオープンが延期になる見通しと伝えられています。明るいニュースが見当たらないエヴァートンの唯一の希望は、小規模クラブのマネジメントに長けたショーン・ダイクの存在です。1月の就任以来、5勝6分7敗と粘り強い戦いを続けた指揮官の戦術と用兵に注目しましょう。
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
コメントを残す